ROSE POSYのハンドクラフト・ブログ

”手仕事”の楽しさをお伝えできればと思います。ROSE POSYオリジナル作品もどうぞお楽しみ下さい。

ジュエリーCADだけど、なぜかヒトの手が必要だったりする

2009年04月28日 | ジュエリーよもやま話

え~っと、すっかり新緑が眩しい季節になってしまいました。

私の2009年桜ジュエリー作戦は、北海道の桜開花にさえ間に合わなそうなテンションの下がりぶりです。(^^;;;

CADでさくっとモデリングしたパーツを切削機で造形していただきました。基本的に、ROSEの作るものは手作りでもCADでもシンプルなデザインです。

もっとも、切削造形を前提とする場合は完全3D造形ではないので、表現できるデザインに限界がありまして、モデリングしている段階で、自然とそういった制限を踏まえたデザインになってきます。




こうした平面的なパーツの場合、リングの場合に比べてやっかいなのが、周囲の余分なワックスを除去する作業です。

ハードワックスなので、無理に取ろうとすると、冷えすぎの板チョコみたいにパーツごとパキッと、折れたり割れてしまいます。以前私は、横着して、泣きを見たことがありました。面倒ですが、丁寧に慎重に落としていきます。



切り離したら、次は、『CAD目』と呼ばれる、ギザギザの切削痕をヤスリやサンドペーパーで表面をきれいにしていきます。あと、切削したワックスの削りカスが穴に詰まってるので、それは針でほじほじと除去します。(耳掻きしてるみたいです)

これらは、切削機による造形ではどうしても避けて通れない作業です。設定の精度を上げるとCAD目はかなり改善されるようですが、全体の生産性を考えるとどこかで折り合いをつけざるをえないでしょう。

この『ギザギザ取り』も大切な工程です。慎重にやらないと削りすぎて、元の形を損ねてしまうことがあります。作業中に削りすぎたり、ツメやパーツが折れちゃったりといったトラブルが発生することはよくあるので、そこで盛ったり削ったりといった修復作業が発生します。

ジュエリーCADデザイナーのカッコイイイメージだけ想像してたヒトには、かなりトホホな作業ではないかと思います。最新の光造形機ならばこうした作業は必要ないかと思いますが・・・・。

細い部分は、無理にCAD目を削ろうとすると折れてしまうのでそのままキャストする場合もありますが、今度は、地金になってからの作業がえらい大変だったりもします。

CADはコンマ一ミリ単位で正確にモデリングしてくれる便利なツールなのですが、なぜか造形物の出来上がりを見て納得がいかないことがあります。サイズや厚み、太さが想像してたのと違ったり、「もっと膨らみがほしかった」とか、「なんとなく柔らかさが足りない」、などといった主観的なイメージ違いの不満など、画面上では気づかなかった『予想外』な結果が気になることがあります。(ひとえに経験不足のためですが・・)

私の場合、幸いにして自分の作品なので、気に入らない部分は、手で直しちゃいます。「CADなのに、手入れてたら意味ないじゃん」、とツッコミが入りそうですが、じゃあ、切削後のアノ後処理はなんなんじゃよ!って・・・。(笑)




最後に笑える一枚を。

な、なんと・・・・裏面は手作りです。
(CADで作った意味がないですよね~)(^0^;;;;

平面切削では、両面の切削が可能ですが、その場合はサポートをつける必要がなり、今回のデザインでは、そのサポートの取り付け位置が難しそうなことと、両面だとお値段も倍になるんで、裏抜きくらい何とかなろう、、、とケチって片面だけにしてもらいました。(笑)

ところが、ほじくってる最中に、裏抜きだけじゃつまらないじゃん、と思い始め、大きいほうは裏にもフクリンの石座、小さいのは芯立てして、リバーシブル仕様という”オチ”になりました。


ジュエリーCADの本がでた!

2009年04月22日 | ジュエリーよもやま話

今日は、知ってる人には、”なんだよーっ!知ってるよ~”て話題ですが、、、鈍なROSE的にはフレッシュだったニュースです。

まずは、あの柏書店松原さんから、ジュエリーCADの本がでました。 松村金銀店の松村社長さんのご執筆とのことです。 書籍プロフィールだけコピペさせていただきました。

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ジュエリーCADモデリング Rhinoceros(ライノセロス) 
ジュエリーバージョン(JV)で作る

著 者 松村正裕(松村金銀店・代表)
発 刊 松村金銀店(日本金地金流通協会正会員)
発売元 柏書店松原 ISBN978-4-87790-105-9
仕 様 B5サイズ 248頁 オールカラー 並製
定 価 3,990円 本体3,800円

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普通の書店ではなかなかお目にかかれないので、今度、御徒町に行った際に、チェックしたいと思います。

”ライノセロス”っていうんだ、って今更ですが、わたしはずっと”ライノセラス”って発音するものと思ってました。まあどっちでもいいですが・・・。

もうひとつは、あのアマゾンでジュエリーを扱い始めたということに、お恥ずかしいことに今日気づきました。アマゾンというと最初は書籍、次に電化製品やゲーム、ソフトといったものが主体でしたが、今ではありとあらゆる商品を扱うショッピングサイトと成長しました。海外から来たということもあってLook&Feelはビミョーに違和感がありますが、それでも、使いやすさで私は楽天の次にヘビーユースしています。アマゾンは、とにかく納品が早くて梱包が丁寧で気持ちが良いのです。

さて、アマゾンの取り扱いジュエリーですが、まだ品数は楽天ほど多くないようですが、アマゾン利用層のターゲットを良く分析したと思われる、売れそうなツボを押さえた商品が並んでいます。まあ、ホンネを言わせていただくと、なんか面白くない、、というか、どれも”雰囲気”のない画像なんですよね。ハイ、前面。ハイ、側面。以上!みたいな。
ジュエリーって、一目惚れというか、その場の勢いで買うもんだと思っている私としては、これは衝動買いしたくなるサイトじゃないな、と思いました。

それはあくまでエンドユーザとして見た感想であって、出品してるプロのみなさまにとやかく言う筋合いではございません。。。。m(~ ~)m



ハワイアンジュエリー ことはじめ ~その2~

2009年04月17日 | ジュエリーよもやま話

先日のエントリー
に続きます。

タガネができると、今度は基本練習です。

最初の課題は、線とか曲線を彫る練習でした。この後は、簡単な線から徐々に複雑な模様になっていって、ひたすら彫る練習が続くものと思われます。可愛らしいマイレ模様やプルメリアが彫れるようになるのはいったいいつのことやら・・・。

これが、GraverMachという彫り用のマシンです。ロゴがLEDで光ってるとこが、ポップな感じ? このほか、”コンプレッサー”が必要です。


”GraverMax”の上位機種だそうです。

簡単にこの機械の操作方法の説明の後、まず、先生にお手本を見せていただきました。



右手はしっかり固定して、左手で彫刻台を動かしながら、タガネを進めるそうです。


ふううむ。なるほど。

ダダダダ~ッと、工事現場のようなすごい音がします。こりゃ、マンションの中でやったりしたら、えらい近所迷惑になりそうだなー。


キラン、キラン。

先生が楽しそうに彫っているのを見て、『わー、いいな~。おもしろそう、わたしも早くやりた~い!』って思ったのですが、いざ、自分でやってみるとイメージとは大違いでした。

タガネは勝手に彫ってくれるので、右手はほぼ固定して力を入れなくていいのですが、ついつい、右手に力が入って、無意識にタガネを押してしまいます。『力を抜いて、力を抜いて』、、、、って何度も言われましても、気づくと、えらい肩に力が入ってる。。。。

タガネのストロークは、足のペダルを踏み込んで調節しますが、強すぎても弱すぎてもだめだし、左手の送りの動作も早すぎても遅すぎてもうまくいきません。ちょうどよい塩梅になかなか安定しません。

昔の家庭科の授業で触った足踏みミシンとか子供の頃に習っていたエレクトーンを思い出しました。

普段、ワックスを彫ったり、糸鋸で切ったり、金属を加工するときはおもに右手の動作で道具をコントロールすることがほとんどだったので、その癖がどうしても無意識に出てしまうようです。すさまじい彫り跡をみてゲンナリ。

慣れない作業にすっかり疲労困憊してしまい、最後のほうは、”もうええわ~”って感じ。(^^;;あと1,2本の線をテキトーに終わらせちゃって帰ろうとしたところ、あらー??つるんと途中で止まらずに一筆書きみたいに一気に線が彫れました。ふいに力が抜けたせいなのかも??

人差し指の先には、タガネに当たる部分が早くもうっすらと”タコ”ができて、硬くなってます。(^^;;

かくして、1日目は機械の操作のマスターどころか、暴れるタガネに翻弄される自分のふがいなさに、すっかり凹みました。でも、最初からそんなに簡単に出来てしまったら、途中で飽きちゃいそうですから、難しいくらいがいいのかも。


以下、ハワイアンジュエリーコースの見本作品を学校のご許可を得て撮影しま した。あまり良く撮れていなくてすみません。







優しい結城先生には、『だいじょうぶ。焦らずゆっくり行こうね。』、って言っていただきましたが、現実問題としては、課題ごとに制限時間と単位数があるので、(自動車の教習所みたい)そう、だらだらとマイペースでやってるわけにもまいりません。規定時間内だけで本当にちゃんと習得できるようになるのか、この調子では非常に怪しげになってきました。


ハワイアンジュエリー ことはじめ

2009年04月15日 | ジュエリーよもやま話
(写真は、学校の作品見本です)

ハワイアンジュエリー&洋彫り、はじめてのレッスンがはじまりました。
 
これからやってみようかなーと思っている人や、興味のある方のためのご参考になればと、さわりの部分だけ様子をお伝えしたいと思います。(写真は、学校さんの許可を得て撮影・掲載させていただきます。)
  
まず、最初にやることは、『フラットグレーバー』と呼ばれるタガネ株(鋼の棒)に、刃を付けていきます。

うは、タガネづくり、キタ~。

和にしても洋にしても、タガネ作りは大変です。
ピシっと面を出すこともそうですが、特に、最適な角度をキメるのがとても難しいのです。

ここでのグレービングでは、タガネ作りも機械で行うそうで、こんな機械を使って、鋼の角棒に刃を付けていきます。



砥石のターンテーブルが電動で回転しており、そこに固定したグレーバーをレコード針のように降ろして、しばらくの間、軽く手を添えて左右にうごかしてやるだけで、設定したとおりの正確な度に刃を付けてくれます。
 
彫っているうちに刃がなまったりした時も、この機械で、回る円盤に刃先を当てるだけで研げてしまいます。こんな楽していいんでしょうか~?!

うは~。アメリカって国はなんて合理的なんでしょう~。
この機械の機構(メカニズム)は非常にシンプルですが、これを考えた人はとても偉いです。

洋彫りの本場であるイタリアの工房で働いているある先生(日本人)が、こんなことをおっしゃっていました。

『いろんな国の人が、私の勤める工房に修業に来ていますが、ヨーロッパやアジアの国の人々に比べて、総じてアメリカ人は、手先があまり器用ではなく、細かい作業が苦手なようです。こんな国民性だからこそ、アメリカでは世界に先んじていろんな便利な道具や機械が発達したのでしょう。』

私が思うに、不器用というより、むしろ、合理主義、つまるところは『楽したい』『しなくてもいい苦労はしたくない』『もっと短時間ですませたい』という気持ちが勝って、楽で効率的に準備できる方法を模索しつづけた結果、このような便利な道具が生まれたのではないでしょうか。今までのやり方にこだわらない、そこがアメリカらしさだと思います。


つづく・・・

桜満開だし、新しいこと始めちゃいましょう

2009年04月09日 | ROSE POSYのひとりごと

超個人ブログなタイトルになってしまいました。

ジュエリーブログ(+若干、ネコネタ)ですからね、あまり個人的なことは書きたくないのですが、ついつい調子に乗ってしまいました。


近所の公園です。
チャリで3分、といっても東京ではかなり広大。
桜の寿命は200年近くということで、桜名所となっております。


さて、ALLYさんに置かせていただいている私のジュエリーがここ最近、軒並み売れてしまい、ショーウィンドウに売るもんがないよー、次を作らなくては!!な状態に陥っています。購入していただいた方、ありがとうございます。私のような無名な者の作品にお金を出していただけるなんて、本当に天にも昇るような思いです。皆様に心から感謝し、深くお礼申し上げます。 

私自身がびっくりしているのですが、手づくりで一生懸命心を込めて作った作品よりも、CADでサクっと作った作品が売れているようで、世の中はデジタル志向なのかなということを感じさせられております。

つい先日も、私のブログを見て、私のジュエリーをほしいという方がいらっしゃいました。それは幸いゴム型をとってありましてご提供できることと相成りましたが、いつも原型作ったあとでゴム型とるかどうか悩んでしまいます。


桜の蕾って、なんて愛らしいのでしょう。


今年に入ってからプライベートでいろんな辛いこと、たいへんなことがありまして、もうジュエリーの制作活動はムリ・・・と思っていたのですが、やはり大好きな制作の思いが断ち切れません。

CADモデリングは続けておりますが、私としてはいわば制作のツールというかインフラ的な(わかりやすくいうと”ヤスリ”的な)位置づけとなってしまい、自分の作りたい程度のものは出来るようになりましたわな~、ということで、いまさら、この先どうしようかしら・・・とCAD精進のモチベが下がりまくっていました。

先日、たまたま桜ジュエリーのCADモデリングをラバーグさんで切削造形していただいたついでに、校長先生がたまたまいらして、新しく導入した、Graver Machという洋彫りの機械を紹介していただき、先生にデモンストレーションをしていただきました。


すでに葉っぱもスタンバイ。

ブハ~~~!!!なんぢゃこりゃ~。おもしろすぎ!!

一気に火がついてしまいました。ほぇ~。

ラヴァーグジュエリースクールでは、その機械を使用する、『ハワイアンジュエリー』コースを開設したというのです。ハワイアン?ハワイ言ったことないし・・・、と思いつつも、その機械そのものに魅せられた私は、速攻で体験コースに申し込みまして、1時間ほど、ガリガリ銅版を削らせていただきました。

ああ、やめられない、とまらない。楽しい~!

私はそもそもラバーグの門をたたいたのは、”彫り留め(洋彫り)”を教えてもらいたかったからです。でもパヴェ風なんてCADで簡単に出来ちゃうよ~っていうことで、”あらそうですか”、とCADを学ぶことになった次第です。

でも、石留めするのはやはり職人さんです。本格的なパヴェセッティングは、某クラフトさんでイタリアから本場の職人さんを招聘しての体験講座を受けましたが、こりゃーとてもムリと思いました。洋彫り、自分でやりたいけど、手彫りでは道のりが遠すぎる・・・。タガネつくりから修業してたんじゃ、おばあさんになってまう!


ケヤキの新緑と桜のコントラストがbeautiful!

そして、ついに現れたGraver Mach!!力のいる部分は機械が担当してくれるので、人はグレーバーのコントロールだけすればいいのです。うっひょ~、そういう素晴らしい道具があったんですか。(かなり昔からあったみたいです。)

というわけで、私、またしてもスクーリング再開です。

ハワイアンジュエリー、私は北海道育ちのため泳ぐ方法も分からず、南国リゾートが苦手でして、要するにハワイに行ったことがないわけなので、個人的にはハワイに関してはセンチメンタルな部分はないのですが、その独特の文様の美しさは大変気に入っています。なぜ、貴金属が採れないハワイで、ハワイアンジュエリーが生まれたのでしょうね。この際、ハワイから発祥した芸術について、勉強してみたいと思っています。

ハワイアンだけでなく、この洋彫りマシンでカリグラフィー文字や花文字を彫れるようになったらいいなとか、和文様やオリジナルの文様などなど、夢が無限に拡がります。ただし、CADと違って、手先の器用・不器用に影響してきますので、果たしてどうなることやら・・・・。

今後のROSE POSYのワークショップは、CADでベースを基本造形しておいて、そこに彫りを入れてく、みたいなことになりそうです。わたし、こんな楽しちゃっていいんでしょうか?! 


ねこのボキャブラ

2009年04月01日 | ねこの話

ねこを飼っているみなさん、教えてください。
人間の言葉を、みなさんのねこさんはどれくらい理解していますか?

わたしは、ねねさんが猫飼いのはじめての体験のため、ねこの知能については非常に興味深いテーマであり、ねこがどれくらいヒトの言葉を覚えるのかについても研究しております。

(今日は、ネネの寝姿を中心にお送りします・・・)



ねねは、この4月で3歳になります。

成猫の知能は人間の3歳くらいはあるといわれていますが、ネネを見ていると、そう思えるときと思えないときがあります。

驚くほど賢いと思う場面と、やっぱりねこはバカだと笑わせてくれる場面があり、毎日、ネネの挙動の観察にあきたりることはありません。

3歳になるネネがどれくらい人間の言葉を有意に覚えたのか数えてみました。ネネが正しく意味を理解しており、毎回適切な反応やヒトが期待する行動をしたものを挙げてみました。

・ねね
・ねこ
・ぬえねこ(ネネのコードネーム)
・かわいい
・いいこ
・ごはん
・さかな(チリメンジャコ。ネネのおやつ)
・だめ
・こら
・まちなさい
・やめなさい
・やめて
・いや
・入りなさい(おはいり)
・おいで
・あっちいけ(あっちいきなさい)
・むし(虫) 
・おみず
・ねこじる (お湯にカツオブシを浸した物・ネネのおやつ)
・ぼぼ  (ベランダに来るキジバト)
・すずめさん(ちゅんちゅん/とりさん)
・ばあぁか
・食べる? 
・ほしい?
・遊ぶ? 
・いってくるね(バイバイ/いいこにしててね)

語彙を理解するだけでなく、質問されているかどうかも理解しているようです。たとえば、かつおぶしをおあずけ状態にし、ニャーニャー啼いてねだるネネに、『食べる?』と聞くと、ちゃんと姿勢を正し、『うぅ~。』と返事します。もういちど聞くと、『うぅ~。』とタイミングよく同じ返事をします。

この程度の普通の猫には当たり前なのかもしれませんが、人とは同じ言語体系ではない生物が人間とちゃんとコミュニケーションが取れてるってことにやたら感動してます。



他のねこさんもそうだと思いますが、ネネは、部屋の中やベランダで、ハエ、蚊、アリ、クモ、蝶、イモムシ、コガネムシ、そのほか小さい虫をみつけては追い回して、いたぶったり、時には食べてしまいますが、それらをすべて包括して、”むし”と我々が呼ぶことがわかっているようなのです。

私が虫をみつけると、『ネネ、ほら、おいで。虫だよ。』というとバタバタとすっ飛んできて、『どこどこ?』と探します。何の虫だかは予測もできないはずですが、必ず何かを見つけてゲットしてます。

おそらく、ネネ的には、小さくて動くモノすべてが”ムシ”という解釈となっているのでしょう。どんな形状・様態であれ、”ひっくるめて要するにムシ”ということを理解しているって、スゴイことだとおもいます。



そのほか、ねこにもプライドがあるんだなと思わせた場面があります。『ばあぁか!ばあぁか!』と憎憎しい表情で言ってみたところ、ものすごく緊張して毛並みが逆立ち、あとずさりして、キッと目をつりあげ私をにらみつけました。バカにしてるのがわかったのだと思います。
その後、悪いことをしたと思い、”猫なで声”でネネを呼び、キュンキュン抱きしめてしまいました。(--;

いつもせつないのが、『いってくるね』です。私が出勤するときに、ねねがものすごい表情でスネたり怒ったり、隠れたり、あたりのものに顔をこすりつけて悲しい表情をするのです。”演技する猫”でも書きましたが、ネネの反応には、『いっちゃうんだ・・・さびしいな。』という意思がありありと取れて、後ろ髪引かれて毎日胸キュンで辛いものがあります。ヒトにして3歳の知能の子にあたる猫を、ひとりぼっちの寂しい状態にさせるというのは、残酷なことなのかもしれませんね。



ねこは非常に観察力の高く、勘の良いどうぶつだと思います。
始終、聞き耳を立て、ヒトの挙動をすべてチェックしており、人間の表情と声のトーンで、今どういう状況かをパターン的に覚え、ヒトのことばと結び付けて己の行動を判断しているように思われます。

そのほかにも、ねこには不思議な感知能があるように思われます。
あるとき、私が大腸憩室炎を患い、激痛に悲鳴を上げながら寝ていました。ねねはいつもはかならず自分のねこまくらか、私の左脇を枕にして寝ているのに、なぜかその時ばかりは炎症している右側の横腹のあたりにぴったり寄り添って寝てくれていました。
ネコは習慣を大切にする動物で、一度決めた寝場所やポジション、行動のルーチンをなかなか変えないのですが、このときばかりは驚きました。

ネネは、朝7時前になると、あさごはんを知らせるためにドタバタと起こしにかかります。耳元での絶叫は当たり前、飛び蹴りや馬乗りの刑、顔の上にモフッと乗って窒息の刑などが待っているのですが、上記のように私の具合悪い日は、とても静かにして暴れたりしません。ねこは、常人以上に”空気が読める”ような気がしました。

私は実家でイヌもネコも飼っていましたが、イヌは賢いながらももっと単純明快で、それに比べてねこはまことに不可思議で神秘的な動物です。興味が尽きません。