６３ 俺でよければ

　　　　　　　　　　　　俺でよければ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　あずま　優
　　　　　　　　昔ながらの　家々が

　　　　　　　　肩を寄せ合い　集う町

　　　　　　　　そこで生まれて　育った二人

　　　　　　　　俺でよければ　俺でよければ

　　　　　　　　一緒になって　くれないか


　　　　　　　　窓を開ければ　手が届く

　　　　　　　　いつも間近に　いる君に

　　　　　　　　なぜか言えない　心の内を

　　　　　　　　俺でよければ　俺でよければ

　　　　　　　　片方にいつも　いて欲しい


　　　　　　　　いつも優しい　この町に

　　　　　　　　今日も優しい　陽が注ぐ

　　　　　　　　二人一つの　夢追いかけて

　　　　　　　　俺でよければ　俺でよければ

　　　　　　　　暮らそうここで　この町で

６２ ひとり静かに

　　　　　　　　　　　ひとり静かに

　　　　　　　　　　　　　　　　あずま　優
　　　　　　　　なにも考えずに

　　　　　　　　今日は一日過ごそう

　　　　　　　　果てしない大空の下で

　　　　　　　　ひとり静かに


　　　　　　　　なにも考えずに

　　　　　　　　童のように過ごそう

　　　　　　　　赤トンボ追いかけながら

　　　　　　　　ひとり静かに


　　　　　　　　なにも考えずに

　　　　　　　　新しい朝を待とう

　　　　　　　　夕べの星を数えながら

　　　　　　　　こころ静かに　

６１ ナナ子

　　　　ナナ子

　　　　　　　　　　　あずま　優
元気でいるか　食べてるか

ひもじい思い　してないか

思いやるたび　切なくなって

涙ばかりが　先走る


ナナ子はおれに　よく似てる

来年春は　一年生

顔も見たいし　聞きたい声も

父のない子は　寂しかろ


幼い胸に　感じとり

行くなと縋り　泣いていた

男・女の　心の綾を

いつか分かって　くれるだろ


ごめんごめんよ　ナナ子にわびて

そしてお前に　詫びている