あかねさんシリーズ002 男が女de女が男 040 茜お嬢様は素敵でござるなあー 「そう簡単に分けてはいけないでござるよ。一つの遺伝子が同じといっても、個人によっても違うでござるよ」 「というのは、オカネスキー、おまえは男女差別するなということを、わたしが言いたいわけだということを理解していないのか?」 「今、理解しました。しかし、遺伝子というのは、そんなに簡単なものではござらんということを科学者オカネスキーとして申しておかねばならぬと感じたのでござるよ」 「科学者オカネスキーか、なるほど、鬼才だな、貴様は! こんなマシーンをつくれるとは、まったく、おもしろいではないか」 「そうでございまするか、ありがたき幸せでござるよ」 「だけど、そんなことを思うのは、ぼくだけだろうなあー」 「そうでござろう、ありがとうでござる」 「それにしても、こう世の中が、オカマだらけになってしまっては、ちょっと奇妙な気もするが……」 「そうでござるか、日本人の偉大なる諺に『赤信号、みんなで渡れば恐くない』というのがござりまするよ」 「それは諺じゃないよ、ギャグだよ。まったく……。しかし、オカネスキーのいうことも、理解できるよ。みんなが、男の服装を女性がするようになって、それを常識としたら、反対に女性の服装をした女性が異常に見えるというわけだね」 「そうでござるよ。しかし、あっちの世界の茜お嬢様、この世界と違って、むこうの世界ではオカネスキーもこっちの世界の女装をしているのでござるかね」 「うん、その通りだ!……、それが常識だからね。君のように女のような格好はしていないし、お化粧もかなり厚くしているよ」 「そうでござろうなあー。もし、オカネスキーが異次元世界に育ったなら、きっと女装していたでござるよ」 それも楽しいかもとオカネスキーは思う。 「でも、オカネスキー、あっちの世界では男性全員がそうすることになっているんだよ」 「そうでござろうなあー。しかし、私がそういう価値観で見られたとしたら、こっちの世界での価値観ならば低いものでござるよ」 「それはどういうことだ!」 「それは、こっちの世界では女性が鑑賞用の動物のように思われておるのでござるが、あっちの世界では、反対に男が鑑賞用の動物になっているというわけでござろう」 「鑑賞用ね、金魚じゃあるまいし、人間をそんな見方をする者は困った奴だと、ぼくは思うよ。むこうのオカネスキーはおしゃれを楽しんでいるだけだよ」 「茜お嬢様は、むこうの世界でも素敵でござるなあー」
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