実は私、大学生時代弓道部で日置流という流派でした。
「標的」
ある貴族が家来とともに森の中でハンティングをしていて、一本の木のところにやってきた。
木にはいたるところに矢の標的が描かれていて、しかも、どの標的にもど真ん中に矢が突き刺さっていた。
「すごい腕前だな。この射手に会いたいものだな」貴族は感嘆した。
森をさらに数マイル進んでいくと、弓矢を持った小さな少年と出会った。
少年は、標的のど真ん中に矢を射たことをしぶしぶ認めた。
「お前は標的まで歩いていって、ハンマーで矢を標的に打ち込んだのではないだろうね」貴族は
すこし懐疑的に尋ねた。
「いいえ、陛下。私は100歩離れたところから矢を射ました。神に誓ってウソは言いません」
「まことに驚くべきことじゃ。褒美をとらせる。その代わりに、どうやって的の真ん中に矢を射ることが
できるのか教えてくれ」
少年は答えた。
「まず木に向かって矢を射ます。それから矢の周りに標的を描くのです」