磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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夏の残像-ナガサキの八月九日 本格的な長崎原爆マンガ-

2008年07月17日 | 読書日記など
『夏の残像-ナガサキの八月九日-』
   西岡由香・著/凱風社2008年

--平和を求めるといっても、クラウゼヴィッツ人もいますね。
--この作者は、そんな人ではないようです……。



帯に書かれてあります……。下「」引用。

「原爆落下中心碑の前で手を合わせてぶやきました。「描いてもいいですか? 描かせていただけますか?」。被爆当時の惨状は創造でしか描かない。私に描けるとしたら、現在にあって、被爆の事実に立ちすくんだり、受け止められたなくて苦悩する人々の姿しかない。長編にいくつものテーマを盛り込むよりも、一作品に一テーマを入れて描こう……。
   (解説・「こころの被爆者たち」への道より)」

■目 次■
第1話 ラスト・レター  1
第2話 肖像画  27
第3話 マンハッタン・サンセット  47
第4話 夏の残像  83
第5話 アジアン・リバー  103
エピローグ  130
【解説】「こころの被爆者」への道  133
【地図】長崎市爆心地付近の地図/長崎の原爆について  138
 あとがき  140  参考文献  142

表紙も笑顔ばかり……。
--どうもステレオタイプに入りすぎている感じがします。
でも、それが安心して読んでもいられますね。

しかし、何でもわかったつもりは、甘いように思います。……。下「」引用。

「今回、まだ私の中で、「浦上燔祭説」を描くところまで考えを深めることできませんでした。「祈りのナガサキ」も大切な意味を持っていると思います。でも、あれだけの原爆地獄を「祈り」という言葉でイメージづけてはいけない気がして、マンガの中であえて「祈り」という言葉は使いませんでした。いつか向き合わねばならない、大きな宿題です。」

宗教関係に親しい人がおられないのでしょうか?
--祈りとは、困難なものですよ。
宗教者はこれだけにかけて生きる人もいるくらいです……。
--それ以外はニセモノですと、教える人もいます。
手紙をかくときも、祈り……。
食事をするときも、祈り……。全てが祈りです!
--これは仏教やイスラム教的な言説でもあるかもしれませんね。
流派はいろいろありますから、違うところもあるでしょう……。
--キリスト教の場合は、“平和の祈り”の作者である聖フランチェスカは、祈りでひどく悩みました……。
自分の体に鞭打ち、祈れるように励んだこともありました…。

--祈りは簡単なものではありませんし、この作者は、どんなイメージをもっておられるかも知りませんが、もしかしたら偏見では?

神道的にいえば、祈りが通じれば、すべてが晴れる!

「祈り」が単なるイメージなのは、作者たちの「祈り」でしかありませんね……。
--被爆された長崎のカトリックの人たちとは同質なものではないと思います……。

でも、ボクとしては、悪口ではなく、いい作品を書いてもらいたいから書きました……。

まだまだ、「平和の祈り」も、そしてこの作者の「被爆者の祈り」も、まだまだなのです。
--だから生きているのです。

そして、完成された人たちは、あの世に迎え入れられているのです……。

まあ、これも永井隆をアレンジしたようなものですね。

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