不条理み○きー

当面、きまぐれ一言法師です

「セツナイキモチ」

2005年09月15日 00時47分01秒 | Story


 噂は聞いていた。
 彼女とボクの親友が付き合っていると。

 有り得ない話ではなかった。
 だって、ボクは告白していなかったのだから。

 解らなかったのだ。
 先に進んで良いのか、このままが良いのか。
 気付けなかったのだ。
 彼女の本当の心に、自分自身の本当の想いに。

 そうしているうちに、気付いてしまった。
 噂が本当だったことを。

 ボクは、笑って「よかったね。」としか言えなかった。

 その日から、ボクの気持ちは、宙ぶらりんになった。

 その事は、誰にも気付かれぬようにしていた。
 その事は、自分ですら忘れるようにしていた。

 表面上は、うまくいっているように見えた。
 だけど・・・本当は・・・。

 クルシクテ クルシクテ クルシクテ クルシクテ クルシクテ クルシクテ ・・・

 良く晴れたその日。
 ボクは彼女を屋上に呼び出して、全てを打ち明けた。
 想いの丈を吐き出した。

 何かを変えようとか、何かにすがろうとか、何かを壊そうとか
 そんな事は考えてもいなかった。

 ただ。

 宙ぶらりんになったボクの気持ちを。
 クルシクテセツナイボクの気持ちを。

 解き放ちたかっただけ。

「ごめんね。」
 最後にボクは、彼女に謝った。
 だって、これは愛の告白でも何でもなくて、
 ボクの単なるわがままなのが、解っていたから。

 その後、彼女がボクに何かを言ってくれたけど。
 もう、ボクにはその言葉は聞こえなかった。
 そして、僕らは手を振って別れた。

 高校最後の夏の終わりの日。
 哀しいとか寂しいとかは、全くなかった。
 ボクのココロは真っ白になった。

~ Fin ~

※このお話は、フィクションです。

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2 コメント

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続き書いてしまいました (かなこ)
2005-09-17 11:39:51
つたないものですが、

続きのような、彼女からの反撃のようなものです。



この「ボク」、いぢめたくなってしまいました。スミマセン…。

自分でわかってるみたいだけど、その通り、勝手だよお!



男性の場合、こういう告白って普通なんでしょか。

あたってくだけろとかいう言葉もあったけれど、くだけるために告白するみたいだなぁ、と思いましたよ。

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ありがとうございます! (ぷよぱぱ)
2005-09-18 09:06:32
★かなこさん

 拝読しました。

 本当の意味でけじめを付ける、というのをまだ「ボク」は解っていないんですね。

「ほうら、砕け散っちゃったよ。

 格好良いでしょ?」

 そういう裏返しのアピールでも有るんだと思います。

 本当に人を思いやって「けじめを付ける」というのは、どういう事なのか、「ボク」が解るには、もう少し「時間」と「経験」が必要でした。



 あ、いや、フィクションですけどね。



 後ほど、そちらにも米入れに伺います。
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