ターボの薩摩ぶらり日記

歳時記を念頭において

団欒

2009年11月30日 | 俳句雑考

落ち葉の敷かれた公園で、老人たちが談笑していた。画像は29日、鹿児島市谷山中央で写す。

   生くることやうやく楽し老の春      風 生

浮き世のしがらみから解放されて。


山茶花

2009年11月29日 | 俳句雑考

紅白の山茶花が咲いている下で、媼が路上を掃いていた。画像は28日、鹿児島市谷山中央で写す。

    山茶花の花のこぼれに掃きとどむ     虚 子

掃除しているうちに山茶花の落花にゆきあたったので、そこで掃くのをやめたという句意だろうか。もっと的確な解釈がありそうだ。


落葉

2009年11月28日 | 俳句雑考

梵妻だろうか、境内に隣る空き地で女人が落葉を掃きあつめていた。
画像は27日、鹿児島市谷山中央で写す。

   掃き了へて落葉をとむる箒かな   蛇 笏

箒が4本みえるが、4本でとめれば風で落葉がとぶ心配はなさそうだ。


冬蜂

2009年11月27日 | 俳句雑考

茶の花の蘂に、蜂がとまったり離れたりしていた。
歳時記によると蜂は春、茶の花は冬の季語。画像は26日、鹿児島市谷山中央で写す。

   冬蜂の死にどころなく歩きけり   鬼 城

まだ暦のうえでの冬のせいか、薩摩の蜂は長生きし続けそうだった。


紫雲英

2009年11月26日 | 俳句雑考

冬田に紫雲英が咲いていた。帰り花だろうか。画像は23日、鹿児島市慈眼寺で写す。

   桜島いまし雲脱ぎ紫雲英の上    青 邨

もちろん春景。この風土が多くの著名な画家を生んだのだと思う。


ポインセチア

2009年11月25日 | 俳句雑考

民家に丈が追いつきそうに伸びて、ポインセチアの葉が赤くなり、黄色い花が咲いていた。
画像は23日、鹿児島市谷山中央で写す。

   ポインセチア愛の一語の虚実かな   源 義

小説のテーマにすると、長編になりそうだ。


皇帝ダリヤ

2009年11月24日 | 俳句雑考

住宅街の空き地に皇帝ダリヤがたかだかと咲いていた。花は見慣れていたが、名前は最近知った。
画像は23日、鹿児島市谷山中央で写す。

   鮮烈なるダリヤを挿せり手術以後    波 郷

歳時記によると、ダリヤには世界で3万以上の園芸品種があるそうだ。


冬薔薇

2009年11月23日 | 俳句雑考

雨催いの路地を歩いていると、民家の垣に白い薔薇が咲いていた。
画像は22日、鹿児島市谷山中央で写す。

   冬薔薇の白の奥なる暗さかな    瞳 子

冬日をあびていると、白い薔薇は奥が暗くみえると思う。


サンタ

2009年11月22日 | 俳句雑考

民家にかかった梯子にサンタクロースの身に扮した3人の人物、ではなく人形が屋根に上がろうとしていた。
画像は21日、鹿児島市谷山中央で写す。

   街角にサンタ来てゐる神の留守     とめ子

歳時記によると、神の留守は神無月のこと。


シクラメン 

2009年11月19日 | 俳句雑考

民家の植込みにシクラメンの花が咲いていた。画像は18日、鹿児島市谷山中央で写す。

   恋文は短きがよしシクラメン    櫻桃子

つぎの句は、虚子が女弟子愛子に送った句。

   虹たちて忽ち君の在る如し
   虹消えて忽ち君の無き如し

そして、死ぬまえの女弟子からつぎの電報を受けとったといわれている。

   ニジ キエテスデ ニナケレド アルゴ トシ   アイコ 


吊し柿

2009年11月18日 | 俳句雑考

民家の軒に柿が吊されていた。その下には剥いた皮が干してあった。
画像は17日、鹿児島市谷山中央で写す。

   村人に倣ひ暮しぬ吊し柿        たかし

用途がわからぬままに、皮も干したのだろうか。


身欠き鰊

2009年11月17日 | 俳句雑考

百貨店の北海道物産展は熱気がたちこもり、やっとの思いで身欠き鰊の生干しを手に入れた。
画像は16日、鹿児島市金生町で写す。

   喪が終り顔なき鰊夜も干す     京 子

おなじ身欠き鰊でも、棒鱈のように固くなるまで干すのだろうか。


幼女

2009年11月16日 | 俳句雑考

臨月をひかえた親が有機栽培の貸農園に幼女を放つと、いろいろな野菜に興味を示した。
画像は15日、鹿児島市笠松で写す。 

   貝割菜数へる幼女貸農園     豊 水

KAの頭韻を踏んでいる。