『岩波現代文庫 学術91
分割された領土-もうひとつの戦後史-』
進藤栄一・著/岩波書店2002年
日本も分割された……。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/28/0bced575b1b652ff24dcdc79b33aa470.jpg)
「第一章 分割された領土--沖縄、千島、そして安保--」下「」引用。
「領土問題が、戦後日本外交の絶えざる紛争要因であり続けているにもかかわらず、今日までそれは、冷戦研究の十分な考察の対象となってこなかった。たかだか日本四分割案構想、北海道二分割案が、それら構想のコンテクストから引き離され、あたかもソ連“膨張主義”の原存在を立証するかのような形でもてはやされるに止まっている。-略-」
“中国派”ディヴィス。下「」引用。
「ディヴィスらにとって、非武装化された日本は、いわば荒野の処女に等しかった。政策企画部は、後年ジョン・ファオスター・ダレスが展開するおなじみの「力の真空」論を、早くもこのころから提示し、日本非武装化の危険を説いていた。「日本非武装化されると事実は、それを相殺する何らかの手段が見いだされないかぎり、米軍が撤退した際に、日本の領土が力の真空状態に陥ることを意味する」。」
スティムソンの部下マックロイと日本。下「」引用。
「「知日派」もしくは「親日派」と無関係なマックロイの実像--それが、過酷な強制収容措置を自ら正当化した次の言葉によって浮き彫りにされてくるはずだ。「日本人の民族的性格からいって、けっしてわれわれは日系市民を理解できないし、信用することさえできなかったのである」。
ちなみにマックロイとともにスティムソンの陸軍次官補をつとめるロバートめラヴェットは、その相似た風貌と経歴のゆえに、スティムソン麾下(きか)の「双子の天使」または「悪魔の双生児」とあだ名される。四七年国防次官に就任し、上司で反共主義者フォレスタルや「日本派」グルーらとともに、対日占領政策「逆コース」化の転轍手となっていた。」
「第四章 原爆はなぜ投下されたのか--原典から読み解く」
index
ドイツと日本……。下「」引用。
「一方でそれは、バルカンの勢力分割を図るチャーチルの帝国主義外交と共通性を持っていた。というのも、東欧もしくはバルカンの勢力分割を図り、ポーランド、ブルガリア、ルーマニアなどでソ連の優越的地位を国際的に認知させることは、ソ連自身の安全保障コンプレックスを和らげることを意味したからである。しかし他方でそれは、ドイツと日本の軍国主義の復活を恐れ、そのための安全保障策として、戦略的拠点を連合国側が抑えようとしたF・D・ローズヴェルトの世界政策とも親和性を持っていた。」
“占領史の書き換え” 下「」引用。
「以下『芦田均日記』を通じて見た占領史上の書き換えの示唆を記してみたいと思う。いや、“占領史の書き換え”の示唆というよりむしろ“すでに書き換えられた”占領史の捉え直しの示唆と言うべきかもしれない。-略-」
「第九章 吉田茂と「失われた外交」」 下「」引用。
「吉田の固辞については、サンフランシスコ講和会議と同時に結ばれることになる日米安保条約の従属性もしくは不平等性の中に見いだすことができる。
「望むだけの軍隊を、望む場所に、望む期間、駐留できる権利」いわば日本「全土基地化」の権利を、アメリカに保障した条約の従属性である。」
米国製の“中国脅威論”。下「」引用。
「アメリカがこの後ベトナムの泥沼にますます足を採られていったように、日本もまた、日米安保の呪縛に因われて、ベトナムへの対米支援に乗り、池田後の佐藤政権下で韓国軍政に肩入れし、米国製の“中国脅威論”をてこに、中国承認に踏み切ることすらできなかった。」
もくじ
しかし、今では、Big2などと米中はいっている。
だが、日本では相変わらず、中国脅威論の軍事マニアもいる……。
日本にとって中国は輸出入ともに第一位の国……。
そんな国と戦争することは、どちらにとっても経済的打撃は大きいことだろう……。
index
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分割された領土-もうひとつの戦後史-』
進藤栄一・著/岩波書店2002年
日本も分割された……。
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「第一章 分割された領土--沖縄、千島、そして安保--」下「」引用。
「領土問題が、戦後日本外交の絶えざる紛争要因であり続けているにもかかわらず、今日までそれは、冷戦研究の十分な考察の対象となってこなかった。たかだか日本四分割案構想、北海道二分割案が、それら構想のコンテクストから引き離され、あたかもソ連“膨張主義”の原存在を立証するかのような形でもてはやされるに止まっている。-略-」
“中国派”ディヴィス。下「」引用。
「ディヴィスらにとって、非武装化された日本は、いわば荒野の処女に等しかった。政策企画部は、後年ジョン・ファオスター・ダレスが展開するおなじみの「力の真空」論を、早くもこのころから提示し、日本非武装化の危険を説いていた。「日本非武装化されると事実は、それを相殺する何らかの手段が見いだされないかぎり、米軍が撤退した際に、日本の領土が力の真空状態に陥ることを意味する」。」
スティムソンの部下マックロイと日本。下「」引用。
「「知日派」もしくは「親日派」と無関係なマックロイの実像--それが、過酷な強制収容措置を自ら正当化した次の言葉によって浮き彫りにされてくるはずだ。「日本人の民族的性格からいって、けっしてわれわれは日系市民を理解できないし、信用することさえできなかったのである」。
ちなみにマックロイとともにスティムソンの陸軍次官補をつとめるロバートめラヴェットは、その相似た風貌と経歴のゆえに、スティムソン麾下(きか)の「双子の天使」または「悪魔の双生児」とあだ名される。四七年国防次官に就任し、上司で反共主義者フォレスタルや「日本派」グルーらとともに、対日占領政策「逆コース」化の転轍手となっていた。」
「第四章 原爆はなぜ投下されたのか--原典から読み解く」
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ドイツと日本……。下「」引用。
「一方でそれは、バルカンの勢力分割を図るチャーチルの帝国主義外交と共通性を持っていた。というのも、東欧もしくはバルカンの勢力分割を図り、ポーランド、ブルガリア、ルーマニアなどでソ連の優越的地位を国際的に認知させることは、ソ連自身の安全保障コンプレックスを和らげることを意味したからである。しかし他方でそれは、ドイツと日本の軍国主義の復活を恐れ、そのための安全保障策として、戦略的拠点を連合国側が抑えようとしたF・D・ローズヴェルトの世界政策とも親和性を持っていた。」
“占領史の書き換え” 下「」引用。
「以下『芦田均日記』を通じて見た占領史上の書き換えの示唆を記してみたいと思う。いや、“占領史の書き換え”の示唆というよりむしろ“すでに書き換えられた”占領史の捉え直しの示唆と言うべきかもしれない。-略-」
「第九章 吉田茂と「失われた外交」」 下「」引用。
「吉田の固辞については、サンフランシスコ講和会議と同時に結ばれることになる日米安保条約の従属性もしくは不平等性の中に見いだすことができる。
「望むだけの軍隊を、望む場所に、望む期間、駐留できる権利」いわば日本「全土基地化」の権利を、アメリカに保障した条約の従属性である。」
米国製の“中国脅威論”。下「」引用。
「アメリカがこの後ベトナムの泥沼にますます足を採られていったように、日本もまた、日米安保の呪縛に因われて、ベトナムへの対米支援に乗り、池田後の佐藤政権下で韓国軍政に肩入れし、米国製の“中国脅威論”をてこに、中国承認に踏み切ることすらできなかった。」
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しかし、今では、Big2などと米中はいっている。
だが、日本では相変わらず、中国脅威論の軍事マニアもいる……。
日本にとって中国は輸出入ともに第一位の国……。
そんな国と戦争することは、どちらにとっても経済的打撃は大きいことだろう……。
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