虹はポケットの中に

再スタート
何度でも生まれ変わる
自分の音を探す旅

あとがき

2012-02-23 20:36:30 | 日記
読んでいただきありがとうございました
進歩の無い、散漫な文章とストーリーになってしまいましたが
終われてよかったよかった

感想、コメント等、激しく熱望しております
よろしくおねがいします

      辯久(ペンネームです)

ライク・ア・サブタレイニアンズ33最終回です

2012-02-23 19:57:15 | 日記
ある程度の時間が経ち、痛みも和らいだ頃、ボクはS市に戻った
けれど、雪音の居場所はわからずじまいだった
ちょうど、3年が経とうとしていた「再会の約束」は、反故になったようだ
それでいい、ボクはようやく独りで歩くことに慣れてきたようだ
となりに雪音が歩いていないことにも
落ち着くと、気持ちの穴が気になり始めた何年経っても、これを埋める手段は
見つけられなかった 気持ちをごまかしながらボクはまた、クラブ通いをし出した
以前のように、レコードを回し、飲み、語り何もかもが元に戻ったような
錯覚さえ覚えた
今日もまたボクは地下への階段を下り、怪しげなロック談義を繰り広げるために、
地下街の人々、すなわち、サブタレイニアンズになるのだ
階段を降り、エントランスの重たいドアを開けて入ると、いつもの顔たちが
「ミノルさん、久々だねぇ、今日もかっこいいの聴かせてね」
・・・・元通り?いや、そんなはずはないすると、ミチオが言った「今日は珍しい人が来てるよ」と、
奥の方のソファーを指差した ボクは完全に固っってしまった
そのソファーには雪音が座っていたから
動転しながらもゆっくりと奥のソファーまで歩いて行った、雪音と眼が合う
「久しぶりだね、」先に口を開いたのは雪音だった「あ、あぁ」と、ボクは、しどろもどろ答えた
眼で合図されたので、雪音のとなりに腰を下ろした「つんつん」って言いながら雪音がボクの肩をつついた
「何?」「あのね・・・・あれからたいへんだったの・・・」「ミノルさんがいないと」って
思った時にはもう遅かったんだよ「うん・・・」!!!突然ブースから、ラウドなプッシーガロアの曲が
爆音で流れたクラブの照明は、めいっぱい落ちていて暗かった雪音が急にボクの横にくっついてきた
「なんだよ、押すなよ」ってちょっと怒ってみた時に、耳元で雪音が言った
「ねえ、いちゃいちゃしよっか?」(爆)  FIN・・・・

ライク・ア・サブタレイニアンズ32

2012-02-23 19:19:54 | 日記
それで、何かが振っ切れたんだとおもう
まるでミステリーの最後に種明かしをされたみたいだった
全ての謎が(そんなものは無いのだが)解けたように
ボクは軽くなった
でも、今まで気付けずにいた自分へのふがいなさみたいなものは
ずっと消えなかったけどね
そうだよ、ボクたちはそれぞれ独りで行かなくちゃならないんだね
雪音、そうだろ?そこからボクはゆっくりと足を踏み出し始めたのだ

人間って冷酷な生き物だなって思った
日毎に雪音のことを考える時間が、明らかに少なくなってきている
「そんなことないよ」ってその時側にいて言ってくれたりしたら、
ボクはきっと浮かび上がれなかっただろう

独りで歩き、全ての痛みを受け入れることでボクは、
雪音を忘れて行こうとしていたのかもしれない
痛かったさ、痛かったよ
照れながら顔を真っ赤にしてボクに告白した雪音・・・
感情を表すのが下手で、嬉しいときには「やった、やった、」って
ぴょんぴょんとぶようにしていた雪音・・
仕事の「たいへん」が溜まると「ミノルさん、泣いてもいい?」って言って
ボクの胸にしがみついて泣いていた雪音・・・・
初デートの時に履き慣れないパンプスで、おしゃれして来てくれた雪音・・・・
全てが「今」のように思えてならなかった
そしてボクは独りきりでただ泣いた
胸の中での雪音はいつも笑っていた

ライク・ア・サブタレイニアンズ31

2012-02-23 16:32:36 | 日記
その、終わりを告げた、雪音の電話の後、数日後、雪音からメールが届いた
添え付けられた画像があった
それは、「幻日環」の写真だった
「幻日環」、つまり、太陽の周りに虹が円を描く、現象である
その時は「ふぅ~ん、こんなことあるんだな」なんて
呑気に見ていたんだ
メールには「太陽の周りに虹が円を描いたよ・・・・・もう、戻れないんだ」
というような内容だった
ボクはまだ、ほんとは納得していなかったし、また元の関係に戻れるものだと
根拠も無く、信じていた
いつかきっとまた、雪音と暮らせるという妙な確信を持っていたから

気持ちが揺れる度に、「もう、自分の中では決着をつけたんだ」って
何度も言い聞かせていた
何か決定的な出来事(例えば浮気とか)があった訳ではなく、
理解できないままで終わってしまったように思ってたからね
でもね、時々(ごく、たまにだが)メールが来たりすると、

だめだった
必死に自分を奮い立たせていたのだがボクはその度に、
ガラガラと崩れ落ちて行き、それを立て直すことの
繰り返しも続いた
ある日、何気に携帯の写真をパソコンに送信して、保存していたんだ
もちろん、その「幻日環」も送った
すると、操作しているうちに幻日環のファイル名が表示されたボクは愕然とした
ファイル名「さようならの虹jpg.ボクはすべてを悟った気がした
「・・・・そうだったのか・・・・」雪音は始めから決着をつけていたんだ
途端に、その画像を雪音を想いながら何度も眺めていた自分の、間抜けさ加減が露呈した
何もかもいやになった