「コーヒーマイスターがいないからコーヒーの味が少し違うよね。」
「すみません、日曜日休みなので。」
日曜日の昼過ぎ、店内には何人かのお客様がスタッフの女性がいないことで、店主をからかっていました。
確かにその店のコーヒーの味は平日と日曜日では違います。
それだけ、人の手によって繊細なコーヒーの味は変わるのです。良いのか悪いのか・・・。
「またサムシングエルスかけてるの?」
よく万年筆カフェに来られるお客様が店に入ってくるなり、笑いながら言いました。
店主も若い頃から渋いものばかり聴いてきて、それなりの見識を音楽に持っているつもりで、この店にはシンプルなモダンジャズが似合うと、今までかけていましたが、寒くなってきてモダンジャズをかけたいと思わなくなりました。
唯一かけてもいいと思うものが、キャノンボール・アドレーのサムシング・エルスだけだったのです。
このCDにはマイルス・デイビスの名演のひとつと言われた「枯葉」が入っています。
音楽は他にもたくさんありますし、いくらでも流せる曲はありそうなものですが、店主はモダンジャズにこだわっていました。
スタッフの女性はボサノヴァをかけたいと思っていましたが、店主の猛反対に遭っていました。
店主も彼女もこの「枯葉」だけは気に入っていましたので、「またサムシングエルスかけてるの?」には返す言葉がありませんでした。
「寒くなったからボーカルもいいかも」と、離れたテーブルで万年筆でノートに書き物をしていた他のお客様が言いましたが、ボーカルの入ったジャズなんて硬派の聞く音楽じゃないという訳の分からないこだわりを店主は持っていましたので、その話はそのままになっていました。
気に入って何度もかけることのできる音楽とは、そう簡単に出会えるものではありません。
人に薦められて聴いてもあまり良いとは思わなかったり、レコードレビューを読んでもそれは同様で、店主も早く店が閉まった時は、坂を下りて街のCDショップへ行きますが、良いものに出会えませんでした。
数日経ってから、音楽の話に入ってきたお客様が「ボーカルもたまにはどうですか。」とCDを手渡しました。
早速かけてみると、サックスやトランペットがいかに冷たかった、その優しいボーカルが教えてくれました。
耳を奪われるけれど、しつこくなく、耳の中にその旋律は残っていました。
「いいね、これ・・・。」
店主はことば少なでしたが、そのボーカルに魅せられているのは明らかでした。
そのボーカルは新井雅代という近くの街に住んでいる女性で地元のライブハウスに出ているとのこと。
それから万年筆カフェでも、ボーカルの曲も流れています。
・・・今回は万年筆が登場しませんでしたね。
「すみません、日曜日休みなので。」
日曜日の昼過ぎ、店内には何人かのお客様がスタッフの女性がいないことで、店主をからかっていました。
確かにその店のコーヒーの味は平日と日曜日では違います。
それだけ、人の手によって繊細なコーヒーの味は変わるのです。良いのか悪いのか・・・。
「またサムシングエルスかけてるの?」
よく万年筆カフェに来られるお客様が店に入ってくるなり、笑いながら言いました。
店主も若い頃から渋いものばかり聴いてきて、それなりの見識を音楽に持っているつもりで、この店にはシンプルなモダンジャズが似合うと、今までかけていましたが、寒くなってきてモダンジャズをかけたいと思わなくなりました。
唯一かけてもいいと思うものが、キャノンボール・アドレーのサムシング・エルスだけだったのです。
このCDにはマイルス・デイビスの名演のひとつと言われた「枯葉」が入っています。
音楽は他にもたくさんありますし、いくらでも流せる曲はありそうなものですが、店主はモダンジャズにこだわっていました。
スタッフの女性はボサノヴァをかけたいと思っていましたが、店主の猛反対に遭っていました。
店主も彼女もこの「枯葉」だけは気に入っていましたので、「またサムシングエルスかけてるの?」には返す言葉がありませんでした。
「寒くなったからボーカルもいいかも」と、離れたテーブルで万年筆でノートに書き物をしていた他のお客様が言いましたが、ボーカルの入ったジャズなんて硬派の聞く音楽じゃないという訳の分からないこだわりを店主は持っていましたので、その話はそのままになっていました。
気に入って何度もかけることのできる音楽とは、そう簡単に出会えるものではありません。
人に薦められて聴いてもあまり良いとは思わなかったり、レコードレビューを読んでもそれは同様で、店主も早く店が閉まった時は、坂を下りて街のCDショップへ行きますが、良いものに出会えませんでした。
数日経ってから、音楽の話に入ってきたお客様が「ボーカルもたまにはどうですか。」とCDを手渡しました。
早速かけてみると、サックスやトランペットがいかに冷たかった、その優しいボーカルが教えてくれました。
耳を奪われるけれど、しつこくなく、耳の中にその旋律は残っていました。
「いいね、これ・・・。」
店主はことば少なでしたが、そのボーカルに魅せられているのは明らかでした。
そのボーカルは新井雅代という近くの街に住んでいる女性で地元のライブハウスに出ているとのこと。
それから万年筆カフェでも、ボーカルの曲も流れています。
・・・今回は万年筆が登場しませんでしたね。
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