ROSE POSYのハンドクラフト・ブログ

”手仕事”の楽しさをお伝えできればと思います。ROSE POSYオリジナル作品もどうぞお楽しみ下さい。

ジュエリーCADで、うれしはずかし、初作品!!!

2007年05月12日 | ジュエリー作品&試作品
ジュエリーCADの課題を2ヶ月位すぎたころ、校長先生に「そろそろ切削機で彫ってみましょう。これまで学んだ技術を使ってオリジナルの作品を作ってみて下さい。」と言われました。

えー?まだ課題の半分も終わってないのにもう彫ってもらえるんですかー!!(嬉々♪)

・・・で、お恥ずかしながら、記念の初CAD作品です。

 
原図のワイヤーフレーム表示


”EMAP”表示
(金属にした状態がイメージしやすい)


鋳造・仕上げ後の完成作品

切削機でのワックスの彫刻作業は先生にしていただきます。
切削していただいた肝心のワックス原型の写真を撮っておくのを忘れました。初の記念作品なのに、非常に残念!!
CADの図からいきなり上の写真のような金属になるのではなく、工程とアウトプットの流れはこんな感じ。

CADデータ→(切削機)→ワックス原型→(鋳造)→地金→(仕上げ)

厳密 には切削機で彫りあがったワックス原型は、バリをとったり、溝や穴に詰まったワックスの粉を除去したり、表面をサンドペーパーで仕上げる作業をしてから、 鋳造(キャスト)に出します。今回はリング裏側の指なじみのエッジを丸めてアールをつける方法までは習っていなかったのでワックスになってから自分でヤス リました。

幅が10mm、厚さ2mm。裏を抜いていないので重量はかなり重くなってしまいましたが、メンズリン グだったらちょうどいいかも。溝の部分に”ホーニング処理”(サンドブラストのようなもの)をやらせていただきまして、いい感じです。

まだ習い途中にもかかわらず、こうして作品に仕上げることができて、この先の課題に対するモチベーションが倍増します。

いや~、100倍くらいやる気がでました。気持ちにメリハリがつき ました。大感謝です!



ジュリークリエーターの道 ~ジュエリーCADとの出会い(2)~

2007年05月10日 | ジュエリーよもやま話

ある日の作品。なんと石枠の穴がハート形!!
(残念ながら私の意匠ではございやせん。)

☆  ☆  ☆  ☆

さて、後ろから頭を殴られるような衝撃を受けた私は、さっそくジュエリーCADスクールの門を叩いたわけです。ジュエリーCADとはどのようなものか、どういったメリットがあるのかについては学校のホームページをご参考ください。(私は入学してしまってからここを読んでいたく納得した次第です。)

★La Vagueジュエリースクール★

CADコースの説明はこちら

このスクールでは、ソフトウエアは、ライノセラス(Rhinoceros)、通称”ライノ”と呼ばれるCADソフトを使用します。ライノ自体は、航空機、船体、自動車、家電、コンピュータ、から商品パッケージ、キャラクターデザインなど工業製品の三次元モデリングに使われる汎用的なソフトウエアですが、ジュエリーのデザイン用にラ・ヴァーグさんオリジナルのプラグインが組み込まれたものを使います。

ジュエリー用として国内外のいくつかのプラグインソフトが市販されており、このプラグインにかなりメーカーによって個性があるようです。

ラ・ヴァーグの校長先生によると、ライノの特長は、本格的なCADソフトにしては、比較的安価で求めやすいことと、軽い(一般的なスペックのパソコンで充分サクサク動く)、ということをうかがいました。(ほかにも聞いたかもしれませんが忘れました。補足お願いしまーすっ)

先生のデモを拝見したときは、いかにも簡単そうにみえたので(そりゃそうだ)、「私でもやれそうかも!」などと甘~い夢を見てしまったのですが、始めてみたら、とーんでもなかった!! えらいことに手を出してしまったと一瞬、後悔しましたがもう後には引けない・・・。

パソコンの操作は慣れているのですが、いかんせん、CADの基本理解がない私。最初のうちは自分で何をやっているのか全く理解できないまま、テキストに書いている操作をただ真似しているだけの苦しい日々・・・・。

専門用語がいきなり出てきて、面くらうばかり。ひとつひとつの操作について、「なぜそれをやるのか?」という理由というか理屈をいちいち理解しないと気がすまなくて、いちいち先生を呼んでは、子供のようにナゼナゼ攻撃を繰り返す有様です。(先生、本当に覚えがわるい生徒ですいません、、、)

しかも、通常のソフトウエアのようにマニュアルを見ればわかるというようなものではなく、概念を理解するために非常に頭を使います。確実に久しぶりに、”勉強したぞ~!!”という感じです。正直、この人生でこんなに難しいことを勉強したことはないかもしれません。いや、単に私の頭が悪いだけです。orz

幸い、先生は本当に辛抱強くて親切で、劣等生の私にも丁寧に教えてくださるので、なんとかかんとか、亀の歩みで、一つ一つ課題と格闘している最中です。

 


100円ショップで買った猫よけマットの効果

2007年05月07日 | ねこの話
ねねは、人が見ていないと流し台に乗り、調理器具をいじったり落としておもちゃにしてしまう。その悪癖を阻止すべく、最新兵器として100円ショップでゲットした『ネコよけマット』。うっしっし、ねねよ、台所のおイタは今日限りだっ!

プラスチック製で、いかにも痛そうな針状の突起がたくさんついていて、複数のマットを連結できるようになっています。

いざ、実験開始!


「にゃ?またお得意のツウハンでお買い上げですか?」
    (100円ショップだっちゅうに!)


「これ、にゃんでしょうか?くんくん・・・。なんか、おもしろーい♪」

あぁぁぁー?、いきなり。平気で乗ってるし!
しかも、分解した。

おまえ、肉球、痛くないのか??? 


「わーい、たのしーっ!」

マットを嬉しそうにもて遊び始めた・・・・。
さんざんヘッディングでマット滑らせながらフロアを駆けまわったあと、しまいにゃ、”突起”をカミカミして何本か食いちぎってしまった。


「で、結局、これ、にゃんだったんですか?!」


トホホホ、またダメダメな買い物をしてしまったのか。。。。

その夜、予想だにしない惨劇が起きた。

このネコよけを流し台の上に載せるのを忘れ、床に置いたままにしてしまい、夜中に水を飲みに台所に行った私は、思いっきり踏んでまったのだ。

うぎゃぁああおわぉう~~~~

地雷だ・・・。痛いのなんのって、、まじであまりにイタさにその場にうずくまり、暗闇で泣き叫びました。わーん、私のバカ!

でも、流し台の上に置いてみたところ、なんとなく、ねねは乗らなくなったみたいです。(たぶん、用心深く乗るときはうまく”突起”をかわせるけど、マットが見えない状態で床の上から勢い良く流し台に飛び乗るとさすがに痛い目にあうのかもしれない)

一応、成功かな♪



藤紫の誘惑  (ブルーカルセドニー)

2007年05月05日 | ジュエリー作品&試作品


近くの家の庭に立派な藤棚があり、うす紫色の花が満開になりました。ぶどうのようなたわわな花が風で左右に揺れる姿がなんとも風雅です。

この紫といっても微妙に青みがかった色合いがとても好きです。ラベンダーカラーなどという言い方もありますが、いやちょっと違うんだな。いかにも古風な『ふじむらさき』が似合います。こんな色の石があったらなぁ、と思っていたら、あったんです。

ブルーカルセドニー (Blue Chalcedony)。 

そう、私の好きなカルセドニーの青バージョンです。
この石は多分染め(染色)だと思うのですが、ひと目惚れでした。

まさに藤紫色で、半透明。落ち着きがある中にも楚々とした色気があり、なんとなく和服の大人の女性を髣髴とさせる石です。
・・・和服の女、なんかムラムラしそうです(爆)

パワーストーンとしては精神を安定させるとのことですのが、見た目で納得。

写真ではよくわかりませんが、光線の加減でムーンストーンのようなシラー(閃光)が現れ、吸い込まれるような、なんとも怪しい雰囲気です。バックを黒にしてみると少しわかるかな・・。



この石の色合いが大変気に入り、いろんな石屋さんや宝飾展、ミネラルショーなどで血眼で探しているのですが、色が濃すぎたり白すぎたり、シラーが出ない、など、いまだに理想のものには出会っていません。

この曖昧な色は、花もそうなんですが、写真に撮るのが難しく、いろいろ工夫してもなかなか肉眼で見た色と全く同じには再現できないんです。どなたか、美しく撮る方法がありましたら教えてください。


ジュエリークリエーターの道 ~ジュエリーCADとの出会い(1)~

2007年05月05日 | ジュエリーよもやま話
かねてから非常に興味がある技術がありました。

それはパヴェ(ぎっしりとメレダイヤが地金に敷き詰められたようなデザイン)とミル・グレーヴィング(非常に小さい球がつながったようなラインを描く装飾技法)でした。 これらはワックス原型ではなく、むしろ彫金の技法です。いずれも非常に熟練を要する難しい技術です。

そういうのは専門の仕上げ職人さんの領分だと知りつつも、やはり自分で出来ないことがあるのは気持ちが悪いものです。何でも自営しようとは思わないけど、せめてやり方くらいひととおり知っておきたいよな、と教えてくれそうな彫金教室をネットでかたっぱしから探しました。

実際、彫り留め、とくに洋彫りなんかは、熟練の職人さんに長いこと修業して口伝えで伝播される技術であり、そうやすやすと人に教えてくれるところなどほとんど期待できませんでしたが・・・。

そこでたまたま行き着いたのが、東京・恵比寿にある、La Vague(ラ・ヴァーグ)ジュエリースクールさんのサイトでした。

どこにもそれらを教えてくれるとは書いてありませんでしたが、そこのホームページが充実していて、なにやら熱くジュエリービジネスについて語っているのに、何かの強いオーラ(!?)を感じてふらふらと吸い寄せられるように、見学がてら出かけました。

恵比寿駅東口から徒歩3分くらい。1階が併設の直営ジュエリーショップ、「Ally (アリー)」、2階、3階が教室になっています。

「こんにちは。校長です。」

とさわやかに元気よく挨拶をされたのは、まだ30代のとても若い男性の方で、そこでまず驚きました。(というか、TシャツにGパン姿で教室の彫金台で作業しておられたので、一般の生徒さんかと思ってしまいました。すみません!)

「彫り留めとかミル打ち、うちでも教えてますよ。でもね、趣味でやるにはいいんですが、仕事として使えるレベルになるには相当時間かかっちゃいますし、いくら頑張ってもこの道何十年の職人さんにはかなわないですからねぇ。」

・・・と開口一番、身もふたもないことを言われてしまいました。(うーん、そのとおりだよな)、と妙に納得していると、先生が「ちょっとこちらへ来てください。面白いものを見せてあげます。」と、3階へ案内してくれました。

そこはパソコンが沢山並んでいてどうみてもPC教室でした。

ジュエリーCADって聞いたことある?」 

先生はやおらPCの前に私を座らせ、CADのソフトを立ち上げ、まずはCADで描画したさまざまなジュエリーを見せてくれました。

なんじゃこりゃ~。すごい、すごすぎる・・・・。

次に先生はいきなりリングを描画し始めました。正確には設計、ですね。まるでプラモデルを組み立てるように、線や面がどんどん組み立てられて、見る見るうちに目の前で形になっていきます。
ほんの数分で月型甲丸リングが完成していました。

「おー!うぉーーー!すごぉお!かっこい~!」と不覚にも感嘆の声をあげまくっていました。(恥)

ジュエリーCADは、国際宝飾展などでデモは見たことがありましたが、これは小売店などでジュエリーデザイナーが顧客へのオーダージュエリーのプレゼンテーション用にリアルに描画するための専用ソフトだと思っていました。

しかし、CADのすごいところは、そこからさらに、CAM(Computer Aided Manufacturing)  という製造工程につながっているところなのです。

ジュエリーCADで設計したデータを専用のワックス切削機に入力すると、3次元のモデルを正確に美しく機械が短時間で彫り上げてしまうのです。実際に切削したワックス原型も鋳造後の作品もみせていただきました。手ではとてもできないような細工も綺麗に再現されていました。

ミル・グレーヴィングや粒金風のテクスチャはもちろん、ワックスの手制作では難しい爪立てなども、コンマ何ミリ単位で自由自在に実現できるというのです。

通常CADでデザインした造形データをNC工作機械に入力すると原型が出来上がるという技術は本来、自動車からペットボトルまで工業分野のものだと思っていました。

うへぇ・・・ジュエリーの世界はもうそこまで来ていたのか・・・・。

そうか、先生はきっと、「これがあれば足りない技術は補えますよ」、ということを伝えたかったのかもしれない・・・。

『伝統技術を最先端のITテクノロジーで再現』、つうことか。
ジュエリーって工芸だと思ってたけど、良く考えてみたら量産になったとたん、洋服と同じく工業製品なんだよな。いかに効率よく合理的に”生産”(制作でなく!)するかは製造業の基本だもんね。

先生は、「こういうものもあるということです。」とさらっと説明をひととおり終えられ、その日はただただ、びっくりして話を聞いただけで家路についたのでした。

帰ってからもあまりの感動で、しばらく興奮を抑えられませんでした。CADソフトの画面が脳裏に焼きついて離れず、何日間か考え込んだ末に気がつくともう一度学校に出向いていたのです。もちろん、入学申し込みのために!

私のジュエリーCADとの出会いはこんな始まりだったのです。


目に青葉・・・・

2007年05月02日 | ジュエリー作品&試作品
本当にいい季節になりました。私は一年のうちで5月が一番好きです。植物から生命のパワーをいっぱいもらいます。

東京都内や近郊にはいい公園や植物園が沢山あり、この季節はそうしたところを静かに散歩をし、草花を観察するのがとても楽しみです。この季節ならではのつややかな木々の若葉や草に五感を刺激されます。

今は北向きの四畳半の和室を作業場にしていますが、いつか、自然豊かな土地に移り、よく日が当たり風が気持ちよく吹きぬける板葺きのアトリエで、窓の緑を眺めながらまったりとジュエリーを作ることが私の夢なのです。


「碧(みどり)」
(グリーンアゲート) 

グリーンアゲートは、緑色のメノウのことです。メノウは石英の細かい結晶が塊状になったカルセドニー(別名:玉髄)という鉱物の一種で、原石の形がウマの脳に似ているので”瑪瑙と呼ばれたそうで、

古くはローマ時代から宝石として用いられてきました。メノウは通常、鉱石の切り口が縞模様になっていて、縞目を活かす場合もあれば、上記のようにプレーンな一色のみでルースにすることもあります。オニキスやカメオなんかは皆さんもよくご存知でしょう。

アゲートやカルセドニーの仲間は、実にさまざまな色合い、模様、透明度のものがあり、温かくて素朴な感じがする、私の大好きな石たちです。


ジュエリークリエーターの道 ~ワックスは楽しい(2)~

2007年05月01日 | ジュエリーよもやま話
ちまちまと独学でワックスを彫る日々を過ごしていましたが、独りでやっているとだんだん煮詰まってきて、飽きるし、モチベーションが下がってきます。自分が何を目指したいのかもわからなくなってきました。

そこに、ひょっとしたきっかけで、ある宝飾作家の方と出会いました。その方は、一点物のオーダージュエリーの制作が中心ですが、「何でもワックスで作れますよ~!」という非常に独創的な面白い方で、その方の人柄に惹かれてご自宅まで押しかけていき、何度かワンポイントレッスンをしていただきました。

授業というよりは、こちらの「これはどうやって作るのですか」「この場合はどうしたらいいでしょうか」といった疑問に対して、先生が一つ一つ自分のやり方を答えていく、という形でした。

 まずびっくりしたのが先生はリングを作るのに、チューブワックスを使いません。先生は、「ワックス・ディスペンサー」という、ワックスを電熱で溶かしながら線状にたらしていく特殊な器具を使い、芯材にワックスを盛ってリングベースを作っていくのです。

廃盤となったHARP製ワックスディスペンサー

この方法だと、ワックスの削りカスが少なくて済み、ベースとなるリングを作る時間がかなり節約できます。

残念ながら、先生が愛用のその器具は、今はもう製造中止していましたので、私もまねして、似たような機能を持つワックスガンというのを購入しました。でも、ちょっと使い勝手が違います。それなりに便利で楽しい道具ではあるのですが、”弾”は専用のワックスでないとだめなんで不経済です。ワックスの端材やクズが再利用できるディスペンサーはやっぱりエコで魅力的。HARPさん!ぜひ復活させてくださーい!

ワックスガン(左:HARP製 右:matt製)

すみません、話がずれてしまいました。(「ワックスガンという道具に出会えたのはこの先生のおかげです」ということを言いたかった)

この先生には、ワックスを使った技法をいろいろ教えていただきました。先生がオリジナルで編み出したアイデアばかりです。しかし、そのどれもが高度な技術は必要としません。まさに「オバアチャンの知恵」的な”目からウロコ”のものばかりなのです。


エタニティリング 試作品

たとえば、上のエタニティリングは、彫り留めの技術を使わずに作成した試作品です。(ごめんなさい、初めてなものですから、はっきり言って下手です。ベースはワックスガンでつくりました。) 先生は、彫り留め風だけでなく、メレダイヤがビッシリと面を埋め尽くすパヴェセッティング風リングもワックスで簡単に作ってしまわれます。きっと彫り留めや洋彫りこの道ウン十年と言う石留め職人さんが見たら、「そんなやり方は邪道だ!」と怒り出しそうですが、先生の作品は素人目から見ても、実に完璧で美しい仕上がりです。

先生はとてもおおらかな方で、「なーに、光ってりゃいいの!」とか、「要するにキラキラして見えればいいの。」「だって、それでお客さんが気に入って買ってくれるんだから。」と豪快に笑っておられます。

そして、私のようなよそ者に、「みてみて、こんなこと思いついたんだ!」と本当に子供のように屈託なく自分が考えた新しいアイデアを人に教えてしまいます。心から創作活動を楽しんでおられるようでした。

そう、ジュエリー制作の世界もやり方は人それぞれ。代々受け継がれた方法はあるにはあっても、正攻法だとか、正規の方法だとか、決め付けてはだめなんですよね。いろんなやり方やプロセスがあっていいんだということを、この先生は教えてくれました。

モノ作りの楽しさは、遊びの中から新たなアイデアを発見することにある

ということを今日は言いたかっただけです、はい。