代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

続・理系と政治について 

2009年09月15日 | 政治経済(日本)
 前の記事のコメント欄の議論が盛り上がりました。少し加筆いたします。「理系」の鳩山=菅体制に期待する私の論点に対しては、迎秀昌さんから、イギリスのサッチャーも理系(物理ではなく化学専門です)、ドイツのメルケルも理系(彼女は物理学者)という指摘をいただきました。この二人の事例を持ち出すまでもなく、確かに、「理系だから期待できる」というわけではないですね。

 保守党のサッチャー首相に関しては、強い意志と果敢なリーダーシップは評価できても、何せ「改革」の内容がひどすぎました。市場原理主義で金融だけを繁栄させながら、イギリスの製造業を片端から破滅に導いたわけですから・・・・。

 ただ、メルケル首相に関しては、保守政治家であっても、「小さな政府にして、市場に任せれば万事うまくいく」的な従来の単純な保守イデオロギーーの持ち主ではありません。彼女は、社民党と緑の党が進めた自然エネルギー振興策を受け継いで発展させています。未来志向のビジョンと戦略を持ち、政府の適切な産業政策と介入によって自動車に代わる基幹産業を建設しようとしています。政府の産業計画と市場経済を融合するという、非新古典派的な、いかにも理系らしい発想の政治ができる人だと思います。

 理系の視点から見れば、市場に任せた放任状態の中で、新しい技術革新とベンチャー投資によって新産業が自生するなんて、市場原理主義者が語る夢物語はチャンチャラ可笑しいのです。政府の長期的ビジョン、産業政策、そして適切なインセンティブの付与によって初めて「創造的破壊」は可能になるのです。
 
 日本では記憶に残るような理系のリーダーはあまり見当たりません。その中で、kaetzchenさんは、「独学で一級建築士を取って,自前の建設会社を立ち上げて,確かにお金に汚い部分はあったけれども,理想論に燃えていた田中角栄の「理科系」としての政治家像はもっと評価されてしかるべきです.」とのコメント下さいました。たしかに田中角栄は大学なんか出ていませんが、その明晰な頭脳、計画に裏打ちされた果敢な行動力は、模範的な「理系脳」の持ち主でしたね。日本の戦後史における特筆すべき「理系のリーダーシップ」の代表だと思います。

 さて、迎秀昌さんは、「オウム真理教の幹部に理系エリートがたくさんいた」(文系エリートもたくさんいましたが・・・)という耳の痛い話をされました。それに対し、自称「毒舌家」のkaetzchenさんは、理系エリートがカルトに洗脳される理由として、「西洋哲学の訓練を受けていない」ことが原因の一つという良識ある回答をしてくださいました。

 まったくその通りかと存じます。哲学もなく、文学や古典に親しむなどの文系的な素養が全くない理系オタクは、カルトに感染しやすいです。私の出身大学にはオウムにハマった理系学生が多かったので、その点はよ~く分かります。
 私の周囲を見回しても、高校時代に、文学や哲学に興味を持ち、「人間は何のための生きているのか」といった問題について深く思索して主体形成をしてきた学生は、カルトにはまるようなことはありませんでした。
 そういう思索をする余地も与えられず、本もろくに読まず、受験勉強で他人を蹴落として少しでも偏差値を上げることだけを目標としてきたような薄っぺらい人間は、大学に入ってから人生の目標を見失って漂流しがちです。そういう中から、カルトにはまったような人が出ました。自分が薄っぺらいのですが、薄っぺらいことを認めたくないので、何か「偉大なもの」にすがることによってプライドを保とうとするのでしょう。「新古典派」というカルトにはまるのも、同様な人々でした。ある意味、文科省の生み出した偏差値至上教育の犠牲者といえるのです。

 理系政治家としてあらまほしき像は、理系的素養の上に文系的感性が融合している人間なのでしょうか。
 実際、文系の素養を持たない理系エリートはろくなことをしません。どうせ専門家にしか分からないだろうと思ってウソの計算式を並べたて、ムダなダムを造り続ける国交省の技官たちなどその典型でしょう。彼らが技術者としてどれだけ優秀か知りませんが、国庫から法外な資金をむしり取って得意になり、国の財政状況も顧みることができないのなら、官僚として以前に、国民として失格です。広い一般教養と哲学が欠落しているから、このような犯罪的行為を繰り返すことに罪悪感を持たないのでしょう。
 
 しかしながら、国交省技官の行うような、予算を確保したいがために行われる水増し計算に基づく誤った施策に「ノー」を言うためにも、理系の素養が必要なのです。文系人間では、そういうウソを見抜き、論理的に反論することが難しいからです。「理系の毒は、理系をもって制すべし」と。ゆえに鳩山=菅体制に期待を持つのです。鳩山氏や菅氏に関しては、理系的素養の上に、文系的知識が融合していますので、「理系バカ」のやりそうな失敗は回避できるのではないでしょうか。

 また、先の記事でも語った経済学が数学を悪用して展開するウソを見破るためにも「理系的素養」が必要という論点にも加筆します。全米でベストセラーになったジョン・パーキンス『エコノミック・ヒットマン』(邦訳、東洋経済新報社)の一節を紹介しながら、この問題を考えたいと思います。

 ニクソン・ショック以降の米国は恒常的に貿易赤字をタレ流すことになりました。米国としては、そのままではドルの価値が暴落してしまうので、中東の産油国など貿易黒字国に米国債を買わせ、タレ流したドル紙幣を還流させ、そのドルを途上国にムリヤリにでも高利で貸し付け(これを「援助」と称した)、貧困国から金利所得を巻き上げる必要が発生しました。

 この、後に「帝国循環」と呼ばれる仕組みの構築に際してNSA(国家安全保障局)のスパイとして暗躍したジョン・パーキンス氏は、自らの懺悔の書(『エコノミック・ヒットマン』)において以下のように告白しています。

***ジョン・パーキンス(古川草秀子訳)『エコノミック・ヒットマン』東洋経済新報社:173頁より引用***

 ブルーノが、経済予測するための画期的なアイデアを考えついた。それは20世紀初頭のロシアの数学者マルコフの理論に基づいた計量経済学モデルだった。そのモデルは、経済の特定セクターに関する成長予測に、ある程度の主観的な可能性を織りこむものだった。莫大な借金を抱えてもあまりある利益を得られるのだという主張の根拠として利用するには、それは理想的な道具に思えた  
 (中略)
 私は彼とともに、マルコフ理論をインフラ投資が経済発展にもたらす影響を予測するための画期的な方法として提供する、一連の専門的な論文を作成した。
 それはまさにわれわれが求めているものだった。絶対に返済できないほどの金額を発展途上国が背負うのを手助けするのは、それらの国々のために尽力するのだと、科学的に「証明する」道具だ。そのうえ、高度な知識を持った計量経済学者でなければマルコフ理論の複雑さを理解したり、それがもたらす結果について質問したりすることはまず不可能だ。

****引用終わり*********


 「途上国を債務奴隷の罠に陥れるためのマルコフ理論」に関しては、そのモデルを作った本人がその邪悪な意図を暴露したので、参考になるでしょう。理系的素養のない途上国の事務官僚たちは、マンマとこの罠にはめられていったというわけです。

 パーキンス氏の場合、「成長予測に主観」を盛り込むというトンデモなことをやっているわけですが、論文の中に目立たないように巧妙に忍ばせ、あとはマルコフ理論の、シロートには絶対にわからない難解な数式のオンパレードで、途上国の文系官僚たちをケムにまいていったというわけです。こうして途上国の、現在に引き継がれる累積債務問題が生み出されました。

 「数学」は科学ではありません。それは単に、形式論理学の記号の集合に過ぎないのです。それは自然法則を記述するための「言語」として利用することはできます。しかし、数学そのものは科学ではない。
 数学のモデルをつくるためには、証明することが不可能であるが、とりあえず正しいと仮定するいくつかの命題を置かねばならない。これを「公理系」と呼びます。公理系を恣意的に設定しさえすれば、数学を使って、あらゆる「ウソ八百」を「証明」することは全く可能になるのです。恣意的仮定を、目立たぬようにどこかに忍ばせればよい。
 
 経済学モデルの場合ひどいことに、何が公理系かもハッキリさせることなく、およそ現実とはかけ離れた恣意的仮定をあっちこっちに忍ばせて、強引に、ある特定の利益グループのために都合のよい「命題」を、数学的に「証明」しています。新古典派のやっていることというのは、基本的にこういうことです。
 
 最近の金融工学にしたってそう。「数学悪用」の最たる事例です。金融工学はブラック・ショールズ微分方程式なんていう理論で、みなをケムに巻いて、厳密性を装っています。しかしそのモデルがいかに数学的に厳密に構築されていても、モデルの大前提に、「株や債券投資に対する収益の期待値が正規分布になる」なんていうトンデモな仮定が置かれているのです。実際には、この仮定がとてつもなく間違っているために、その後に続く「厳密な」数学的展開はすべて「虚構」なわけです。ゆえに、破裂するまで際限なくバブルを膨らませるという、今回のような事態を引き起こすわけです。


 アメリカ人の数学に対する崇拝は、ある種のビョーキです。彼らは、数式さえ用いていれば、それを「科学的」と錯覚するらしいのです。そういうのを「エセ科学」というのです。
 あそこまで単純に数学を崇拝するわりに、米国人に数学のセンスがあるのかというと、あまり感じられません。米国人の場合、できないが故の数学コンプレックスなんじゃないでしょうか。

 ・・・・・長くなりました。要するに、このような数学を悪用した日本の官僚や米国経済学の数々のウソに引っかかることなく、自らの政策を果敢に推し進めてもらうためにこそ、私は鳩山=菅の理系内閣に期待したいと思うのです。(もちろん裏切られる可能性はありますけどね(苦笑))
 

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10 コメント

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理系首相 (philnews)
2009-10-02 03:51:31
はじめまして。最近このブログを見つけ、興味深く拝読させていただいております。まだ、全部の記事は読めておりませんので、トンチンカンなコメントになるかもしれません。

鳩山理系首相誕生以来、たったの2週間でやったことといえば

ただでさえ成立の遅かった補正予算の凍結
為替介入はしないという口先介入
理論的裏づけのないモラトリアム
具体的方策はまだない温暖化ガス25%削減宣言
日銀を尊重することによる金融政策放棄

ではないでしょうか?

そもそもが「最大の景気回復策は政権交代だ」とのスローガンで、マニフェストには経済対策がほとんど記載されていないのが民主党でした。そして、いざ政権の座につくと、出てきたのは「子ども手当てで内需拡大」です。

オーソドックスなケインズ経済学に従えば、不況下で政府がとるべき政策は財政政策と金融政策。そしてこれは中央政府と日銀にしかできない、政府の一番大切な役割です。しかし、このどちらについても具体的政策を現段階で提示できていないのが「理系」鳩山首相ではないでしょうか?

おっしゃるとおり、鳩山首相はオペレーションリサーチの博士ですから、私も期待していたのですが、今の民主党は経済学的に見て、いや、算数のレベルでみて、不況を悪化させるような政策しか打ち出せていないと思います。
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Philnewsさま ()
2009-10-03 05:55:45
 はじめまして。フィリピン在住の方なのですね。私も昔はフィリピンにおりました。最近、遠ざかっておりますが・・・。マニラの洪水被害、恒例のことじゃないと思いきや、今年の被害は並大抵ではなかったようですね。犠牲者に心からお悔やみ申し上げます。

 鳩山政権は確かに、ケインズ政策観点からは今のところ評価できません。私はこのブログを始めてから一貫してコンクリート・ニューディールからエコロジカル・ニューディールへの転換を訴えてきました。

 鳩山政権に関しては、コンクリート行政への対抗という点で私は評価していますが、その代替として実施すべきグリーンなニューディールの全体像が見えません。

 私もちょっと前に書いた「民・社・国政権への要望」という記事で、子ども手当は批判し、それよりも保育園の増設(建設業界も潤う)や保育士の増加(フリーターの再チャレンジになる)など直接に雇用を生み出せるこ資金を使うべきと論じました。そっちの方がよほど内需拡大の近道です。

 菅サンの国家戦略局が本格的に動き出せば、実施すべき自然エネルギーやナノテクノロジーなど先端分野、そして医療、福祉、子育て面でのニューディールが立案されていくのではないかと期待はしています。この辺の中身のある政策立案に関しては、「オペレーション・リサーチ」の鳩山さんより、物理学の菅さんの方が得意でしょう。もう少し長い目で見守っていきましょう。
 
 亀井さんのモラトリアム方針は、私は基本的に支持します。いまのところ銀行=マスコミ連合からバッシングの嵐で、ああ、亀井さんかわいそう・・・と同情にたえません。
 当面、民間銀行を敵に回すよりも、効果的に中小企業を救うために、それこそ国家が持ち株管理する「郵貯」の資金を効果的に投じて、中小企業向けの融資機能を拡充して欲しいものです。
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Unknown (philnews)
2009-10-10 03:25:30
関さま

お返事ありがとうございました。レスが遅くなり申し訳ありません。

フィリピンでは台風16号に続く、台風17号による被害も大きく、特に17号では中部・北部ルソン地域で多くの地すべり、洪水が発生しております。日本でも2年ぶりに台風18号が上陸しましたね。大きな被害がなければよいのですが。

さて、こう大きな台風被害が続くと、もしかして関さまのおっしゃる正のフィードバック効果が現れる域に達してしまい、異常気象を巻き起こしているのではないかと心配になります。

どこか、フィリピンの近年の台風・気象に関するデータなどまとまっているサイトはご存知ありませんでしょうか?

温暖化、気象については全くの専門外ですので、検討がつきません。Pagasaのサイトは見てみましたが、2005年から08年までのTrack図くらいしか見つけられませんでした。

まあ、こうして大きな災害の直後に異常気象ではないか?と心配してしまう心理こそが「錯覚」なのだとは思いますが。なにしろ、これが錯覚でなければ手遅れなわけで。

>>亀井さんのモラトリアム

これに関しては、実は金融モラトリアムなんてやらなくても、現存する中小企業信用保証制度や、日銀の企業金融支援特別オペの拡大で対応可能だと思われます。その上、中小企業融資は主に信用金庫等の小さな金融機関が行っていますが、先日の朝日新聞の記事にあったように、信用金庫は現状でも「赤字」を出していますので、法律の趣旨とは反対に、貸しはがし、貸し渋りを加速させる可能性が高いと思われます。

金融モラトリアムは政治家によくある、現存する制度の拡充でなく、自分のリーダーシップで新しい制度を作りたいという自己顕示欲なのかなあと。

但し、閣僚の中で亀井氏は経済のよくわかった方ですので、亀井氏の活躍には期待しています。
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台風17号の停滞による被害その他 (kaetzchen)
2009-10-13 22:36:47
philnews さま,初めまして.経済学とは畑が全く異なる,生物系の kaetzchen です.しばらくこちらを覗いてなくてすみませんでした.

今回の台風17号はほとんど報道されていませんでしたけど,ずっと一週間以上マニラ首都圏付近に停滞し続けていたので,被害のほどは凄まじい事態ではないかと心配しております.私も身体が丈夫ならば,と悔しがっています.

あいにく,フィリピンの気象関係のデータベースはあるにはあるのですけど,米軍のサイトなので実は覗いたことはありません.民間や大学にはあるのか,ちょっと思いつきません.すみません.

そういえば,今日,山口県でも3つの信用金庫が合併して,西中国信用金庫ができましたね.http://www.nishichugoku.co.jp/ 西中国信用金庫というのは元々は下関市の彦島 (関門鉄道トンネルの入口) の町金が起源だそうです.合併したことで,国や日銀からの金融支援を得るのが目的なんでしょう.

そうそう,メルケル女史は東独の出身者でして,それゆえ壁崩壊前から CDU に近い思想を持っていたのだと考えられます.ドイツにおけるトルコ人・ユーゴ人労働者や東独出身者の失業問題はこれからも難問山積かと思われます.
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ちょっと加筆しますと (kaetzchen)
2009-10-13 23:57:43
ドイツの die Gruene は西と東とでは多少起源が異なります.

それから,CDU Christlich-Demokratische Union Deutschland は基本的にプロテスタントの保守政党です.反対に連立を組んでいる CSU Christlich-Soziale Union はカトリックの保守政党で,だから CSU はバイエルンに本拠を置いているのです.

また,東ドイツは全土がプロテスタントだったので SED Sozialistische Einheitspartei Deutschlands から CDU へ乗り換える人が多かったということになります.メルケル女史も恐らく SED の党員から CDU の党員へ移ったという感じじゃないでしょうか.
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Unknown (apeescape)
2009-10-14 11:51:57
僕も理系の事を書こうとしてたんで賛同してる人がいて嬉しいです。僕も理系で、鳩山さん、etc.が理系って分かった時は少なかれほっとした部分がありました。

日本のテレビで中国人コメンテーターを観てて良く気づくのが、いつも三歩下がった見方をする。例えば「中国人はみんな失礼なんじゃ!」という批判に「中国人は1億人以上居ます。あなたが出会ったのはその中の何分の一!?」。責任を逃れてる部分もあるが、あれって統計学的思考ですよね(笑)。なんと言うかいい意味でも悪い意味でも頑固になるのが理系なんでしょうか。

どっかのスレからの引用です:

昭和天皇:生物学者。第124代天皇。
今上天皇:魚類学者。第125代天皇。
吉田茂:東京物理学校(現・東京理科大学)中退。元首相。
田中角栄:中央工学校土木科卒。建築技師。元首相。
鳩山由紀夫:東大工学部卒。スタンフォード大Ph.D.。次期首相。

胡錦濤:清華大学水力エンジニアリング学部卒。技師。中国主席。
温家宝:中国地質大学卒。地質学者。中国首相。
李登輝:京大農学部、台湾大農学部を経てコーネル大学で博士号取得(農業経済学)。台湾元総統。

ハイム・ヴァイツマン:フリブルク大学で博士課程修了(有機化学)。バクテリア発酵法を開発。イスラエル初代大統領。
ヤーセル・アラファート:カイロ大学で工学を学ぶ。パレスチナ自治政府初代大統領。

ハーバート・クラーク・フーヴァー:地質学を勉強してスタンフォード大学卒業。工学者。アメリカ元大統領。
ジミー・カーター:ジョージア工科大学を経て海軍兵学校卒。理学士。合衆国元大統領。

マーガレット・サッチャー:オックスフォード大学卒(化学)。コロイド研究者。英国元首相。

アンゲラ・メルケル:ライプツィヒ大学卒(物理)。分析化学者。ドイツ首相。
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「殿様生物学」「宮様生物学」という言葉がありまして (kaetzchen)
2009-10-15 21:37:19
昔から,ご飯が食べられない「分類学」というのはお殿様だとか,御所の貴賓な方々という,半分イヤミを込めた言い方があるんです(笑)

# 昔,朝日ジャーナルに連載されてましたので,大学図書館あたりで検索されて下さい.

私の知っている植物分類学者も理学博士取ったあと,文化人類学へ転向しました.女性だから非常勤講師でしか植物分類学を講義させてもらえないとか言って,愚痴られた経験があります.
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Philnewsさま ()
2009-10-16 11:20:29
 返信遅れて申し訳ございませんでした。近年、台風、ハリケーン、サイクロンは統計的に明らかに強大化傾向にあり、IPCCの第四次レポートでは、地球温暖化の影響である可能性が大きいと論じています。
 ただしフィリピン政府がそうした研究報告をしたのを、私も見たことがありません。Pagasaは気象データを集めるばかりで、ちゃんとした研究分析はしていないのではないでしょうか。
 
 そういえば、先日の台風の際、日本の融資で完成したサンロケダムが緊急放流し、その放流が原因で洪水が起こり多数の死者が出たそうですね。ダムはじつは大洪水には対処できず、逆に災害を大きくしてしまいます。
 地元の先住民族のイバロイの人々は大反対したのに、押し切って建設されたダムでした。痛ましい限りです。

 金融に関しては、中小企業もつぶさない、地方の信用金庫もつぶさないという方向で亀井さんにがんばってほしいものです。亀井さんは、大手の都市銀行の横暴には毅然とした態度で臨むでしょうが、地方の信用金庫を破たんに追い込むようなことはしないでしょう。
 
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apeescapeさま、kaetzchenさま ()
2009-10-16 11:28:08
 コメントありがとうございました。引き続き、理系の視点が日本の政策形成に反映されるよう、声を大にして訴えてまいりましょう。
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Unknown (philnews)
2009-10-17 08:09:44
kaetzchenさま

貴重な情報ありがとうございました。米軍のサイトですか・・・また、自分でも探してみたいと思います。


関さま

お返事ありがとうございます。

>近年、台風、ハリケーン、サイクロン
>は統計的に明らかに強大化傾向

統計的に有意なほどに強大化傾向がありますか。環境・災害対策を本格的に進めないといけませんね。

フィリピンについての研究がないというのは残念です。やはり、雨量計や水位計のような基礎的なデータをとる設備さえ整っていない国ですから、難しいのかもしれません。

>サンロケダムが緊急放流し、その放流
>が原因で洪水が起こり多数の死者が出
>たそうですね。

洪水調節を目的としていながら、全く役に立たないどころか、むしろ、洪水被害を拡大させたことに対して激しい憤りを感じます。

また、このことを伝える日本のメディアが皆無であること、また、台風16号および17号の甚大な被害に対して、フィリピン研究者の方々が全く無関心なことも同じく憤りを感じます。研究者の方々にとっては、現地の人々の生活などどうでもよいのでしょうか?
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