磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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審判 五冊

2008年01月03日 | 読書日記など
『審判』
   堀田善衛・著/岩波書店1983年
『堀田善衛全集9 長篇 審判』
   堀田善衛・著/筑摩書房1975年



『集英社文庫 審判(上)』
   堀田善衛・著/集英社1979年
『集英社文庫 審判(下)』
   堀田善衛・著/集英社1980年

現実と関係はほとんどない創作のように思えました。

「審判」というのも、宗教的なものからきていると思われますが、宗教的なことはあまりご存知ではないように感じました。

歴史で出てくるような中世の宗教裁判だけが宗教ではないはずです……。

どうもピンとこない文章がいくつもありました。下「」引用。

「「いくらアメリカに日本ブームがあるという噂が日本にあるといっても、アメリカの子供にタコや羽根つきは無理でしょう」
 という。
 それに対しても唐見子は、
「イエス、ミスタ・モートン」」

アメリカ人と羽根つきをした日本人もいます。

長崎の人たちについても書かれてあります。下「」引用。

「長崎の被爆者たちは、従順ということばをつかいたくなるほどに、悲しいほどに大人しい。特に県や市当局などという権威に対しては、まったくもう……、というのが彼女の観察であった。特に爆心地の浦上地区は、むかしから吉利支丹の多かったところであり、従ってクロ(クロス)と呼ばれたりして、迫害され、特殊視されがちなところであった。」

このことに関しては、
下をクリック。

目次

よくわからない表現もありました。
--原爆プロレタリアート? 下「」引用。

「でも、その外部の・原爆なき、原爆プロレタリアートの運動が、現代文明内部の、原爆ブルジョアジイを克服して行かねばならぬということは、それはその通りだと思いますが」

ロシアや中国の核兵器に対するものでしょうか?
『原爆なき」というのが上にありますから、また違ったことかもしれません……。

そして、けっこう差別的な表現がありました。下「」引用。

「ノルウェーの気狂い画家のムンクを思わせるようなものであった。」

また、被爆者の自殺の記事を社会問題としてではなく、センセーショナルに取り上げてあるとボクには思えました。

--全集の解説。
「解説 現代における個人の責任」平野謙・著
・『ヒロシマわが罪と罰』というクロード・イーザリーについた本にからめて書いてあった……。



この小説はあくまでも創作です。

そして宗教的には驚く表現。自然がキリストを生んだ……。
そんなことはないですね……。

自然が生むのなら、一人だけではなかっただろう……。

彼らには理解できないことだろうけど、「神の摂理」です。

キリストの人生についても、いつも彼は奇跡で人を救ったわけでもなく、説教をしたわけでもない。

その時、その時でキリスト自身さえ変化していく……。

自然がキリストを十字架につけたのではなく、「神の摂理」がつけたのです。

共産主義にかかわる人たちなら、「人間が殺したのです」「ユダヤ人が殺したのです」というのだろうか……。


「神の摂理」の意味は、人間には理解できないという人もいる……。
--たしかに、ボクには完全には理解できない。
しかし、彼らが信じていることは理解できる。
……そして、それがカルト的な要素でないとも思う。
=反社会的、非社会的なものではないとボクは思う……。


もちろん、原爆を投下した人たちにも責任はあろう。

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しかし、投下を決定したのは彼らではない。

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長崎の浦上の信者たちも、被害者であって、どうしてそう非難する必要があるのだろうか?

核兵器をもっているのは、そんな人たちでもないはずです。

巨悪にはたいさないが、被害者をせめるとは……。

いつものことは忘れないでいただきたい。


あたらしい、それも阻止しないと、平和はこないだろう……。


↓ほかにも掲載された本があります。

6. 堀田善衛

最初のころは読書メモなどをとる習慣をもっていましたので、その程度でしたが、最近は批判が生まれています。

昔のブログ記事では、肯定的な面を強調して書いていたようです。





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