76 男は

　　　　　　　　　男は
　　　　　　　　　　あずま　優　　　
　　　　　男は夢に　躓くと

　　　　　優しい愛が　欲しくなる
　　
　　　　　疲れた身体を　横たえながら

　　　　　遠い昔を　思い出す


　　　　　流れのままに　寄り添って

　　　　　二人は未来を　　語り合い

　　　　　心と身体が　一つになった

　　　　　遠いあの日が　懐かしい


　　　　　男は夢に　疲れると

　　　　　昔をやけに　恋しがる

　　　　　邪険に捨てて　来たはずなのに
　　　　　
　　　　　会って見たくて　堪らない
　　　　　　　

７５我が道

　　　　　　　我が道
　　　　　　　　　　　　あずま　優
　　　　黙々と　歩いて行こう
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　志　変えることなく

　　　　後ろ指　背なに受けても

　　　　我が道を　　強い心で


　　　　振り向けば　古里は遠い

　　　　捨てた身を　いつも呼んでる

　　　　コップ酒　杯を重ねて

　　　　父母に　独り詫びてる


　　　　黙々と　歩いて行こう

　　　　あの人が　俺を待ってる

　　　　幸せを　この身に呼んで

　　　　待つ人と　生きて行きたい

７４ あいつ

　　　　　　　　　　　　あいつ
　　　　　　　　　　　　　　　　　あずま　優
　　　　　　　　人より優る　何もない

　　　　　　　　なのに大きな　夢をみた

　　　　　　　　そんな男に　愛想が尽きて

　　　　　　　　あいつ黙って　家を出た

　　　　　　　　元気でいるか　気にかかる


　　　　　　　　犇めく人の　盛り場で

　　　　　　　　恥を忍んで　生きてたか

　　　　　　　　日毎夜毎に　やつれた姿

　　　　　　　　俺は見るのが　辛かった

　　　　　　　　遊んできなよ　飽きるまで


　　　　　　　　雨戸を風が　叩いてる

　　　　　　　　風に騙され　外に出る

　　　　　　　　俺も一から　やり直したい

　　　　　　　　空に師走の　二十日月

　　　　　　　　あいつがやけに　恋しいよ

７３ 君去りて

　　　　　　　　　　君去りて
　　　　　　　　　　　　　　　　あずま　優　　
　　　　　　君去りて　冬が来て

　　　　　　木枯らし街に　泣いてます

　　　　　　襟を合わせて　寒さを凌ぐ

　　　　　　こんな日暮れは　

　　　　　　寒くないかと　抱かれたい


　　　　　　裸木に　冬鳥が

　　　　　　悲しい声で　鳴いてます

　　　　　　いまの寂しい　心の中を

　　　　　　小鳥みたいに

　　　　　　空に向かって　叫びたい


　　　　　　君去りて　あの夢も

　　　　　　いつしか消えて　遠い空

　　　　　　ともに二人が　見るはずだった

　　　　　　星よ今宵は

　　　　　　流す涙を　見てほしい

７２ 女

　　　　　　　　　　女
　　　　　　　　　　　　　　　あずま　優
　　　　　　何も知らない　幼い女

　　　　　　あなたに会えて　大人になった

　　　　　　いろんな事を　教えてほしい

　　　　　　あなたの女に　なりたいのです

　　　　　　おいてください　片方にいつも


　　　　　　人の知らない　地方の町で

　　　　　　男を知らず　育った私

　　　　　　山野に春は　ツクシを摘んで

　　　　　　ひねもす夏は　カモメと遊ぶ

　　　　　　そんな私は　野生の子です


　　　　　　人に知られる　女になった

　　　　　　行き交う人が　私を見てる

　　　　　　舞台で今日も　恋歌唄う

　　　　　　あなたのことを　想って唄う

　　　　　　愛に優しい　女になった