磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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被爆二世宣言 創刊号

2008年11月06日 | 読書日記など
『被爆二世宣言 創刊号』
   関東被爆二世連絡協議会・編/
     関東被爆二世連絡協議会 年度不明

この冊子を出すのも大変だったようです。
--一番最後にそのように書かれてあります……。



「暴言でない『近藤発言』」被爆二世・自治体労働者 NY・著  下「」引用。

「昭和五十一年七月一日、東京都議会衛生経済物価清掃委員会において、自由民主党の近藤信好議員(足立区選出)が、「東京都原子爆弾被爆者等の援護に関する条例の一部を改正する条例」の審議中に、「被爆者を絶滅する方法はないか」との発言を行なったと、同日夕の毎日新聞によって報道された。また同紙によると、近藤議員は、同委員会の散会後同紙記者のインタビューにおいて、「都は優生保護的見地から、子供を持たないように行政指導すべきだ」と発言している。そして、2日の同委員会においても、同議員は前日と同様の発言を行なった。これら一連の近藤議員の発言に対し、重大な暴言であるということで、被爆者団体や原水禁団体等から、いっせいに抗議の行動が起こされた。
 これらの抗議は当然のことではあるが、感情的な反発から行わなわれたものであり、近藤議員の発言のもつ意味を的確にとらえてその発言の背景までも含めて、抗議が行われてはいなかった。彼の発言は、単純な暴言などではない。彼の発言は、重大な差別発言ではあるが、実はわれわれの前に重大な問題を提起してくれた発言なのである。」

発言の意味を真剣に考える著者。下「」引用。

「この“近藤発言”は、従来の政府、厚生省が、腹の底は思っていても、口に出してはいわなかったことを、はっきり口に出したという事実において意義を認めねばならない。さらに“近藤発言」は、その発言の背後に(1)被爆者援護は、一自治体がもつべきものであること、(2)放射線後障害はたしかに存在すること、(3)そして、それが被爆者の子孫にまで遺伝的影響を残すということ、を踏まえたうえで行われたものであることを忘れてはならない。
 彼は、少なくとも、このことを前提として発言したのであり、まさに、これらの前提こそ、従来、政府、厚生省がどうしても認めようとしなかったことである。そのことが、政府与党である自由民主党の都議会議員(一地方議員の議員であるが)の口から明らかにされたというその点こそ、彼の発言の意義なのである。
 その前提が、あのような発言に結びつくところに、彼の立場の問題がある。彼の立場(健常者=強者の立場)からすればもっとも妥当な発言なのである。その彼の立場そのものが誤まっていると規定できなければ、彼の発言を問いつめることはできない。彼の立場は現在の社会においては、正しいのだから。」

これも、きちんと行政が調査していないから、これも否定することはできないであろう……。

その健常者たちも、チェルノブイリ事故によって、日本人の全員が被曝者となっているという人たちもいる……。
--そして、健常者にも格差がうまれていく……。
弱者はさらに惨憺たる生活を送る……。

「原子力帝国」に生きるとは……。
--それを多くの人が知っていたら、こんなひどい社会にもならなかっただろう……。
さらに、いつものことは続く……。



ABCCの思い出を書いている人もいる。下「」引用。

「私も幼い頃母に連れられて二三度行った経験があるが、外人医者はけっして私を診察室に入れようとはせず、子供心にもABCCに対しては恐ろしいというイメージを持っていたのである。-略-」

index

また、認識しないからといって問題がないとはいえないようである……。下「」引用。

「被爆二世の場合、父母によって被爆二世であることを意識させないように育てられれば、被爆二世であることを自己認識しないままになる。父母が被爆者であることを、何らかの機会に知り、自分が被爆二世であることを覚っても、そのことを父母も自分も、「気にしないようにしたい」と努めている例が少なくないようである。しかし、その場合、父母にも子にも、原爆被爆による健康と生活の不安は潜在的に感じられており、その不安が深いほど、「忘れてしまいたい」という感情が強まる。」











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