噂は聞いていた。
彼女とボクの親友が付き合っていると。
有り得ない話ではなかった。
だって、ボクは告白していなかったのだから。
解らなかったのだ。
先に進んで良いのか、このままが良いのか。
気付けなかったのだ。
彼女の本当の心に、自分自身の本当の想いに。
そうしているうちに、気付いてしまった。
噂が本当だったことを。
ボクは、笑って「よかったね。」としか言えなかった。
その日から、ボクの気持ちは、宙ぶらりんになった。
その事は、誰にも気付かれぬようにしていた。
その事は、自分ですら忘れるようにしていた。
表面上は、うまくいっているように見えた。
だけど・・・本当は・・・。
クルシクテ クルシクテ クルシクテ クルシクテ クルシクテ クルシクテ ・・・
良く晴れたその日。
ボクは彼女を屋上に呼び出して、全てを打ち明けた。
想いの丈を吐き出した。
何かを変えようとか、何かにすがろうとか、何かを壊そうとか
そんな事は考えてもいなかった。
ただ。
宙ぶらりんになったボクの気持ちを。
クルシクテセツナイボクの気持ちを。
解き放ちたかっただけ。
「ごめんね。」
最後にボクは、彼女に謝った。
だって、これは愛の告白でも何でもなくて、
ボクの単なるわがままなのが、解っていたから。
その後、彼女がボクに何かを言ってくれたけど。
もう、ボクにはその言葉は聞こえなかった。
そして、僕らは手を振って別れた。
高校最後の夏の終わりの日。
哀しいとか寂しいとかは、全くなかった。
ボクのココロは真っ白になった。
~ Fin ~
※このお話は、フィクションです。
続きのような、彼女からの反撃のようなものです。
この「ボク」、いぢめたくなってしまいました。スミマセン…。
自分でわかってるみたいだけど、その通り、勝手だよお!
男性の場合、こういう告白って普通なんでしょか。
あたってくだけろとかいう言葉もあったけれど、くだけるために告白するみたいだなぁ、と思いましたよ。
拝読しました。
本当の意味でけじめを付ける、というのをまだ「ボク」は解っていないんですね。
「ほうら、砕け散っちゃったよ。
格好良いでしょ?」
そういう裏返しのアピールでも有るんだと思います。
本当に人を思いやって「けじめを付ける」というのは、どういう事なのか、「ボク」が解るには、もう少し「時間」と「経験」が必要でした。
あ、いや、フィクションですけどね。
後ほど、そちらにも米入れに伺います。