総理がコジキでコジキがソーリィー 041 LIFE 「価値観っていうものは、そうだろうけど……」 少年はどうして、そんなひどい環境に生きているのか理解できなかった。 「日本人っていうのは、人生が一番重いものと思いこんでいる。それは大きな間違いなんだよ」 ソーリィー半分照れ笑いをしている。 「じゃ、何だよ」 人生より重いものがあるのか? 「だから、命だよ。英語で命のことを何というか知っているかい?」 ソーリィーは、イタズラッ子のように笑った。 「そのくらい知っているよ。LIFEでしょう」 少年はすぐに答えた。成績は優秀な少年である。 「そのとおりだよ。じゃ、生活は何っていう」 少年は考えた、先ほど答えたのが……。しかし、答えた。 「えー、生活、生活もLIFEでしょう」 「そうだよ。じゃ、人生は?」 ソーリィーは青空を見ていた。 「うーん、今度は難しいなあー」 「難しくないよ。人生もLIFEだよ」 「えっ、人生もLIFEなの」 「そうだよ」 「ふーん、それがどうしたの?」 「日本人はLIFEを三つにわけているわけだね。命、生活、人生ってね」 「そうかあー、日本人は一つじゃないんだ」 「でも、どこからが人生で、どこからが生活かわかるかい」 「人生のほうが生活よりも長い気がするよ」
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