IV.むらさき色の部屋(虹の世界) D048.王様だあァー! 何度も男はそう言うので、ユリカは言いたくなかったけれど 「もしかしたら……、王様」 と質問した。 ユリカがそう言うと、やおら、多くの人が出て来た。 トロンボーンをかついだ男の人、そのまわりには、さまざまなホーンを演奏している男の人がいた。 バイオリンをあごにつけて、歩きつらそうに、でも、とっても、すました顔をして、演奏している長いドレスをきた女性が五人ならんで歩いていた。 その反対からも、五人の女の人がバイオリンを演奏しながら歩いてきた。ピアノは飾られた荷馬車にのせられてやってきた。フルートを吹く人たちがそのまわりを歩いて来た。 明らかに、みんなは、王様のために音楽を演奏しているのだった。ユリカは、これはチャイコフスキーが作曲したバレエの組曲の『くるみ割り人形』の中の“花のワルツ”という曲じゃないかしらと思った。 ききほれているユリカの顔を見て、王様は、 「あはは、わたしは王様だ。きみの言うとおりだ。どうだね、ここの庭の優雅さ、すごさ、みごとさ、あのテーブルはロココ調という、すばらしく豪華なものだ」 むらさき色のリンゴ、むらさき色のバナナ、むらさき色のパイナップル、豪華なテーブルと椅子を召使たちが運んで来た。色々なものがあるけど、色は一色だけだった。 賑やかに、庭にある大きな池の噴水も音楽にあわせて、水しぶきをあげていた。まるで、水が優雅にバレエを踊っているようだった。 王様は「あははは、わたしは王様だ。あははは。王様とは、国民みんなの父親みたいなものだ。あははは」と、やさしそうな顔で笑っていた。 「王様といっても、お名前があると思います」 とユリカは質問した。 「あるあるとも、私の名前は王様じゃ」 「えっ」ユリカは聞き直した。 「つまり、名前も王様じゃ」 「王様の名前が王様なのね」 「そうだとも、じつに王の中の王とは私のことだ」 「そうですか、それはそれは」 ユリカは何を言っていいかわからなかった。駄洒落なのだろうから、笑ってあげた方が王様にはよかったのかしらとも思う。 「わが国は素晴らしい。素晴らしくって、世界一、いや宇宙一じゃぞ」 「そうですか、王様」 「そうですか、執事! バトラー」 そばにいた口髭の両端がぴょこんと天井をむいている背の高いやせた男にたずねた。彼はどうやら執事で名前をバトラーというみたいである。 「そうですとも、王様」 「そうなんですか?」 ユリカはそんなふうには思えなかった。 「この小娘は、私のことを疑っておるぞ、執事、どうにかしたまえ!」 「どうにかって?」 「この国を見せてあげなさい。この国の素晴らしさ、この国の豊かさを見せてあげなさい」 「はい、かしこまりました」 執事につれられて、ユリカはお城の中を歩く。 「これが、宝石でちりばめられた絵です。高価なものです」 「そうですか」 「これは、金でできた椅子です。とても高価なものです」 執事はお城の宝物を見学させてくれた。 そして、最後に「この国は豊かでしょう」きつい目でユリカをにらみつめていた。 「そうですか? あの国というのはお城のことではないのでは?」 「何を言いたいのじゃ、小娘?」 そこに王様が踊りながらやってきた。その後に演奏をする人たちが、ふらふらになってついてきた。 「どうじゃ、私の国は素敵だろう」 「国は見せてもらってません」 「何? 執事、国を見せろと、わらわは言ったではないか」 「見せましたが、この小娘、奇妙なことをいうのです」 「奇妙なこと、いかに申したか」 「国を見せてもらってませんというのだ」 「国を、どういうことじゃ」 「国とは国民がいるものだと思います」 ユリカは、はっきりと述べた。
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『スローブログ宣言!』
鈴木芳樹・著/技術評論社2005年
タイトルと表紙に書かれてある
「多数派の意見や新技術に振り回されることのない、ブログとの「スロー」な付き合いかたを提案します。新たな視点のブログ論の登場!」
ということに目を奪われました。
『スローライフ』とイメージが重なりました。
人生や地球を考えぬいたうえで、
ライフスタイルを持ち、われわれに提言してくれる
その『スローライフ』とは、この本とはかかわり合いはない
と思います。
「はてなダイアリー」のことばかり書いてあります。
いろいろな新技術もgooやExciteにもないものが多そうです。
2チャンンネラーでもないし、ぼくの方がずっと
スローだと思いました。
Blogを歴史から、またアメリカの事情、アフェリエイトなども書いた
彼独自のBlog論といっていいのではないでしょうか。
目まぐるしい変化なのなかで、生き残ろうとされているのでしょう。
「人間はなせ生きている」などという、
スローライフ的な発想は皆無です。
「金か名誉かではなく、金が名誉」というのは、
今の多くの人を表現する名言でしょうが、
スローライフの方々はそのようなものとは
関係なされていないのですよ。
むしろ、人間性なのですよ。
環境問題も人間性とかかわるのですよ。
しかし、
技術評論社から出ている出版物です。
技術的なことを学ぶことができます。
そう意識された方がよいかと思います。
Blogの本もたくさん出版されています。
編集者が売れるようにタイトルを内容とは
関係せずに変更した感じも受けます
(前書きだけは変更された感じはしますが、本論がありません)。
「金は名誉」でしょうから……。
うんざりです。
[インターネット関連]
鈴木芳樹・著/技術評論社2005年
タイトルと表紙に書かれてある
「多数派の意見や新技術に振り回されることのない、ブログとの「スロー」な付き合いかたを提案します。新たな視点のブログ論の登場!」
ということに目を奪われました。
『スローライフ』とイメージが重なりました。
人生や地球を考えぬいたうえで、
ライフスタイルを持ち、われわれに提言してくれる
その『スローライフ』とは、この本とはかかわり合いはない
と思います。
「はてなダイアリー」のことばかり書いてあります。
いろいろな新技術もgooやExciteにもないものが多そうです。
2チャンンネラーでもないし、ぼくの方がずっと
スローだと思いました。
Blogを歴史から、またアメリカの事情、アフェリエイトなども書いた
彼独自のBlog論といっていいのではないでしょうか。
目まぐるしい変化なのなかで、生き残ろうとされているのでしょう。
「人間はなせ生きている」などという、
スローライフ的な発想は皆無です。
「金か名誉かではなく、金が名誉」というのは、
今の多くの人を表現する名言でしょうが、
スローライフの方々はそのようなものとは
関係なされていないのですよ。
むしろ、人間性なのですよ。
環境問題も人間性とかかわるのですよ。
しかし、
技術評論社から出ている出版物です。
技術的なことを学ぶことができます。
そう意識された方がよいかと思います。
Blogの本もたくさん出版されています。
編集者が売れるようにタイトルを内容とは
関係せずに変更した感じも受けます
(前書きだけは変更された感じはしますが、本論がありません)。
「金は名誉」でしょうから……。
うんざりです。
[インターネット関連]
熱い涙が落ちた--生きている
手のぬくもりも 苦痛も
ケロイドさんたちは 生きてきた
何かの為に--
厚く引き裂かれた心は
堅く閉ざされた心に封じ込められ
明日の為に今日を生き、
今日の為に明日を感じている
何かの為に
豊かな物質文明の前にひれふし
変わらぬ社会の中
熱い涙と硬直した胸鎖乳突筋
何かの為に--
生きている
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ありがとうございます。
--平和のために--