わたくしといふ現象

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生徒に救われたこと

2013年06月10日 04時52分10秒 | お仕事

今月から本格的に埼玉で仕事をしています。

昨日はまだ会って3回目の中三の女の子に地理の時差を教え、「やばい、超分かりやすかったー」、と言われ帰宅後のビールがおいしゅうございました。

 

さて、僕がいるのは新規開校教室なので、説明会がたびたびあるんです。

既に一回終えたのですが、今まで神奈川でやっていた説明会とはちょっとわけが違うんですね。

 

うちの塾のことを知らない初めての保護者の方なので、とにかく元気よくということと、説明なのですがその中でちょっとオーバーに演じるということ。

これ、自分のもともと苦手分野な上に、今まで2年いた教室にちょっと軽い新卒がいたので、自分の説明会の役回りとしては冷静な落ち着いた先生(これは素でできる)をやってきたため、かなり苦戦していました。しかも、新規開校ということで、本部が用意した原稿通りに説明しなければいけません。自分の言葉ではないB4裏表の分量を覚えるのもかなり大変です。

 

で、色々な先生に見てもらいつつもなかなかうまくいかず、説明会前々日をむかえていました。その日は神奈川の、僕が新卒の時から4年間いた教室に授業をしに行っていた日でした。5月の一か月だけのヘルプでしたが、その最終日でした。

 

そこで、中3のクラスの授業が終わって、じゃあ僕は今日で最後だから、という話をしたら、「いやだ!!」って生徒が言うんですね。本当はあとの先生が入りにくくなるようなことをいってはいけないのですが、ここは小6まで教えていた生徒たちですし、一か月の間に「2年前にもり先生が異動しちゃったとき、塾替えようって家族会議が開かれて、もうあと一歩でやめるところだったんです」とか、初めて会う子から「部活で先輩たちがもりっていうすごい先生がいたんだけど異動しちゃったんだよなー、って言ってたから先生のこと知ってます!伝説です!」とか言われていたもので、僕もちょっとぐっときてしまって。「僕もあと9か月君たちと入試まで一緒にやっていければなぁ、って思いはあるよ。そうすればこんなことも教えられるし、あんな授業もできるしって。でもね、僕がどこで教えるかは会社が決めることで僕の希望ではどうにもならないんだ。」って話をして挨拶をして終わることにしたんですね。そしたら生徒たちが、あらん限りの大きな声で「ありがとうございました!!」って挨拶をしてくれて、これにはもううるうるきちゃいますよね。

 

で、帰りの電車の中で思ったんです。僕が埼玉に行ってたいしたことがなかったら、今日のあの子たちは「どうせだめだったんなら私たちを入試まで教えてくれればよかったのに」って思うなって。それではあの子たちに申し訳がたたないなぁ、と。

そこでふっきれて、原稿もなぜかあっさり頭に入って、翌日のリハのときに手ぶらで前に立ったので、教室長に、原稿は?って聞かれたんですけど、「そんなものはもういらないんです!!」ってわけの分からない自信とテンションで。結局「前と全然違う、この出来で是非行こう」、とお褒めの言葉をもらって、一回目の説明会を終えました。

 

おそらく僕一人の力であればまだ殻を破れていたかどうか分かりません。一か月だけでしたが会うことができたあの子たちのおかげです。本当にありがとうと伝えたいです。


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