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 インフルエンザA(いわゆる「新型インフルエンザ」)は、季節性のインフルエンザと同じような流行の経過を辿るとするならば、まだ本格的流行期には入っていません。2008年~2009年のインフルエンザA型は第48週(12月初め頃)から急激に感染者(検出報告数)が増加しました。2007年~2008年はそれよりも1か月ほど早く始まり、第44週あたりから急激に増加し始めました。

 A型のインフルエンザに感染するリスクが日を追うごとに高まって行きますが、感染したときに備えて心の準備をしておきたいと思います。インフルエンザに感染するとどのような経過を辿るかを考えてみました。

 発症初日 … 突然の頭痛に高熱が伴う(38.8℃)。喉も痛い。腹痛、下痢、吐き気などの症状はない。

 ※ 「多くは突然の高熱で発症しているが、中には急性呼吸器症状や腹部症状を前駆症状として数日後に高熱を発する患者も認められた。季節性インフルエンザでもそのような経過を認めることがあり、今回の新型インフルエンザでもこれと同様に様々な病態をとる可能性があることを示しているものと考える。」(「新型インフルエンザの大阪府下の2つの学校における臨床像」から。国立感染症研究所感染症情報センター、大阪府)

 ※ 「38℃以上の発熱は82.8%、咳は81.0%、熱感71.2%、咽頭痛65.1%、鼻汁・鼻閉60.3%、全身倦怠感58.1%、頭痛50.0%、下痢12.9%、腹痛10.3%、嘔吐6.5%であった。発熱および急性呼吸器症状のうちの咳、熱感・悪寒の割合は比較的高い。また、今回の調査においては、下痢、腹痛、嘔吐等の腹部症状は、これまで他で報告されていたものよりは低い印象がある。

 発症2日め … 熱が下がらず(38.6℃)、受診。簡易検査により、インフルエンザA型との診断される。抗インフルエンザウイルス薬「リレンザ」、喉の痛みをとる「トランサミン」、咳を抑え、痰を切れやすくする「レスプレン」、鎮痛剤の「カロナール」が5日分処方される。リレンザを吸入し、薬を飲むが、食欲がなく、吐き気を感じ始める。リレンザ服用するもすぐに熱の下がることはなかった。

 ※ 「入院患者のみの調査であるが、全例が抗インフルエンザウイルス薬を投与された。18名のうち12名がリン酸オセルタミビル(製品名「タミフル」)を、6名がザナミビル(製品名「リレンザ」)を処方されていた。異常行動や意識障害をきたした症例はなく、抗インフルエンザウイルス薬を投薬後比較的速やかに解熱等諸症状の改善を認めていた。」(大阪府茨木市内にある関西大倉高等学校・中学校の生徒1934名、職員143名において、2009年5月19日までに新型インフルエンザと確定診断された64名に対して行った調査。18名の入院患者、46名の自宅療養患者)

 ※ トラネキサム酸(製品名「トランサミン」)は、「抗プラスミン薬」と呼ばれていて、「プラスミン」という血液を溶かす物質の働きを抑えて、炎症反応を緩和します。血液が溶けにくくなるので、血栓性の病気のある人(心筋梗塞、脳血栓、血栓性静脈炎など)には慎重に用いる必要があります。 安全性が高く、副作用はほとんどありませんが、「食欲不振、吐き気」が生じることがあります。

 ※ 塩酸エプラジノン(製品名「レスプレン」)は、気管支の分泌物の量を増し、痰を薄めて、吐き出しやすくします。咳を起こさせる脳の咳反射中枢に作用して、咳を止める作用もあります。安全性は高いのですが、副作用として、「吐き気、食欲不振、下痢」などが生じることがあります。咳は、気道の異物を排出させようとする身体の防御システムです。痰を伴う咳を無理に止めることは、必ずしも好ましくありません。痰が溜まり、かえって症状を悪化させるおそれがあるからです。しかし、咳は安眠を妨げ、体力を消耗させます。そのため、鎮咳、去痰剤が必要となります。

 ※ アセトアミノフェン(製品名「カロナール」)は、皮膚の血管を広げて熱を放散させる作用(解熱作用)と痛みの感受性を低下させる作用(鎮痛作用)があります。安全性が高く、副作用はほとんどありませんが、「吐き気、食欲不振、下痢」などが生じることがあります。インフルエンザなどウイルス性の感染症において、発熱や喉の腫れは、身体の防御システムが働いているためであって、むやみに熱を下げればよいというものではありません。アセトアミノフェンは、作用の穏やかな解熱鎮痛薬で、服用の目安は一般的には38.5度以上となっています。

 発症3日め … 症状に変化はなく、高熱が続く(38℃~39℃)。熱があるけれど、それほど身体が痛いという感じはしない。

 ※ 全身倦怠感58.1%、関節痛32.3%、筋肉痛17.7%と、全身倦怠感は2人に1人以上は感じていますが、関節痛は3人に1人ほどで、新型インフルエンザに特徴的な症状とは言い難い。

 発症4日め … 熱が下がり始める(37.4℃)。喉の痛みと鼻がつまった感じは解消しない。
 
※ 咽頭痛(喉が痛い)65.1%、鼻汁・鼻閉(鼻水が出る・鼻がつまる)60.3%

 発症5日め … 熱は下がる(36.4℃)が、喉の痛みで食欲がない。唾を飲み込むのが痛い。

 発症6日め … 熱が下がっても、2日間は外出禁止の指示が出ている。喉は依然痛い。

 感染すると、個人差は大きくありますが、1週間ほどは快復までにかかるようです。肺炎や心筋炎といった重篤な症状に発展させないように、十分に気をつけたいものです。新型インフルエンザに感染すると、免疫システムが弱くなるので、いったん回復に向かってから、再び高熱が出る場合には合併症の可能性があり、すぐに病院に行く必要があるようです。

(参考) 「2011/12シーズンのインフルエンザはA香港型(A型)が主流。その症状は?

 アメリカ疾病対策センター(CDC)が公表した、新型インフルエンザで死亡した子供に関する分析結果によると、18歳未満の死亡者36人について事例では、何らかの重い持病を抱える子供は全体の67%だったそうです。亡くなった子供の3人に2人はいわゆる「ハイリスク群」だったことになります。それは反面、亡くなった子供の3人に1人は「非ハイリスク群」だったということです。基礎疾患のない子供でも重症化するケースが出ているのですから、病中の経過には十分に注意をする必要があります。呼吸が非常に苦しそうに見えるときは要注意のようです。

 2009年9月24日配信の産経新聞です。

 大阪府は9月23日、新型インフルエンザに感染した同府岸和田市の女性(70)がインフルエンザ肺炎で死亡したと発表した。国内の死者は疑い例を含めて19人目で、大阪府では2人目。女性は糖尿病と高血圧、白血病の基礎疾患(持病)があり、大阪府は「基礎疾患があり、重症化した事例とみられる」としている。
 大阪府によると、女性は13日にせきの症状を訴え始め、14日に医療機関を受診。15日に肺炎の疑いが出て別の病院に入院した。38度の発熱があり簡易検査でA型陽性と判明したため、タミフルの投与を受け、集中治療室で人工呼吸器を付けて治療を受けた。16日には大阪府立公衆衛生研究所での詳細(PCR)検査で新型インフルエンザの感染が確定し、引き続き集中治療室で治療を受けていたが、23日夜に死亡した。


           (この項 健人のパパ)

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