代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

【紹介】建築ジャーナル5月号「堤防はなぜ決壊したか」

2020年05月08日 | 治水と緑のダム
現在発売中の『建築ジャーナル』5月号で昨年の台風19号水害で「堤防はなぜ決壊したか」という特集が組まれています。堤防はなぜ決壊するのか、それはダムとスーパー堤防に予算を流し込むためだ、とこのブログで論じてきました。なぜ140カ所も破堤したのか、ダムではなく堤防の強化に予算を使えばそもそも140カ所も破堤することはなかったはずです。もう一つ、水害についてスーパー堤防を推進する現行計画の問題点を指摘した論文を紹介させていただきます。国立国会図書館の国土交通調査員の専門家による論文です。 . . . 本文を読む
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日本は第二次大戦突入まで江戸文明の遺産で食っていた

2020年05月06日 | 歴史
日本の近代化を支え続けた、生糸の技術は江戸文明の遺産であり、日本は太平用戦争に突入する直前まで、江戸の遺産で食っていたと言えるのです。来年の大河ドラマの主人公である日本資本主義の父と呼ばれる渋沢栄一は官営の富岡製糸工場の設立などに尽力しました。しかし、これは従来の「家内制手工業」から規模の経済効果を働かせる「工場制工業」へと転換させる契機になりましたが、そこで生産される生糸の品質は変ったわけではなく、国際社会で高い評価を受けていた生糸の質そのものは江戸の技術です。ちなみに言えば、渋沢栄一も、もともと深谷の百姓で幕臣に取り立てられて、公費で海外留学までさせてもらっていた徳川政権の人間です。近代的工場制度まで徳川政権の遺産と言えるでしょう。 . . . 本文を読む
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蚕と日本語学習と松平忠固

2020年05月03日 | 歴史
 昨日(2020年5月2日)の『日本経済新聞』の書評欄で小川誉子美著『蚕と戦争と日本語』(ひつじ書房)が紹介されていた。私もこの本は非常に重要だと思ったので、少し紹介させていただきたい。    この本で提示された諸命題の中で、もっとも刺激的なのは、幕末から明治初頭の欧州で日本語の学習熱が高まった背景は、日本の進んだ養蚕技術を学ぶためだった、というものであろう。  同書の帯に「なぜ日本語を学ぶの . . . 本文を読む
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惨事便乗型資本主義を終わらせよう コロナ禍の中での種苗法? 

2020年05月02日 | 政治経済(日本)
新自由主義的価値観で、日本の伝統を、根こそぎ破壊するのが、「保守」とか「右派」とか名乗る政権のすることなのでしょうか? 神武天皇(仮にいたとして)以前から行われてきた日本列島の伝統を根こそぎ破壊しようというのです。  新嘗祭から何から稲作にかかわる皇室行事も、皇居で継承されている自家採種の種もみで行われています。まず安倍は、天皇に向かって、自家採種を止めるように、新嘗祭もアメリカからの輸入米で行うようにと要求すべきでしょう。 . . . 本文を読む
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