一期一会 ~万年筆店店主のブログ~

哲学、想いを発信している、Pen and message.店主吉宗史博のブログです。

消せる安心感

2016-12-13 | モノについて

フリクションボールペンが世界中で売れていることに、確かに便利だから当然だと思う反面、ボールペンの文字を消したいと思っている人が多いことが信じられないような気がします。

ボールペンや万年筆のインクは消えないからその価値があるような気がしていますので、それが消せるのは、消せる安心感よりも消える不安感の方が私は強い。

フリクションを、消しカスを出したくないからペンシル代わりに使うのなら分からなくもないけれど。でも消せたと思っても実は60度以上でインクが透明になっているだけです。

消えない安心感を求めて、中には顔料インクなどを使う人もいるくらいなので、本当にそれぞれだと思います。

消せないことがインクの価値ではあるけれど、どうしても消さないといけない時もあります。

私の場合、手紙を書いていて、後の方で間違えた時です。

本来書き直すべきですが、その手紙をペリカンロイヤルブルーで書いていた時はよかったと思います。

ご存知の方も多いと思いますが、ペリカンロイヤルブルー用消しペン/訂正ペンスーパーシェリフというものがあります。

万年筆のインクを消すことができるものは、以前からガンジーという会社から発売されていたものが、今はプラチナから発売されているけれど、これは2種類の液を使わないといけない面倒なものでした。

しかし、スーパーシェリフは白い方で消したい文字を塗りつぶすだけで消える。
スーパーシェリフで消した跡に万年筆のインクは乗らないので、反対側にあるブルーのペンで書き直します。

このブルーがペリカンのロイヤルブルーと同じ色なので、ペリカンのロイヤルブルー用ということになっていますが、消すだけならラミーもモンブランも消すことができます。

ちなみにラミーからはラミーブルー用インク消しINK-Xというものがスーパーシェリフと同内容で発売されています。

私の場合、手帳な2本線で消してしまうけれど、几帳面な人は手帳に使うといいと思います。

消しペンがあるからペリカンロイヤルブルーで手紙を書くということもあって、消せる安心感もやはり自分の中にもありました。

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ペンテルマルチ8

2016-12-11 | モノについて

筆文葉会議の時に金治智子さんがマルチ8をガシャガシャと色を変えながら使う姿を見て、どうしても欲しくなって、私も買ってしまいました。

マルチ8は私が仕事に就いた時からある商品で、文具店にとって超定番だと思っていましたが、新しくできたお店は扱っていないことが多いことに気付きました。

マルチ8はたいていの場合、製図・デザインに分類されますが、変に特別扱いせず複合筆記具に分類すればもっと売れる良い商品だと思います。

新しいお店にマルチ8がないのは、簡単に売れる商品ばかりを扱いたがり、こういう説明の必要な商品を嫌う傾向にあることと、文具店の売り場に製図・デザインのコーナーがなくなっているということが理由なのかもしれません。当店では扱おうと思います。

マルチ8を簡単に説明すると、8色の色鉛筆やボールペンを1本で切り換えて使うことができる芯ホルダーで、マルチ8は8色の色鉛筆が装備されていて、スーパーマルチ8は3色のボールペンと色鉛筆を装備していますが、中身は自分でアレンジして入れ替えることも可能です。

マルチ8は透明なボディで内部機構を見ることができます。
尻軸をノックすると1本の芯が弾倉に装填されて、重力によって降りてくるところが見えて面白い。


当店オリジナルダイアリーも筆文葉リフィルも白地図のようなものです。
そこに書き込んで、色を塗ることで完成する。

色がビッシリとある世界地図よりも枠線だけの白地図の方が私はワクワクします。

未完成のダイアリーやシステム手帳の中身を完成させるためのおもちゃ・・・いやツールとしてマルチ8と万年筆を使っています。

 

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ラミーの世界観

2016-11-20 | モノについて

おそらく世界中のラミー扱っているお店に置いてあると思われるラミーの新製品Lxの専用什器。

面白そうなので、当店も置いてみました。

床面積をあまりとらず、色も黒なので当店でも違和感なくさりげなく置くことができていると思っている。

使っている家具のせいか、当店はメーカーさんが用意した什器があまり合わず、結局外してしまったり、始めから頼まなかったりすることがほとんどなので、この什器は珍しい。

真四角で黒のベースに黒でLAMYのロゴ。さすがラミー、とてもシンプル。

あれ?この什器何かイガん(歪ん)でない?

この什器を見た人皆が思うかもしれないけれど、上に乗っているディスプレイはわざと歪めにセットするようになっている。

それが証拠に、中は正面を向くようになっている。

さすがバウハウス。シンプルだけでなく、いつもどこかヒネリが利いています。

ラミーは、こういった什器や箱などの備品にもこだわっていて、世界観をとても大切にしています。

ブランドなども世界観を大切にしていて、こだわっているけれど、それが価格に大いに転嫁されているし、何か違います。

ラミーの製品は、どれもそれについて何かしゃべることができて素敵だと思っていて、什器ひとつとってみても、人を和ませることができる。

そういうことがだんだん大切に思えるようになってきました。

 

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システム手帳再興

2016-11-15 | モノについて

万年筆で書くことが楽しいと思ってもらって、万年筆を使う人を増やしたいということが当店発足の理念です。

書くことを最も楽しくしてくれて、趣味的にも使えるものとしてシステム手帳に行き着くと思っています。

綴じ手帳はリング部分がなく、書きやすいというメリットはあるけれど、システム手帳のリフィルを抜き差しして、自由にページ構成を作ることができることは魅力で、中身をそのままに気分によって外側を替えることもできます。

業界内各地で勃発的にシステム手帳再興の動きが起こっていて、皆同じことを考えているのだと思いました。

革の本体も重要ですが、システム手帳が再興したと思えるのはやはり中身のリフィルが充実した時だと思います。

メモとダイアリー以外の様々なリフィルが世に出てくると楽しく、開発者のロマンはそういうところに表れる。

金治智子さん企画の、当店のシステム手帳リフィルのブランド「筆文葉」はシステム手帳再興のエンジンのひとつになれると思っています。

今5種類だけの商品構成だけど、他所にないものを少しずつ増やしていきたいと思っています。

 

筆文葉発売当初からの対の企画としてあるカンダミサコバイブルサイズシステム手帳にコンチネンタルを追加しました。

コンチネンタルのシリーズにいつも使うエージングの楽しい革ダグラスを使い、内側はブッテーロのワイン。コンチネンタルのものだけリングをゴールドにしていて、なかなか合っています。

自分が使っていて楽しいものを皆様と共有できたらと思い、楽しみながらシステム手帳の企画も進めていきたい、そしてシステム手帳と万年筆の組み合わせを追究していきたいと思っています。

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銘木の楽しみ

2016-10-11 | モノについて

 

イベント後で様々な種類の木のものが入荷していますので、少しご紹介します。

高級素材ローズウッドこぶ杢です。模様の美しさ、色艶、手触りの良さ全てと持っている素材だと思います。

ローズウッドこぶ杢の中でもさらに希少な白バラです。多少の色変化も期待できそうです。

花梨は楔の素材でも定番中の定番で、玉杢の美しいものがよく使われます。

ハワイアンコアの根杢です。見る方向、傾け方によって3Dのように見える杢が大変美しい。

左が楢の杢、右がチークです。こういった単純に美しいという言葉では言い切れない、味わい深さを持った素材が私は好きです。
チークは油分を多く含み、独特の手触りがあります。

 

手前はエージングが楽しめるキューバマホガニー、奥が手触りを楽しむブラックウッド。

銘木は本当にたくさんの種類があります。当店では「樹種事典」なる本を販売していて、それと工房楔の銘木作品と合わせて見るととても楽しいのでお勧めします。



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ペンを立てる

2016-08-23 | モノについて

万年筆の保管は寝かせておく方が良いか、立てておいても良いのかとよく聞かれます。

移動中などは、胸ポケットなどにペンを固定するためのキャップについたクリップの位置から想像できるように、ペン先を上に向けて立てて持ち歩いた方がいいのだと分かります。
今のペンはあまりインク漏れはしないけれど、何らかの衝撃が加わった時にキャップ内にペン先のインクが落ちないようにするためです。

静止している状態での万年筆の保管方法については、私は立てても寝かせてもいいけれど、中には立てておくとインクがタンク内に落ちて(戻って)しまって、ペン先が乾いてすぐに書き始めることができないものがありますので、そういうものは寝かせて保管して下さいと申し上げます。

一部の万年筆は寝かせておかないといけないけれど、立てて置いておくというのは場所をとらなくて、スペースの効率は良くなります。

smokeペンスタンドはペンを立てて保管しながら、すぐに見分けて使うことができますので、複数の万年筆を道具として使い分けることに役立つものだと思っています。

3本用とか、5本用などはホームページに掲載できていますが、10本用は箱がなく店舗でのみ販売していました。

素材はウォールナットで左右の柱の形を違えているのが面白い、そして10本も立てておくこのモノの存在も面白いと思っています。価格は34200円(税込)です。

こういうご紹介できていないモノがあります。

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原稿用紙で遊ぶ

2016-08-02 | モノについて

原稿用紙の使い道、遊びについて考えていたら、ペン習字教室の堀谷龍玄先生から良いアイデアをいただきました。

満寿屋のミニサイズの原稿用紙を葉書に貼って使うというものです。

ミニ原稿用紙はハガキサイズなので、カットせずにそのまま貼ることができるし、失敗したらまた書き直せばいいだけで、官製はがきを無駄にしなくていい。

葉書に貼る糊は何でもよくて、よく事務仕事で使うようなスティックのりでも充分貼ることができます。

原稿用紙の罫線が何ともいい雰囲気を出す、特別な葉書になります。

私もやってみました。

官製はがきではなく、和紙の耳付きのはがきに書いたミニ原稿用紙を貼り付けます。

罫線の色、形は何種類かありますが、私は一番シンプルなものを選びました。

この満寿屋のミニ原稿用紙がせっかくハガキサイズなので、ポストに投函できるくらい厚かったらいいのにと思っていたけれど、こういう形態だからどんどん使うことができます。

さすが堀谷先生。

とても簡単で効果の大きい、原稿用紙の葉書貼り、ぜひやってみて下さい。

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縁を感じるテーマのペン~アウロラフィレンツェ~

2016-07-19 | モノについて

私はまだ6年前のル・ボナーの松本さん、分度器ドットコムの谷本さんと行った旅の記憶の中にいるのかもしれません。昼頃着いて、翌日午前中に発ったので24時間も滞在していませんでしたが、フィレンツェも思い出深い街のひとつです。

郊外に出ると地元の人の普通の生活が営まれていると思いますが、中心部は赤い屋根の古くからある街並みで、街自体が観光地で、歩いている人皆が旅行者でした。

大聖堂のドームやポンテベッキオ橋などの名所も見て記憶に残っているけれど、行き交う人たちの姿、ここは街並みを楽しむところだと思いました。

何かを観たと言うよりも、仲間たちと他愛もない話をしながら、街をブラブラと歩いたことの方が記憶に残っている。


どうせ限定万年筆を手に入れるのなら、何か自分に縁のあるテーマのものを選びたい。

そう多くはないけれど、たまに思い入れのある土地をテーマにした限定万年筆が発売されたりして、普段頭の奥にしまってある旅の記憶を思い出すきっかけになったりして、時の流れを感じたりします。

アウロラフィレンツェ

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オリジナルインク

2016-04-12 | モノについて

当店は創業時よりオリジナルインクを扱ってきました。

他店のように色数は多くないけれど、実用も伴っていながら、味わい深い、良い色が揃っていると自慢に思っている。

オリジナルインクの色、名前、ラベル、扱い方でその店のセンスや考え方がよく表れると以前から思っていましたが、去年、今年の状況はさらにそれぞれの店の方針が分かれたのではないかと思います。

日本中のオリジナルインクが爆買いされて品薄になるという、今まで考えられなかった状況のことです。

インク一瓶買ってもなかなか無くならないねというのが、お客様とのお約束のやり取りでしたが、それが嘘のようにまるで何かの塗料に使っているのかと思うほどインクが売れていく。全色各10個などという売れ方をして、個数制限を設けないと一日もたない。

買っていただけるのは本当に有り難いことだし、買っていただいたモノに対して、その後をその人がそれをどうしようがその人の勝手で、そこにとやかく言うのは私の流儀ではないけれど、そうやって色もちゃんと見ずにインクだけを大量に買って行く行為を私は美しいと思えない。

その行為を私が日本人だから美しくないと思うのかもしれない。

私は商売人である以上、インクも買ってもらいたし、万年筆も買ってもらいたいけれど、それらのモノを買ってもらいながら、どんな行為や心の持ち方が美しいかを示したいと思ってやってきました。

それは日本的な美しさであって、海外の違う文化を持つ人には通じないのかもしれないけれど、いくらたくさんの海外のお客様が来られてもそこを譲るつもりはない。

でも今のオリジナルインクの状況はただのブームであって、近い将来終わりが来ると思っています。お店はオリジナルインクを売上の柱にしたり、メインの商材にするのはとても危険だと思っています。

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重ねる思考用のプラス1冊のノート

2015-11-24 | モノについて

 

スケジュールやToDoなど時間が来ると終わったり、物事を処理すると消える要件は綴じノートでいいけれど、分類して記録を重ねるものはページを足したり、移動させることができるシステム手帳のようなバインダー式になり、結局両方使わないといけなくなります。

手帳を2冊も持ち歩けないため、今年はシステム手帳に1日1ページとマンスリーダイアリーを入れて使っていましたが、フォーマットが気に入りませんでした。

今年分は使いきるつもりですが、スケジュールやToDoに関して、正方形のオリジナルダイアリーはよくできているとかなり自信を持つことができましたので、この1年の「ダイアリー浮気期間」は無駄ではなかった。

オリジナルダイアリーも使っていなかったわけではなく、売り上げや仕入れの集計には使っていましたが、少しもったいない使い方でした。

ブログを書いたり、ホームページの文章を書いたりするものの下書きは、入力が済んだ後ビリビリと千切って捨てるのが快感になっているので、残しておくことはありません。
そういう一発勝負というか、賞味期限のあるものではなく、考えを重ねていくようなもの、簡単に答えを出してしまう自分を思いとどまらせて熟慮するべきことなどを書く用途をオリジナルダイアリーに込めたいと思っています。

マンスリーとウィークリーないしデイリーのダイアリーと横罫あるいは方眼のノートが、ダブルのダイアリーカバーには難なく入りますが、それでいいのではないかと思っています。

どうしてもシングルのカバーを使いたければ、付加するノートを大和出版印刷の薄型正方形方眼ノートrectoにすればシングルでも持ち歩くことができる。

手帳の悩みは尽きない、というかいつまでも考えていたい。

ダイアリーの紙グラフィーロはかなりペンの滑りが良いので、極細の万年筆でも気持ちよく書くことができるので、万年筆も極細のものがあればいいなと思っていて、そんな話を皆さんとしたいなと思う今日この頃です。

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