『原発を終わらせる 岩波新書 新赤版 １３１５』
石橋克彦・編/岩波書店2011年
表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。
「福島第一原発事故により、原発の安全神話は完全に崩れ去った。私たちは原発から脱却する以外に道はない。そしてそれは可能なのだ。これまでも原発の危険性に警鐘を鳴らしてきた一四名が、事故を徹底的に検証し、原発の問題性を多角的に考察。原発を終わらせるための現実的かつ具体的な道を提案する。」
司法も原子力ムラでしょうね……。下「」引用。
「七三年に提訴された四国電力伊方原発一号炉設置許可取り消し訴訟で、完全審査の杜撰さが住民側によって白日のもとに曝されたが、松山地裁は原子力行政の僕（しもべ）のごとくに訴えを退け、危険が野放しにされた。七九年スリーマイル島と八六年のチェルノブイリの原発事故に際しても、「原子力村」の人々は日本では大事故は絶対に起こらないと言って「原子力安全神話」を国民に押しつけた。」
「法の精神」や「民主主義」、「社会正義」なんて、まったく感じない、ほとんどの司法界……。官民格差のひどい公務員給与を引き下げる案に、憲法違反という「法の精神」なき政治家にもあきれる……。
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「原発で何が起きたのか」 下「」引用。
「一号機の“異常な”原子炉水位降下
三月一一日午後二時四六分の地震発生の翌日、一二日の午後三時三六分、福島第一原発一号機の原子炉建屋の最上部にあるオペレーションフロア（サービスフロアとも呼ばれる）が、水素爆発で吹き飛んだ。－略－一号機の場合、地震が起きて一二時間のうちに、高さにして約三メートル七○センチぶんの水（冷却水）が原子炉外へ消えたことになる。－略－おそらく二、三○トンぐらいの水が、どこかへ消えたはずだ。－略－水素爆発が起きる約二時間前の一二日午後一時半過ぎには、なんとTAFから一メートル七○センチも下にあった。燃料棒の長さは四メートルだから、そのとき燃料棒の全長の四○％強が水面から上に出ていたことになる。なぜ一号機はこれほど早く原子炉水位が降下したのか。」
「冷却材喪失事故は起きなかったか」 下「」引用。
「なるほど、東電が五月一六日に公表した一連のデータ（後述）からは、地震発生直後に原発は正常に緊急停止し、外部電源喪失直後には非常用ディーゼル発電機が正常に起動したように読み取れる。たぶん、それはそうなのだろう。しかしそうだとしても、それによって、あの長時間の激しい揺れ（II-4章参照）の中で原子炉系配管の一つ（またはいくつか）が破断したり破損したりした可能性が否定されるわけではない。二つはまったく別の話である。福島第一原発事故の開始点をSBOとするか、それともそれより前とするかで、原発の安全性（あるいは危険性）に対する見方は根本的に違ってくる。－略－いまでは誰もが疑わない一号機のメルトダウンや、それに伴う制御棒貫通孔溶接部分の破損などでも推測しており、論述の方向そのものに大きな過誤はなかった。」
「「過酷事故は起こりえない」が事故のリスクを高めた」
東電社員の家族たちは……。下「」引用。
「ところが町民とはちがい、東電社員の家族たちは、貴重品をもって県外へ避難した、と伝わってきた。「結局、東電は社員にだけ真実を伝えていたんだろう」とＡさんは納得のいかない表情をみせた。」
「ウィキリークスが伝える米国の懸念」 下「」引用。
「福島第一原子力発電所の震災事故発生から二カ月近く経った二○一一年五月七日、ウィキリークスが一連の米国の外交公電を公開した。その多くが、日本の原子力施設の防護体制に対する米国側の懸念を示していた。
原子力施設の防護が問題になるのは、1. 攻撃を受けた施設が放射性物質をばらまく兵器の役目を果す、2. 施設内の核物質・放射性物質が盗み出され兵器として使われる、という二つの可能性があるためである。1. がどのような結果を招きうるかを垣間見せたのが、福島第一原子力発電所の状況である。原子力施設は敵側の兵器に変わりうる。2. は、ウラン濃縮と使用済み燃料の再処理という原子力技術が、もともと、核兵器の材料を作るために開発されたものであることからくる。－略－」
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「原子炉級プルトニウムからも核兵器が……」 下「」引用。
「この問題について、IAEAのハンス・ブリックス事務局長（当時）も、一九九○年に、次のように述べている。「（IAEAは）原子炉級プルトニウムも……核爆発装置に使うことができると考える。当機関の保障措置部門にはこの点に関して論争はまったくない」」
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「10万年後の不安」＝「オンカロ」
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目 次
石橋克彦・編/岩波書店2011年
表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。
「福島第一原発事故により、原発の安全神話は完全に崩れ去った。私たちは原発から脱却する以外に道はない。そしてそれは可能なのだ。これまでも原発の危険性に警鐘を鳴らしてきた一四名が、事故を徹底的に検証し、原発の問題性を多角的に考察。原発を終わらせるための現実的かつ具体的な道を提案する。」
司法も原子力ムラでしょうね……。下「」引用。
「七三年に提訴された四国電力伊方原発一号炉設置許可取り消し訴訟で、完全審査の杜撰さが住民側によって白日のもとに曝されたが、松山地裁は原子力行政の僕（しもべ）のごとくに訴えを退け、危険が野放しにされた。七九年スリーマイル島と八六年のチェルノブイリの原発事故に際しても、「原子力村」の人々は日本では大事故は絶対に起こらないと言って「原子力安全神話」を国民に押しつけた。」
「法の精神」や「民主主義」、「社会正義」なんて、まったく感じない、ほとんどの司法界……。官民格差のひどい公務員給与を引き下げる案に、憲法違反という「法の精神」なき政治家にもあきれる……。
index「原発で何が起きたのか」 下「」引用。
「一号機の“異常な”原子炉水位降下
三月一一日午後二時四六分の地震発生の翌日、一二日の午後三時三六分、福島第一原発一号機の原子炉建屋の最上部にあるオペレーションフロア（サービスフロアとも呼ばれる）が、水素爆発で吹き飛んだ。－略－一号機の場合、地震が起きて一二時間のうちに、高さにして約三メートル七○センチぶんの水（冷却水）が原子炉外へ消えたことになる。－略－おそらく二、三○トンぐらいの水が、どこかへ消えたはずだ。－略－水素爆発が起きる約二時間前の一二日午後一時半過ぎには、なんとTAFから一メートル七○センチも下にあった。燃料棒の長さは四メートルだから、そのとき燃料棒の全長の四○％強が水面から上に出ていたことになる。なぜ一号機はこれほど早く原子炉水位が降下したのか。」
「冷却材喪失事故は起きなかったか」 下「」引用。
「なるほど、東電が五月一六日に公表した一連のデータ（後述）からは、地震発生直後に原発は正常に緊急停止し、外部電源喪失直後には非常用ディーゼル発電機が正常に起動したように読み取れる。たぶん、それはそうなのだろう。しかしそうだとしても、それによって、あの長時間の激しい揺れ（II-4章参照）の中で原子炉系配管の一つ（またはいくつか）が破断したり破損したりした可能性が否定されるわけではない。二つはまったく別の話である。福島第一原発事故の開始点をSBOとするか、それともそれより前とするかで、原発の安全性（あるいは危険性）に対する見方は根本的に違ってくる。－略－いまでは誰もが疑わない一号機のメルトダウンや、それに伴う制御棒貫通孔溶接部分の破損などでも推測しており、論述の方向そのものに大きな過誤はなかった。」
「「過酷事故は起こりえない」が事故のリスクを高めた」
東電社員の家族たちは……。下「」引用。
「ところが町民とはちがい、東電社員の家族たちは、貴重品をもって県外へ避難した、と伝わってきた。「結局、東電は社員にだけ真実を伝えていたんだろう」とＡさんは納得のいかない表情をみせた。」
「ウィキリークスが伝える米国の懸念」 下「」引用。
「福島第一原子力発電所の震災事故発生から二カ月近く経った二○一一年五月七日、ウィキリークスが一連の米国の外交公電を公開した。その多くが、日本の原子力施設の防護体制に対する米国側の懸念を示していた。
原子力施設の防護が問題になるのは、1. 攻撃を受けた施設が放射性物質をばらまく兵器の役目を果す、2. 施設内の核物質・放射性物質が盗み出され兵器として使われる、という二つの可能性があるためである。1. がどのような結果を招きうるかを垣間見せたのが、福島第一原子力発電所の状況である。原子力施設は敵側の兵器に変わりうる。2. は、ウラン濃縮と使用済み燃料の再処理という原子力技術が、もともと、核兵器の材料を作るために開発されたものであることからくる。－略－」
index「原子炉級プルトニウムからも核兵器が……」 下「」引用。
「この問題について、IAEAのハンス・ブリックス事務局長（当時）も、一九九○年に、次のように述べている。「（IAEAは）原子炉級プルトニウムも……核爆発装置に使うことができると考える。当機関の保障措置部門にはこの点に関して論争はまったくない」」
INDEX「10万年後の不安」＝「オンカロ」
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