パズーとシータの夫婦は11人の子供をもうけたが、
彼は4番目のムスカだけが他の兄弟姉妹たちとどこか違うように思えてならなかった。
そこで、彼は妻に問いただした。
「もしかしたら、ムスカだけ他の子たちと父親が違うんじゃないのか?」
するとシータはうなだれて言った。
「実は....そうなの。ムスカだけは他の子供たちと父親が違うの」
パズーは落胆して頭を抱え、しばらくしてから再び尋ねた。
「ムスカの父親は誰なんだ?」
シータは夫をまっすぐに見返して答えた。
「あなたの親友のシャルルなの。....ごめんなさい、あなた」
そういうとシータは泣き出した。
パズーは妻の肩を優しく抱いて言った。
「シータ、愛しているよ。たった1回の過ちなんて2人で忘れてしまおう」
その言葉にシータはいっそう激しく泣き出した。
「....1回じゃないの」