秋への思慕<o:p></o:p>
古木 怜
秋の穏やかな日の午後
手製の釣竿を携えて近くの小川へ
釣りに出かけた
田圃へ下る雑木林の細道は
散り積もった落ち葉に隠蔽されていた
一足ごとに包みこまれるシューズに知る
秋の深まりは
腕白少年を涙ぐませて歩かせた
村一番の悪童に
秋はやさしさを教えて過ぎていった
秋への思慕<o:p></o:p>
古木 怜
秋の穏やかな日の午後
手製の釣竿を携えて近くの小川へ
釣りに出かけた
田圃へ下る雑木林の細道は
散り積もった落ち葉に隠蔽されていた
一足ごとに包みこまれるシューズに知る
秋の深まりは
腕白少年を涙ぐませて歩かせた
村一番の悪童に
秋はやさしさを教えて過ぎていった
少年の日の記憶<o:p></o:p>
古木 怜
村境を越えたところに牧羊飼育施設があって
少年のころ遊びにいった
あるとき青年に教わり放牧の羊を畜舎に
追い込むのを手伝ったことがあった
草原を逃げまどう群れを追いかけ
全頭収容できたときはうれしかった
額の汗をふいているとき青年が笑顔で
頭を撫でてくれたっけ
子供ごころに満ち足りた日だった
青年の指笛
羊たちの騒擾草いきれ
少年の日の記憶はなにもかも愛しい