星空のオルゴールの続きの作品です。
星空のオルゴール2
サンタ・スターボー
津波ですっかり瓦礫の山となっているところから、
一枚の絵をさがしだした老人……。
行方不明になったばあさんも、大好きな絵じゃった。
おばあさんは、この辺じゃ、有名な産婆さん。
これはサーカスの大スターである
スターボーからもらった絵じゃ!
◇ ◇ ◇ ◇
1 涙の星空
少年は星空を見ていました……。
星はあくまでも美しく、そして涙のきらめきのようです……。
いっぱい、いっぱいの涙で……。
この世界はつくられているような気がします……。
ぼんやりしてくる星空……。
--そして、少年の目にも……。
2 むかしのさみしいクリスマス
クリスマス……。
今年もさみしいクリスマス……。
おかあさんが生きていたころは……、
そうではなかったような気もする……。
ううん、たのしかった……。
でも、ちがったころもあるよ!
そう、かあさんが入院した年のクリスマス!
--生きていて、かあさんと思うクリスマス!
3 でも、たのしいおかあさん!
お見舞いに行けるようになって……。
かあさんに会えたっけ……。
「さみしかった」なんていえなかった……。
だって、かあさん病気で苦しんでいたのに……。
がんばっていたのに、そんなことをいえない。
でも、ベッドでかあさんは笑っていった。
「さみしいクリスマスだったでしょう……」
おかあさんからいってくるとは思わなかった。
「えんりょしなくっていいのよ。どうだった」
ぼくのかおを見て、ほほえむかあさん。
「さみしいクリスマスだったのね。そうでしよう」
「うん」
涙をこらえる少年……。
「よかった!」
少年は心のなかで思う。
どうして? だって、おかあさんがいないから、
さみしいクリスマスだから……。
「あっそうか!」
ポッとと頬をあかくする少年。
おかあさんがいないクリスマスが楽しいなんて、
おかあさんにとっては、悲しいことかもしれない……。
ボクがさみしい気持ちでいることで、
おかあさんがしあわせなら、たのしい気がした。
でも、少年と母とはちがった。
「さみしい気持ちは、今度あえるときの楽しみね!
わたしもさみしかった……」
さみしい気持ちは……。
だから、また会えたから、楽しいんだよね。
--天国を信じていたおかあさん……。
4 ぼくの花子さん
スターボーからもらった、オルゴール。
花子さんとスターボー。
すてきだな。
--今年あったんだよ。
かわいい女の子。
カメラをもっていた。
なにを撮っているんだろうと思った……。
そして、女の子をじっと見ていたら……。
とても、しあわせな気分になったんだ……。
きれいな、あたたかい感じの目をした女の子だった……。
目と目があったとき、ほほえんでくれた気がした……。
--スターボーは遠い宇宙から、花子さんを見つけたんだよね。
スターボーは、とても勇気がいったんだろうなあー。
--あの子のことを思うと、
今でも、心臓がとても、どきどきするよ。
とても、すてきな女の子で、
ボクにはムリだろうなあーと思う……。
5 サンタ・スターボー
パチッと音をたてると、オルゴールのフタがしまった。
どうしたんだろうなあーと少年はおどろく。
そして、オルゴールはフタも開いていないのに、
「星に願い」がかかっている。
そして、少年がフタを開くと、
スターボーが、サンタの格好していた。
花子さんも、サンタの格好。
それだけじゃない、花子さんの胸には、赤ちゃんがいた。
「生れたんだ!」
一人ぼちのクリスマス、さみしいけど、
スターボーのおかげで、温かい気持ちになれた……。
◇ ◇ ◇ ◇
「クリスマスかあー、ばあさんどうしておるんじゃろう」
仮設住宅のドアをあけて部屋に入る。
スターボーから送られた絵をみて驚く。
その絵には、スターボー、花子さん、
俊子さん(スターボーと花子さんの子供)が、
クリスマスを祝っていました。
そして、そのうしろで、うれしそうに笑っているトラばあさん。
絵はとても楽しそうです。
おじいさんは腕ぐみをしました。
「どこで、宇宙旅行の切符を買ったらええんじゃろう?」
そして悩みます。
「汽車賃、いくらかかるんじゃ! 宇宙まで!
歩いて行くには、ちょっと遠かろう……。
歩いて行くとしたら、何年かかるんじゃろうなあー。
宇宙の街道に茶店があったらええのじゃが……」
星空のオルゴール3 レッツ・ダンス! Lovejoy comet
[クリスマス・ストーリー]
サンタ・スターボー
津波ですっかり瓦礫の山となっているところから、
一枚の絵をさがしだした老人……。
行方不明になったばあさんも、大好きな絵じゃった。
おばあさんは、この辺じゃ、有名な産婆さん。
これはサーカスの大スターである
スターボーからもらった絵じゃ!
◇ ◇ ◇ ◇
1 涙の星空
少年は星空を見ていました……。
星はあくまでも美しく、そして涙のきらめきのようです……。
いっぱい、いっぱいの涙で……。
この世界はつくられているような気がします……。
ぼんやりしてくる星空……。
--そして、少年の目にも……。
2 むかしのさみしいクリスマス
クリスマス……。
今年もさみしいクリスマス……。
おかあさんが生きていたころは……、
そうではなかったような気もする……。
ううん、たのしかった……。
でも、ちがったころもあるよ!
そう、かあさんが入院した年のクリスマス!
--生きていて、かあさんと思うクリスマス!
3 でも、たのしいおかあさん!
お見舞いに行けるようになって……。
かあさんに会えたっけ……。
「さみしかった」なんていえなかった……。
だって、かあさん病気で苦しんでいたのに……。
がんばっていたのに、そんなことをいえない。
でも、ベッドでかあさんは笑っていった。
「さみしいクリスマスだったでしょう……」
おかあさんからいってくるとは思わなかった。
「えんりょしなくっていいのよ。どうだった」
ぼくのかおを見て、ほほえむかあさん。
「さみしいクリスマスだったのね。そうでしよう」
「うん」
涙をこらえる少年……。
「よかった!」
少年は心のなかで思う。
どうして? だって、おかあさんがいないから、
さみしいクリスマスだから……。
「あっそうか!」
ポッとと頬をあかくする少年。
おかあさんがいないクリスマスが楽しいなんて、
おかあさんにとっては、悲しいことかもしれない……。
ボクがさみしい気持ちでいることで、
おかあさんがしあわせなら、たのしい気がした。
でも、少年と母とはちがった。
「さみしい気持ちは、今度あえるときの楽しみね!
わたしもさみしかった……」
さみしい気持ちは……。
だから、また会えたから、楽しいんだよね。
--天国を信じていたおかあさん……。
4 ぼくの花子さん
スターボーからもらった、オルゴール。
花子さんとスターボー。
すてきだな。
--今年あったんだよ。
かわいい女の子。
カメラをもっていた。
なにを撮っているんだろうと思った……。
そして、女の子をじっと見ていたら……。
とても、しあわせな気分になったんだ……。
きれいな、あたたかい感じの目をした女の子だった……。
目と目があったとき、ほほえんでくれた気がした……。
--スターボーは遠い宇宙から、花子さんを見つけたんだよね。
スターボーは、とても勇気がいったんだろうなあー。
--あの子のことを思うと、
今でも、心臓がとても、どきどきするよ。
とても、すてきな女の子で、
ボクにはムリだろうなあーと思う……。
5 サンタ・スターボー
パチッと音をたてると、オルゴールのフタがしまった。
どうしたんだろうなあーと少年はおどろく。
そして、オルゴールはフタも開いていないのに、
「星に願い」がかかっている。
そして、少年がフタを開くと、
スターボーが、サンタの格好していた。
花子さんも、サンタの格好。
それだけじゃない、花子さんの胸には、赤ちゃんがいた。
「生れたんだ!」
一人ぼちのクリスマス、さみしいけど、
スターボーのおかげで、温かい気持ちになれた……。
◇ ◇ ◇ ◇
「クリスマスかあー、ばあさんどうしておるんじゃろう」
仮設住宅のドアをあけて部屋に入る。
スターボーから送られた絵をみて驚く。
その絵には、スターボー、花子さん、
俊子さん(スターボーと花子さんの子供)が、
クリスマスを祝っていました。
そして、そのうしろで、うれしそうに笑っているトラばあさん。
絵はとても楽しそうです。
おじいさんは腕ぐみをしました。
「どこで、宇宙旅行の切符を買ったらええんじゃろう?」
そして悩みます。
「汽車賃、いくらかかるんじゃ! 宇宙まで!
歩いて行くには、ちょっと遠かろう……。
歩いて行くとしたら、何年かかるんじゃろうなあー。
宇宙の街道に茶店があったらええのじゃが……」
星空のオルゴール3 レッツ・ダンス! Lovejoy comet
[クリスマス・ストーリー]