元町の夕暮れ ~万年筆店店主のブログ~

Pen and message.店主吉宗史博の日常のこと。思ったことなど。

商売の勝敗

2016-09-13 | 仕事について

10年も同じ仕事の仕方が通用するとは思っていない。仕事の賞味期限は私たちが若い頃よりも短くなっています。
それに気付いたことは良かったけれど、ある意味不幸なのかもしれません。

長く続いてくることができたからといって、軌道に乗ったとか、安泰だと思えることは絶対にないからです。

キャリアが長くなればなるほど、自分の古い考えや思い込みと、時流との距離ができてきます。

長く続けられる人というのは今まで自分がやってきたことを全て捨て去ることができる人、完璧に容赦ない自己否定ができる人ではないか、そして冷静に世の中を見て時流を読める人ではないかと思います。

だからと言って、世の中の状況、多くの人の好む方向にその都度流れたり、自分のやりたくないことをするのは面白くない。

やりたいと思っていることを時流に合わせてコーディネートしていくことが、小さな商店の経営者に求められることなのかもしれない。

私たちはどうしても齢をとります。

20代、30代で吸収したものを40代でテクニックを駆使して、姿形を変えてアウトプットするけれど、それが時代と合わなくなってくる。

だから世代交代したり、第一線を退いて管理職になったりするしかない。
管理職の人は自分が時代遅れだと自覚しないと、いつまでも古い考えや思い込みを部下に言ってしまい混乱させたりするということになります。

個人経営のお店などは、店主が年老いていくのと一緒に朽ち果てていくのかもしれません。

それを乗り越えることができるのは、新しい考えに入れ替えることができる人だったり、若い人の考えを取り入れることができる人なのだと思います。

当店ももうすぐ9周年を迎えようとしています。9年も経ってまだ同じところでウロウロしていることに少し恥ずかしい気はするけれど、まだ立っている。

商売の勝敗は一瞬の業績や評価などではなく、最後まで立っていた方が勝ちだと思っていたけれど、そこに自分らしくという言葉を付け加え得ることを最近忘れていました。

自分らしくありながら、考えは新しくしていかないといけないのは大変だけど、自分らしく立ち続けるためにも、たまには考えを新しく更新していかないといけないのだと思っています。