磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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夢を食いつづけた男 おやじ徹誠一代記

2007年07月09日 | 読書日記など
『夢を食いつづけた男 おやじ徹誠一代記』
   植木等・著/朝日新聞社s59年

テレビで語られていたのを知って、もっと知りたいと思い手にした本です。



「支離滅裂」と書かれてあります。下「」引用。

「若い頃、おやじはキリスト教の洗礼を受け、神の下僕になった。ところがキリストとの関係が精算されたのかされないのか、はっきりしないまま、僧籍に入り、仏弟子となった。しかもその間、社会主義者として労働運動、解放運動の真っただなかに飛び込んでいったのである。真宗僧になってのち、おやじは昼間、お年寄りたちに地獄・極楽を説き、日が暮れてからは若者たちを集めて社会主義革命を説いていたそうだ。思想のうえで、まさに「支離滅裂」もいいところだったと思う。」

ボクは「世の中は生きている、理屈は死んでいる」という言葉が好きです。

世の中をより生きたものにしようとした植木等の父は、「支離滅裂」ではないと思う。

一貫して、人に対する愛情が濃厚だ。

イデオロギーを神のようにした人間などは、人間愛を「支離滅裂」にしている……。

こっちの方が困る……。

--戦争の犬たちの方が困る。

植木の父は、大正デモクラシーの洗礼をうけたという。

今よりも、民主主義に近いかもしれないとも思う。


デッチ上ゲで、植木の父は逮捕される。

そのことを知る植木。下「」引用。

「私が四郷小学校上級の春だったと思う。先生に引率された伊勢神宮に参拝する途中、号外を拾った。思想犯検挙者の顔写真が並んでいた。その中に、おやじの顔写真があった。私は、級友たちが拾い集めて持っている号外を全部ひったくり、捨ててしまいたいような衝撃を覚えた。」

担任は植木の父を立派と話したという。


拷問を徹之助は受けたという。
皮チョッキを着せられ、水につけられ皮は縮むので息ができず気絶したという。
登場で柔道の稽古相手にされた、警官は入れかわり立ちかわりおやじを投げる。
おやじは鼻血を出して気絶。

植木の父は、集団殺人と戦争のことを教える。下「」引用。

「戦争というものは集団殺人だ。それに加担させられることになったわけだから、なるべく戦地では弾のこないような所を選ぶように。周りから、あの野郎は卑怯だとかなんだとかいわれたって、絶対、死んじゃ駄目だぞ。必ず生きて帰ってこい。死んじゃっちゃあ、年とったおやじやおふくろはどうなる。それから、なるべく相手も殺すな」

愛情が濃厚でなければ、このようなことは語れなかったと思う。


ひとり反戦! 植木等の父







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