ある日の細切れ視聴、録画「イン・ハー・シューズ」のディクレシアが、ソニー&シェールが、だれかとだれかがつながっているか今にもつながろうとしているかなのが細切れ1Q84の断片に分け入った。膨大な中の一つ二つの共通、小さな偶然が、たまたま当日遭った三々五々を結びたがる癖を呼ぶ。
何によらず、普通ではないことをすれば必ず誰かは腹を立てるとタマルは言う。閉ざされた開扉のうちそとでこどもたちがそれぞれに立てた腹を畳み溶かす。誰もが匿うかのような傷について説教するつもりを本も映画も見せてはならない。
無駄なもの無駄なことがないことを好ましくとらえる小説家がいて、その描写にセンスのよさが窺い知れるとされている。どう描いていようがそのあとに彼がひとこと 無駄も隙もないという意を付け足したものは既に完全体である。作文はかくあるべきということだろう。無駄というものやことをもともと意識し得ず、かつ過不足がないという再認識を提示する。
ヒロインらにとっても読者にとってもエンディングはどうでもよいように成り立たせられていた。