あかねさんシリーズ002 男が女de女が男 038 四字熟語をお嬢様が使うわけがない! 「茜お嬢様、男みたいになっていたのよ。男のようでしたよ」 「そう、まるで宝塚みたいだった。星組のはるかクラクラさんに似ていたわ」 斉藤は楽しそうに話した。 「そんなことがあったのですか」 オカネスキーはもしかしたら、茜はタイム・マシンを改造した異次元旅行マシンに乗ったのかもしれないと思った。 --まだ、未完成というのに。 「オカネスキーさん、どうしたんですか」 オカネスキーは茜の部屋に行った。 オカネスキーはノックした。 「オカネスキーでござる」 「おっ、オカネスキーか。入りたまえ」 と、ドアの向こうで茜の声が聞こえる。 だが、とても低音だし、腹の底から声を出していて、とてもすがすがしい感じがする。 オカネスキーがドアを開けるとバスローブをつけた茜がビールを飲んでいた。 「やぁ、さっぱりしたよ」 茜はにこにこしていた。 「オカネお嬢様、何か感じが違うでござる……」 「何を変なことをいうんだ、オカネスキー。いつのままじゃないか。君こそ、女装しているじゃないか!」 「女装……」 オカネスキーはこれはオカネお嬢様じゃないオカネお嬢様だと思った。 「わたしも、いつも通りの服装をしているまででござるよ。この部屋をおかしく思いませぬか。オカネお嬢様」 オカネスキーはここにいるオカネお嬢様は異次元世界のオカネお嬢様だとうすうすわかったのである。 茜にこんな芝居はできるはずがないと思っていたのである。 「……そういえば、なんか、男っぽい部屋だな。明るすぎるな。これでは沈思黙考して、物事を考えることができじゃないか」 完全に茜お嬢様ではないと思った。 --それは四字熟語を茜お嬢様が使うわけがないからである。
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