天文学者を悩ませていた謎の電波シグナル。その発信源は意外なものだった。
望遠鏡で検出される強烈な電波バーストは、異星人からの暗号通信であるかのような、ときおり謎めいた天文学的現象の様相を呈することがある。
数年もの間、オーストラリアにあるパークス天文台の天文学者たちは、宇宙の奥深くから放射されているかのようにも見える、短いが、強烈な”ペリュトン”という正体不明の電波シグナルに困惑してきた。
地球内部の異星人がシグナルを送っているのだろうか?そんなワクワクな期待を込めながら、その発信源を探ろうと、天文学者エミリー・ペトロフは天文台の望遠鏡にリアルタイム電波干渉計を取り付けることにした。
その結果、発信源はなんと・・・
この電波は単一ではなく、複数の視野に現れることから、割と身近な場所から発信されていることはわかっていた。 今年1月、望遠鏡が3つのシグナルを検出した。干渉計も3つの同時干渉の痕跡を捉えていた。そしてついに、その発信源が突き止められた。
問題の干渉周波数は、なんと電子レンジから発せられたものだったのだ。
調査チームはそれを検証するため、タイマーが鳴る前に電子レンジの扉を開けたところ、意図的にペリュトンを作り出せることを発見した。
天文学上のワクワクロマンなミステリーの答えはちょっと拍子抜けな結果となってしまった。つまり、電子レンジで温める時間を設定したものの、チンとなる前に取り出しちゃったせっかちな職員によるものだったのだ。
チンとなる前に電子レンジの扉を開けた場合、内蔵されたマグネトロンはまだ完全に停止していない。そのため、電波が部屋に放出されるのだ。
いやでもまだ、地球内部の異星人がシグナルを送っているという可能性もほんの少しは残されているが、あまり期待はしない方がいいだろう。どちらかというと、電子レンジ内に異星人が住んでいる見込みのほうがまだ高そうだ。チンと鳴る前に開けるとぶわーんと飛び出る異星人とか、ちょっと面白そう。
via:phenomena・原文翻訳:hiroching