詩・歌謡 ３２

　　　　　　クリエーター

　　　　　　　　　　　　　古木　怜
　　人が歩いて固めた道に
　　花は咲かない新しい
　　流れる雲の行きつく果てに
　　求めるものはそこにある

　　古い足跡なぞっていては
　　そこに得られる実はない
　　流れる雲の行きつく果てに
　　求めるものはきっとある

　　流れる雲の行きつく果てに
　　誰もが願うものがある

　　究めて見よう命を賭けて
　　今この時が来ないなら　
　　　
　

詩・歌謡 ３１

　　　　　　　ごめんよ

　　　　　　　　　　　　　　　　古木　怜
　　いつも綺麗な　おまえの髪に
　　二すじ三すじ　雪の糸
　　身丈に合わぬ　夢追いかけて
　　あらぬ苦労を　押しつけた
　　ごめんよ　ごめんよ　泣かせてばかり

　　遠い故郷に　残した母を
　　気づかう日々の　心根が
　　わたしを今日も　悲しくさせる
　　早く親子で　暮らしたい
　　ごめんよ　ごめんよ　心配かけて

　　道の半ばで　挫けることは
　　路傍の石と　変わらない
　　ふたりに似合う　小さな花を
　　いつか咲かそう　この街に
　　ごめんよ　ごめんよ　苦労をかけて

詩・歌謡 ３０

　　　　　　ひとり歩き

　　　　　　　　　　　　　古木　怜
　　銀杏並木が色づく街で
　　よく似た人と行き違う
　　もしやあなたと呼びかけたくて
　　逸るこころを鎮めてました
　　わかれて一年わたしは今も
　　ひとり歩きができずにいます
　　夜が明ければあなたのことを
　　思いやる日がつづいています

　　カフェテラスに立ち寄る人が
　　明るくいつも映ります
　　モカの薫りがただようなかで
　　泪ぐむのはわたしがひとり
　　ささえなことでわかれたことが
　　ひとり歩きを邪魔しています
　　秋が終わりを知らせるころは
　　この寂しさが消えるでしょうか

詩・歌謡 29

　　　　わかれ

　　　　　　　　　　　　　古木　怜
波のしぶきが波止場を洗う
むせぶ汽笛は女のこころ
日毎夜毎の愛の想いで
思い出しては懐かしむでしょう
さよならあなた故国へ帰ります
忘れないわ　あなたのことは
永遠に　永遠に　永遠に

お国言葉は違っていても
恋をする身に変わりはないわ
日毎夜毎の愛の想いで
忘れないでねわたしのことを
さよならあなた故国へ帰ります
忘れないわ　あなたのことは
永遠に　永遠に　永遠に

忘れないわ　あなたのことは
永遠に　永遠に　永遠に