磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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脱原子力社会へ-電力をグリーン化する- 岩波新書 新赤版 1328

2011年11月23日 | 読書日記など
『脱原子力社会へ-電力をグリーン化する- 岩波新書 新赤版 1328』
   長谷川公一・著/岩波書店2011年

表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。

「エネルギーの選択は、どのような未来を選びとるのか、社会のあり方の選択の問題でもある。電力のグリーン化をキーワードに、カリフォルニアやドイツでの「省エネ」を超えたエネルギーの効率利用、再生可能エネルギー活用の実践をふまえ、政府・企業・NGO・消費者の協働にもとづく、未来志向的な「脱原子力大国」への政策転換を提言。」



「そもそも非常用のベント弁もなかった」 下「」引用。

「NRCは一九八九年にベント弁の設置を勧告、アメリカでは全ての同型炉にベント弁が設置された。日本では、シビアアクシデントは起きないとしてベント弁は付けなくてよいとされてきたが、九二年から通産省(当時)がベント弁の設置を求めるようになり、福島第一原発でも○一年までにベント弁を付け終えていた。しかし手順書(マニュアル)がなかったためにベントに大幅に手間取り、ベントが成功したどうか明らかではない。もしベント弁が付いてなかったら、今回の事故では格納容器が爆発して大量の放射性物質が環境中に放出された可能性もある。福島第一原発と同じ沸騰水型炉では、敦賀原発一号機だけにまだベント弁が付いていかなったが、フクシマ事故をふまえて設置されることになった。」

そんなベント弁もいつも100%だなんてことは、現実では考えられることではありませんしね……。震度7がきたら……。

自殺者、昨年同期より約二割増加。下「」引用。

「四~六月の福島県内での自殺者は一六○人で昨年同期よりも約二割増えている。須賀川市の六四歳の農家の男性の自殺(三月)、飯舘村の一○二歳の男性の自殺(四月)、相馬市の五○歳代の酪農家の男性の自殺(六月)、川俣町の五八歳の女性の焼身自殺(七月)など、避難を迫られ、あるいは今後の農業への絶望感から追い詰められた、とくに高齢者の自殺が目立っている。」



神話破綻【ドイツ・アメリカ】1970年代半ば。

ブッシュの原発増強計画。下「」引用。

「法人税控除などの優遇措置をあてこんで、ブッシュ政権末期までに駆け込み的に原発新設計画が三○基分もつくられたが、一一年六月末段階で、建設工事は一基も始まっていない。後述のように二○一○年時点で撤退が目立ち始めていた。それに追い打ちをかけたのがフクシマ事故である。」

「鉄腕アトムの幻影」豊かさの象徴。←本当の豊かさでしょうか? 下「」引用。

「一九五○年代から六○年代の高度経済成長期、「原子力の平和利用」のかけ声のもと、原子力は「夢の技術」と喧伝され、日本でもアメリカでもヨーロッパでもバラ色の期待が抱かれた。手塚治虫の人気マンガ「鉄腕アトム」はその象徴だろう。一九五二年から六八年まで雑誌に連載され、六三年には最初の国産アニメとして放送された。鉄腕アトムは胸の所に原子炉を内蔵したロボットである。その妹は「ウラン」。当時の楽観的で希望的なイメージを示している。しかし鉄腕アトムは放射性廃棄物をどう処理していたのだろうか。」

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オバマ大統領=謀略の核廃絶のリーダー! 下「」引用。

「オバマ大統領はフクシマ事故後も原発推進の立場を維持している。しかし電力市場が自由化されているアメリカでは、電力会社は建設コストに敏感にならざるをえない。アメリカでは原子力発電所の建設も投資ファンドが資金の出資者である。今後、原子力規制委員会が安全基準を強化し、建設コストの上昇や工期の延長が予想されるから、投資ファンドにとっては原発建設の投資の魅力は大幅に低下した。既に一○年時点で暗雲が立ちこめていた原子力ルネサンスに、フクシマ事故は決定的な一撃を加えた。あるジャーナリストの言葉を借りれば、「原子力ルネサンスは一晩で消し飛んだ」。」

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「「町民節電所」運動への展開」 下「」引用。

立川町はさらに二○○三年八月から、「自然エネルギー一○○%(化石燃料消費ゼロ)のまち」をめざす取り組みの一環として「町民節電所」運動をスタートさせた。-略-」

「国寄りの姿勢の裁判所」←というよりも、少数の者を除く「原子力ムラ」の一員でしようね。国策ならOKという法ではなく狂ったシステムを承認する、法の精神なきペテン師ならば……。下「」引用。

「-略-ヨーロッパで、またアメリカでも、裁判所の判決が原発や原子力施設閉鎖の大きな契機となっていることと対照的である。」

ナチスの裁判官判事ばかりですね……。

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【業績を残しても評価されず】久米三四郎も出世できず。下「」引用。

「反原子力運動に積極的に関与してた原子力分野の研究者も、故・久米三四郎(大阪大学講師)氏はじめごく少数にとどまり、しかも彼らの多くは長い間「助手(助教)」や「講師」にとめおかれてきた。この点は、アメリカで原発に批判的な研究所が、マサチューセッツ工科大学はじめ有力大学の教授であることと対照的である。一方東大工学部の原子力関係の教授らは、推進派として原子力委員会や原子力安全委員会の中心的なメンバーとして原子力政策に積極的に関与してきた。
 これらは日本の自然科学の研究者、とくに原子力のような巨大先端科学の研究者が、政府や産業界と癒着し、研究費や弟子の就職口などを確保していること、また日本の大学や学界が内部批判者や内部告発者に非寛容であることを示している。」

ナチスで、ガンジーは出世しないだろうなあー。

地獄では、キリストこそが悪魔!

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