あかねさんシリーズ002 男が女de女が男 039 進んだ世界? 「もしかして、オカネお嬢様、あなたはオカネスキーのつくった異次元マシンに乗られたのではありませんか」 「はは、わるかったな。実はそうなんだ。わたしはちょっと大学へ鉄下駄で通っていてな。それで、カックンと足首がなって、くじいたというわけだ。あの憎き神鳥との大戦を前にして、とんだ不覚だったよ。それで、このタイム・マシンにのって前日にもどれば怪我はなんとかなると思ったのだよ」 「それで、タイム・マシンに乗って、昨日にもどれば、よいと思っていたのが、どういうわけか、何の変化もなかったというわけだ。オカネスキー、あれはいったい何なのだ」 「あれは異次元旅行マシンというものでござる。未来へ行ったとしても、未来の人に迷惑をかけたり歴史を変えてはいけないと思ったのでござる」 「それにしても、オカネスキーも女らしくなったものだ。なかなか感じがいいぞ」 「それは違います。オカネお嬢様。オカネスキーも実はあなたの知っているオカネスキーとは違います。異次元旅行をされたのでござるよ」 「何! いったい、どういうことだ」 「ですから、タイム・マシンで行くのは未来、つまり時間旅行をしているわけですね。ところが、今度は異次元への旅行をしたわけで、あなたは元の世界にもどったわけでは決してありませぬ」 「どういうことだ。まだ、ピンとこないのだ」 向こうの世界の茜はこちらの世界のことをまだ把握していなかったのである。 こちらの世界の茜とちがって、こちらの世界でいう男っぽくしている茜は小説など読まないから、なかなか理解できないのである。 「似ているようでも、違う世界なのでござる」 オカネスキーはテレビをつけた。 「まあ、世界を知ってください。あなたの住んでいた異次元世界ではないのでござるよ」 茜はテレビをみていた。 男がスーツを着ている。 「なんだ! 男のくせに、スーツなど着て、ニュースまで読んでいるではないか? ここまで進んだのか」 「ここまで進んだとは、どういうことでござる」 「男女同権はいいことだと、わたしは思っているんだよ。男や女というのは、たった一つの遺伝子がちがうだけじゃないか」
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