え~っと、すっかり新緑が眩しい季節になってしまいました。
私の2009年桜ジュエリー作戦は、北海道の桜開花にさえ間に合わなそうなテンションの下がりぶりです。(^^;;;
CADでさくっとモデリングしたパーツを切削機で造形していただきました。基本的に、ROSEの作るものは手作りでもCADでもシンプルなデザインです。
もっとも、切削造形を前提とする場合は完全3D造形ではないので、表現できるデザインに限界がありまして、モデリングしている段階で、自然とそういった制限を踏まえたデザインになってきます。
こうした平面的なパーツの場合、リングの場合に比べてやっかいなのが、周囲の余分なワックスを除去する作業です。
ハードワックスなので、無理に取ろうとすると、冷えすぎの板チョコみたいにパーツごとパキッと、折れたり割れてしまいます。以前私は、横着して、泣きを見たことがありました。面倒ですが、丁寧に慎重に落としていきます。
切り離したら、次は、『CAD目』と呼ばれる、ギザギザの切削痕をヤスリやサンドペーパーで表面をきれいにしていきます。あと、切削したワックスの削りカスが穴に詰まってるので、それは針でほじほじと除去します。(耳掻きしてるみたいです)
これらは、切削機による造形ではどうしても避けて通れない作業です。設定の精度を上げるとCAD目はかなり改善されるようですが、全体の生産性を考えるとどこかで折り合いをつけざるをえないでしょう。
この『ギザギザ取り』も大切な工程です。慎重にやらないと削りすぎて、元の形を損ねてしまうことがあります。作業中に削りすぎたり、ツメやパーツが折れちゃったりといったトラブルが発生することはよくあるので、そこで盛ったり削ったりといった修復作業が発生します。
ジュエリーCADデザイナーのカッコイイイメージだけ想像してたヒトには、かなりトホホな作業ではないかと思います。最新の光造形機ならばこうした作業は必要ないかと思いますが・・・・。
細い部分は、無理にCAD目を削ろうとすると折れてしまうのでそのままキャストする場合もありますが、今度は、地金になってからの作業がえらい大変だったりもします。
CADはコンマ一ミリ単位で正確にモデリングしてくれる便利なツールなのですが、なぜか造形物の出来上がりを見て納得がいかないことがあります。サイズや厚み、太さが想像してたのと違ったり、「もっと膨らみがほしかった」とか、「なんとなく柔らかさが足りない」、などといった主観的なイメージ違いの不満など、画面上では気づかなかった『予想外』な結果が気になることがあります。(ひとえに経験不足のためですが・・)
私の場合、幸いにして自分の作品なので、気に入らない部分は、手で直しちゃいます。「CADなのに、手入れてたら意味ないじゃん」、とツッコミが入りそうですが、じゃあ、切削後のアノ後処理はなんなんじゃよ!って・・・。(笑)
最後に笑える一枚を。
な、なんと・・・・裏面は手作りです。
(CADで作った意味がないですよね~)(^0^;;;;
平面切削では、両面の切削が可能ですが、その場合はサポートをつける必要がなり、今回のデザインでは、そのサポートの取り付け位置が難しそうなことと、両面だとお値段も倍になるんで、裏抜きくらい何とかなろう、、、とケチって片面だけにしてもらいました。(笑)
ところが、ほじくってる最中に、裏抜きだけじゃつまらないじゃん、と思い始め、大きいほうは裏にもフクリンの石座、小さいのは芯立てして、リバーシブル仕様という”オチ”になりました。