磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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かもがわブックレット93 アジア・女性・沖縄が問う日本

2009年01月28日 | 読書日記など
『かもがわブックレット93 アジア・女性・沖縄が問う日本』
   安斎育郎、他・著/かもがわ出版1996年

今も、もちろん無関係というわけではない……。
--こんな愚かな理念をもっていて、いい世の中がつくれるわけがない……。



「オウム真理教がみせた「戦前」の暗黒」安斎育郎。下「」引用。

「それから、もう一つの問題は、オウム真理教の事件です。私はオウム真理教から名指しで批判されている立場にあるので、しばしばインタビューを受けたんですけれども、三つのことをよく聞かされました。
 一つは、「なぜオウムの科学者たちはサリンのような人殺しにしか役立たないものをつくったのでしょうか」という質問です。しかし、私に言わせれば、人間はあの二十世紀の戦争の時代に人殺しのための毒ガスをつくり、あるいは細菌兵器をつくり、核兵器をつくった時点で、科学を人殺しのために役立てるということはとっくに経験してしまったのです。それから二つ目は、「なぜオウムはオウムの信者以外を無差別に殺していいというような差別的な生命観に陥ったのか」という質問でした。これも戦争の時代に、例えばヒットラーの時代には実にヨーロッパ在住の二千万人のユダヤ人を皆殺しにすることがもくろまれた。日本も大陸でそれに類するさまざまな差別的な人間の命の扱いをしてきた。したがって、これもオウムが初めてのことではなかった。三つ目に聞かれたのは、「なぜオウムでは麻原教祖の狂気の沙汰が、理性の府であるべき最高学府を卒業した人々によって妨げられなかったのか」ということでしたけれども、それは教祖の言うことに抵抗すればみずからの命が危ういような、暴力的な、自由を徹底的に奪う体制があったからです。これも残念ながら戦前の日本そのものであり、あるいはヒットラーのもとでもあったのです。」

エリートほど不正に弱いと他の本では書かれてありました。
--いつものことでも、証明されていますね……。

非理性の正当化……。下「」引用。

「まことに残念だけれども、一つの非理性的な行為が別の非理性的な行為を正当化するということがしばしばあります。その意味では、日本の十五年戦争、あるいはそれに先立つ暴虐に満ちた戦争行為、侵略行為というものが、原爆投下という非理性をも正当化しかねないような状況さえ招いてきたわけです。」

原爆神話をつくりあげ、原発神話をつくりあげた……。

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朱建栄さんの意見。下「」引用。

「日清戦争で、日本軍が旅順を占領したときに、死体の埋葬作業にあたった三六人を除いて町の人を全部殺し尽くしたんです。また中国から台湾、最初は遼東半島も割譲しようというような動きもあり、日本の国の財政は二年、三年分に相当する賠償金を中国から取ったわけです。しかし、実は中国人の多くはこの戦争では日本人を恨んではいませんでした。もちろん戦争で被害はあったんですけれども、当時の満州族の清朝政府は自己尊大的で外部の世界を知らなかったため、むしろ日本の鉄砲によって中国人が目を覚まされたというように、それ以後多くの中国人が日本へ留学したんです。」

南京大虐殺……。下「」引用。

「南京大虐殺について細かく言う必要はありません。世界赤十字会の下部組織の収容した死体が、全部で四三、○七一体あり、またキリスト教の崇善堂という組織が埋葬した死体が一一二、二二六体あったわけです。こうようなヨーロッパ系の慈善組織が埋葬した死体だけで一五万体以上に達したわけですね。このようなことが果たして日本で十分紹介されているのだろうかということを感じます。」

もくじ

松井やよりさんの意見。下「」引用。

「実は北京には沖縄から七一人の女性が参加しました。彼女たちが北京が強調したのは平和というメッセージ、軍隊の暴力性についてのメッセージでした。「私たちは日本からというより沖縄から来ました」という気持ちで、「基地をなくしたい」と訴えのです。」

もくじ

そして従軍慰安婦問題について……。下「」引用。

「北京でこの民間募金に対して非常に強い抗議の声が出たとき、小和田国連大使がNGOフォーラム、つまり民間の女性集会に説明に来られて強調されたのは、「あの戦争はみんなの責任、日本人全部の責任だから、民間で募金して償えばいいのだ」というふうに言われたんですね。つまり、だれが戦争を起こしたのか、戦争犯罪者をはっきり区別しないということですね。それどころか責任を国民に転嫁しているわけです。ということは、戦後日本の私たちが戦争犯罪者を裁くことができなかったということが、戦後50年の間違いの始まりじゃないかと思うんです。ですからA級戦犯を総理大臣にするし、今でも戦争を美化している団体である遺族会の会長をつとめた人物を総理大臣にしようという国なんです。」

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安斎が語る、戦後も引継がれた野蛮……。下「」引用。

「戦後もまた戦前のさまざまな戦争の時代にあった価値観やものの見方を引きずっているのではないか。それは形の上では政治指導者がそのまま戦後に引き継がれ、A級戦犯だった人が総理大臣になるような国であるということと同時に、戦後世代がやはりあの戦争の時代の価値観を引きずっていて、そこに連続性があるのではないかというようなことを、できればドイツなどと比らながら論じていただければと思います。」

そして中曽根から小泉へ。
日本人にも非人間的な思想の毒がまわる……。

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だけど、この二人だけが問題なのではない……。

ドイツでは……。下「」引用。

「ドイツでは戦後世代が親の世代と自分の世代との間の一種の対立的な感情が起こることを覚悟した上で、戦前あるいは戦争を生き抜いた親たちがどういう行為をやったのかということを問いただしたということを話されました。」

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キーセンについての松井やよりさんの意見。下「」引用。

「私が慰安婦問題に初めて気がついたのは、一九七三年に韓国の女性たちがキーセン観光反対の声を上げたことに対応していろんな運動を始めたときでした。韓国の女性たちから、「あなたたちはかつて同胞の女性たちを挺身隊員として強制連行して性的な辱しめをした、それを反省しないからまたこうやってたくさんの日本の男性が来るのではないか」という言葉にショックを受けたわけです。
 最近はあらゆるものを商品化する消費文化のなかで、女性の体を、しかも少女の体まで商品として売買してもうけている。タイの女性たちを雇って搾取している人身売買業者は、たまに摘発されると何千万円のお金をもうけている。一年間で一億円以上の利益をあげていた例もあります。そういう意味で、現在の女性に対する見方が、戦前とどこが変わったのだろうかと、いま人身売買問題にとりくむなかで感じているわけです。」









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