磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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この子らを世の光に 糸賀一雄・近江学園

2007年05月23日 | 読書日記など
NHK2007年3月20日
NHKスペシャル ラストメッセージ 第6集

この子らを世の光に
糸賀一雄・近江学園


第2琵琶湖学園を訪問するNHKアナウンサー。




知的障害の父といわれる糸賀一雄。

戦後、何もないところから始めた。

根強い、偏見との闘いであった。

「この子らを世の光に」であって、「この子らに世の光を」ではない。

成熟した社会を訴えた。

今から60年前に三人の男から一歩がはじまった。

敗戦、社会には生きる希望をなくした子供たち。

滋賀県県庁職員の糸は、「浮浪児狩り」について、これは子供の責任ではなく、大人の責任。

鳥取で母の手ひとつで育てられ、京大へ。

糸賀のところに、代用教員時代の先輩である田村一二と、池田太郎がくる。

二人は戦前から知的障害児の教育のため働いていた。

新しい教育機関が必要だと糸賀に訴える。

糸賀は走りまわるが、公的な施設など認められなかった。

三人は財界人をまわり、近江学園をつくる。

運営資金どころか、職員の給与も払えるかどうかわからなかったという。

糸賀たちは子供たちの成長を記録した多くのフィルムも残しているという。

最初は知的障害者17名と8名の孤児だった。

食事やトイレの世話にあけくれていく……。

三人は一日中、障害者とおり、学園に家族をつれてきた。


近江学園に四人の子供をつれて行き、学園の子供たちと分け隔てするなと妻に。
ランドセルを息子に買うと、ほかの者たちに買えるか? と糸賀に質問されたという。
きびしい人だったという……。

自分に厳しく、他人にやさしい。
今の政治家はこの逆ですね。

児童福祉法ができて、県立の施設となり、定員150人となる。

開設当時からいる障害者が、田村さんが一番こわかったと話す。

池田太郎はやさしい。あんまり怒られたことはない。

池田は孤児も障害児も同じ人間だと教えるために、クラブ活動に力を入れた。

【成長した子供たちの行き先がない】
・18歳で施設をでなければならないが行き先がなかった。
・今も就職はむずかしい。できる仕事は一人一人ちがう……。
・職員は一人ひとりあった職場を探しているという。

障害者の理解を示してくれる企業はほとんどなかった。

【信楽寮】
・昭和27年、信楽寮をつくる。
 池田太郎が家族とともに移り住む。
・焼物の技術を教える。
・技術を教えたら、信楽の街にやとってくれるのではないかと考えた。
・村が物騒になると、排斥運動をされた……。
・一年後、排斥運動はなくなる。
・氾濫した川などの復旧作業を陰ひなたなく働いた。
 それを見ていた村の人たちの目はかわった。
・窯元で、障害者を雇用するところもあったという。
・半生記、障害者は働いた。
・今、安い輸入品で信楽焼は大変になっているという。

池田太郎
・兵隊にとられているとき、障害児から、またボクたちの先生になってくださいと手紙をもらったという。

【あざみ寮】
・知的のある女性の障害者に織物などを教える施設。
・あざみ織りといわれ、全国に流通されたという。

【ドイツ】強い感動を覚えたという。
ドイツに行き、障害者が街にとけこんでいるのに驚く。
重傷心身障害児の施設、看護婦さんたちが、子供たちと深いつながりがあると感じられたという。

糸賀と田村は「この子らを世の光に」で議論していたという。
一字で大きくちがうなあーと田村の妻は想ったという。

「この子らを世の光に」
・かつて保護さえすればいいと想った自分自身を戒める言葉でもあった。
・飼い殺しをしてはいけない。

昭和38年、琵琶湖学園創設
ヨーロッパから帰って2年後。
積極的に外にだしていった。
療育という取り組みをはじめた……。

粘土を使うことで、変化をみせた障害児もいたという。
粗暴でなくなっていったという。
どんどん、作品が豊かになっていった……。
その様子をみていた職員のはげみにもなったという。

【茗荷村】田村がつくった……。
・健常者と障害者がともに住む、七家族が住んでいるという。
・障害者だけでなく、虐待を受けた子供たちも受け入れている。
“映画”『茗荷村見聞記』原作・田村一二というのがあるという。


リハビリテーションはよく使われますね。
療育の英語は、接頭語“Re”をとったものです。

“闇”教育によって、ヒトラーは育ったという。
糸賀の教育はその対極にあることと私は思います。

糸賀は障害者を“光”に。
ヒトラーは焼却炉に送った……。

明るく豊かな社会をつくりだす教育はどちらでしょうか?
--糸賀に決っていますね。














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