ある日、何かの用事で執務室に入ってきた側近に向かってブレジネフが声をかけた。
「君、私の新しい著書は、もう読んだかね?」
すると側近はぎくりとし、後ずさりしながら答えた
「もちろんですよ、同志書記長。すばらしい傑作でした!」
「おいおい君、なぜそう後ずさりするのだね?」
「いえ、あの本についてお話ししたら、部屋に戻ってもう一度読み返したくなりまして。
本当に傑作ですよ、同志書記長」
側近はそう言って、逃げ出すように部屋を出ていった。
ブレジネフはひとりになると、書棚にある自分の著書を眺めてつぶやいた。
「誰に聞いても傑作だというから、私も読んでおこうかな」
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