磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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角川新書 失われた季節-日本人の記録

2008年09月07日 | 読書日記など
『角川新書 失われた季節-日本人の記録』
   富永次郎・著/角川書店1956年

戦時中の日本人が何を考え、何を思っていたかを知るのに役立つ本かもしれないと思いました。



表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。

「富永は僕の古い友人で、この本に出て来る人達は、みんな知っているが、ほとんど未知の人のような、新鮮な印象を受けて驚いた。敗戦という事態が、日常の日記や書簡に異常な緊張を与え、赤裸々な人間性を現わしている。世の中がどう変わろうと、しっかりと自分達の生活を握ってはなさなかった一家の歴史がここにある。いつまでも我々の手本とすべき本だ。
    大岡昇平」

今どき、このような思想を手本にされては困ったことになると思う。
--平和国憲法の国の国民である自覚をもつべきだと思う。

疎開した子への手紙などが掲載されています。下「」引用。

「この日記は昭和二十年五月二十六日からはじまるが、その前約二ヵ月の状況は、疎開先の一矢(かずや)、一冬(かずふゆ)(二人の息子)と父母(われわれ夫婦)及び祖父(私の父)との間に交わされた手紙でおよそ察することができる。
 子供を疎開させたのは同年三月三十一日である当時、妻(絹子)の実家の一族が足利に疎開したのに便乗して、息子たちを同家に預ってもらうことにした。私の家は東京都小金井町にあった。」

ヒトラーは戦死ではなく、自殺でしたね……。下「」引用。

「五月四日附
   祖父から一矢へ     小金井--足利
 先日は御両親様にお目にかかってうれしかったでしょう。さてベルリンも遂にかん落しました。
 まけたにしてもあれだけ戦えば本望でしょう。第一期の欧州戦争でも、ドイツはまけたが実によく戦いました。何としても多勢にはかなわないのですが、武人として十分に本分をつくしたものです。それですから私はドイツに同情します。
 今度もまけましたが、実によくたたかいました。そして降伏もせず、ヒトラーは戦死をするし、ゲッペルスは自殺するし、いずれも戦う力を持ちながら外(ほか)の国のように、降服しなかったことをほめてやってよろしいと思います。なんだか、日本人に似てきたようにおもえます。」

当時の国民はヒトラーを悪人とは思っていなかった……。
同盟国の英雄……。下「」引用。

「ヒットラーはナポレオンの次にあらわれたヨーロッパの英雄だ」*父から一矢へ

鳩山一郎はヒトラーを崇拝していたために、公職追放
その孫は「死に神」大臣といわれ、アルカイーダの友人の友人という。

「トルーマン親書」について書かれてありました。下「」引用。

「五月三十一日 晴
 -略-ラジオの報ずるところでは、この程度で、比較的よい条件で降服した方がお前たちのためだとか、あるいは戦争がながびくほど再建が困難だとか、またトルーマン親書として、米国は暖かい心で日本人にのぞむとかあるそうだ。
 先日、そのうちの二、三種類を読んだが、宣伝上手の米国にも似合わないヘタクソなビラだ。」

広島一行。下「」引用。

「八月六日
  アメリカ機広島に原子爆弾投下。戸板潤長野刑務所で獄死。」

長崎一行。下「」引用。

「八月六日
   アメリカ長崎に原子爆弾投下。」

戦時下の軍国主義の庶民を知る一冊だったと思います。








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