木之下川の浅瀬にまた鷺が佇んでいたので、またカメラを向けた。すると、慣れているので静かに撮られるはずなのに急いで飛び発った。
画像は29日、鹿児島市上福元で写す。
鷺は民家の屋根にとまったが、よく見るといつもよりずんぐりしていたので、帰宅して調べると五位鷺だった。
化鷺を五位に叙す夜や稲光 寅 彦
前にも書いたが、この鷺は醍醐天皇の勅命に服したため、五位が授けられたといわれている。
「クロガネモチ」と標された街路樹に、ぎっしりと赤い実がついていた。
帰宅してて調べると、漢字は黒金黐と書くらしい。画像は25日、鹿児島市谷山中央で写す。
赤き実がややきはだつて肌寒し 咲 子
肌寒くなってから、あちこちで赤い木の実を見るようになった。
果実が残っている柿の木に、小鳥が枝移りしていた。
帰宅して歳時記をめくると、05年に「鶯と辛夷」と題して日記に載せた小鳥に似ていた。画像は24日、鹿児島市谷山中央で写す。
逢曳や冬鶯に啼かれもし 敦
デートしているとチャッ、チャッと舌打ちするような音が聞こえたのだろうか。冬鶯の別の名は笹子。ホーホケキョではなく、藪のなかなどでチャッ、チャッと鳴くので名づけられたそうだ。
民家の文旦をクレーンに乗って採っていた。画像は19日、鹿児島市谷山中央で写す。
増築の朱欒剪らねばならぬ羽目 ひろ子
クレーン上の仕事をしばらく眺めていると、文旦の枝が電線に触れているので剪っているようでもあった。辞書によると文旦は朱欒の一種。
鷗が川の面を突いて、ひかりの輪をつくっていた。画像は19日、鹿児島市谷山中央で写す。
かいつぶり潜き光輪のこしけり 菁 枝
広辞苑によると、光輪とは「キリスト教芸術で聖人や神的人格を象徴するために頭の周囲に描いた輪」
郊外の民家の薪置場に、古い薪の上に新しい薪が積み重ねられていた。画像は17日、鹿児島市下福元町で写す。
雑用は四捨五入して冬支度 摩耶子
薪は乾燥した古い薪から順に使う先入先出の積み方があるといわれているが、郊外の民家は面倒くさかったのだろうか。