総理がコジキでコジキがソーリィー 040 自分で感じるもの 「それは、教えられるものじゃない。自分で感じるものだ」 「自分で感じるもの……」 「そうだとも、みんな死ぬからこそ、生命についてもっと感じないといけないんだよ。生命って何かを、なぜ生きているのかを」 「人間は愛や理想をかなえるために、生きているんだよね」 「それは間違っている」 すばやく反応して応えるソーリィー。 「どうして何だよ」 「人は生きているだけで素晴らしいんだ。このことが一番大切なことなんだよ。それが感じられなくなっているんだ」 ホームレスの男がそんなことをいうのも、不釣り合いのように少年には思えた。 いや、ホームレスという生活の中でも、多くの人に信頼されているソーリィーだからこそ、言えるのかもしれないと少年は思った。 少年の友人はホームレスを見て、「俺なら、わるいことでして、刑務所に入ったほうが賢いと思うぜ! どうせ政治家だって、芸能人だって、そこらにいる大人だって、悪いことばかりしているのだから……。どうってことないさ。どうして、あいつら、悪いこともしないのだろう?」 そんなことを話していたのを思い出していた。 「価値観っていうものは、自分の心の中にあるもんだよ」 ソーリィーはやさしい声で話しかけている。 少年は犯罪をしない価値観……。 そういう価値観をもっている人は「いじめ」なんて簡単にはしない。 ソーリィーは少年の笑顔をみつめていた。
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