総理がコジキでコジキがソーリィー 097 教室の独裁者 「いくらでも方法はある。でも、まず仲間をつくることだ。“いじめ”の問題は学校の先生だけでは、なくなるもんじゃないんだよ」 「友達は大切だな……」 「しかし、進学校じゃむずかしいかもねえ」 「多くの大人も、教育のことを考えるのが、先進国では当たり前のことになっているし、地元の人たちが、学校づくりに取り組んでいるんだよ。法律もそうできている。地方の人たちが関わるようになっているんだよ」 「大人の人たちが……」 「そう、教師が教室の独裁者になってはいけないからだよ。きみのクラスの担任は、それでは独裁者じゃないか」 「でも、先生はこれがもっとも進んだ民主主義だっていっているよ」 「間違っている」 ソーリィーはため息をついた。 「人権を大切にしない人たちが民主主義を語るなんて、そんな権利こそないのよ。民主主義とは、一部の人のためにあるんじゃないのよ。人権というものは、何をしなくっても、そなわっている、人間として生まれもった権利なのよ」 沙也加は怒りがこみあげてきた。 「でも、そんなこと世の中では通用しないことだよ」 「少年のいうとおりさ」 高橋青年は冷たく笑った。 「でも、あるカトリックの神父が、黒人解放の説教をしたとき、多くの黒人たちは、彼を非難した。そんなことをしたら、白人になにをされるかわからない。でも、その聴衆の中に、あのキング牧師がいたんだ。そして今では、誰もが人種差別はいけないと知っている」 ソーリィーは思いこめて話した。 「民主主義という言葉を気楽に使う人がいるけど、そんなのは民主主義ではないわ」 「平和だって同様。ヒトラーも日本軍も「平和のための戦争」と話していたそうだよ」 偽善者は言葉の意味をかえる……。 戦時中は、街にも住んでいる草の根、軍国主義が日本をつつんでいた……。
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