磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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068折り鶴をおろう

2006年05月25日 | Ra.
ラヂオアクティヴィティ[Ra.]
第一部ブロック・バスター

三、灯籠流し

068折り鶴をおろう




「そうよ、あいつは、その後も、広島や長崎の人を苦しめ続けるのよ」
輝代はまるで御経を唱えるように抑揚なしで話した。

「何?」
マイクは輝代を見て不思議そうな顔をした。

「うん」
勇気はわからず、首を左右にふっていた。

「いいえ、何も……」
輝代はナンシーの顔を見て笑った。

本当にやさしい笑顔だとナンシーは、輝代の顔を見て思った。
ナンシーは輝代が超能力者なのではないだろうかと思えてならなかった。

ナンシーの心の中で思ったことを続けたら、会話になるのだから……。
それとも、もしかしてお化けなのかしら……そんなことはあるはずがない。
でも輝代がお化けでも、そんなこと、私はかまわないわ!と思った。
なぜなら、輝代は輝代ですもの……。

「二次被曝というのは、急性症状と同義語ですか?」
マイクは勉に質問した。

「いいや、二次被曝した人にも、急性症状はあった。つまり、嘔吐や、毛髪が抜けたり、斑点がでたりした。二次被曝とは、最初の爆発で被害を受けた人たちではなく、爆撃を受けた後に広島に入り、その放射能で被曝した人や、黒い雨のように放射能をもった雨を浴びた人たちが二次被曝した」

「そうなのか……」
マイクはうなずいた。

「ああ、そうだ。折り紙を買ってくるよ」
勉はフェリーを降りて街へ。

夕方、星が輝きはじめた。
テレビでは「サダコ・ヒロシマの少女と20世紀」というドキュメンタリー番組をやっていた。

外国人作家によって「サダコ物語」として海外に紹介されたと話している。
従来伝わっていた以上に物語性を高められ、「抵抗の象徴」「希望の象徴」と描かれていたという。

宇宙船「地球」号のメンバーは番組を見ながら折り鶴をおっていた。
折り鶴をおりながら話している。

勉が部屋からスタジオの方に向かうと、マイクが声をかけてきた。
「千羽鶴を折っていますが、これがとても難しいのです」

みんなは、黙々と、折り鶴を折っている。
「みんな、うまく折っているね!」

「そうですね。うまいですね」
マイクは皺くちゃの折り紙を持って困っている。

「あれでも、教えてあげたのよ」
と輝代。

「僕も……」
「私なんか、すぐにできるようになったのにね……」
ミス・ホームズ。

「そうか……。人には得意なことと、不得意なことがあると思うよ……」
勉はマイクをはげました。

「そうですね……」
マイクは、親指をたてていた。

「それに、作り方の図は、マイクが一人占めにしているよ」
「そうですが、これは三次元のものを二次元であらわしていて、とても、わかりにくいよ」
マイクは困っている。

「マイクは不器用だけど……」
「不器用だけど……」
「私も実は不器用でね、大人になっても、まだ折り鶴が折れない」

「えっ!日本人なのに……、大人なのに……」
輝代はびっくりしている。








閑話休題

佐々木禎子がもし、
折り鶴をおっていなかったら、
こんなに広まらなかったのかも
と書かれている方もいます。

「鶴は千年、亀は万年」
といわれて縁起がいいものと
されてもいますね。

科学的にいえば、
もちろん、そんなの嘘ですね。

【本日のニュース】
祇園に住む八代目さんも、
いろいろ大変やけど。

平和の象徴になっている
広島のみなさまも、
ごくろうさまです。

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