◯➡︎《 PD-1 》ノーベル賞候補「PD-1」をわかりやすく簡単に説明!がん治療に希望を!

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ノーベル賞候補「PD-1」をわかりやすく簡単に説明!がん治療に希望を!

公開日 : 2017年1月7日 / 更新日 : 2017年1月26日 医学
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残念ながら2016年ノーベル生理学医学賞は同じ日本人の大隅先生がオートファジーで受賞されましたが、ロイターの賞を受賞されたのは本庶佑(ほんじょ・たすく)・京都大客員教授(74)の研究も受賞まで紙一重だったのではないでしょうか・
受賞候補となっていた、「プログラム細胞死1(PD-1)およびその経路の解明により、がん免疫療法の発展に貢献」について簡単にわかりやすく詳しく調べました。

「PD-1」ってなに?って感じですよね。なにやらがん治療に関係がありそうです。
ここでは、「PD-1」についてわかりやすく簡単にまとめてみました!
また、「PD-1」経路の仕組みを利用した免疫治療法の治療薬である免疫チェックポイント阻害薬である「ニボルマブ(商品名オプジーボ)」についても、適応症例や費用などを調べてみました。

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Contents [show]
pd-1とは?わかりやすく簡単に

最先端のがん治療法として注目されている免疫療法は、これまでのがん細胞を直接薬剤で殺す(同時の正常細胞も死ぬ)抗がん剤治療とは異なり、人体の免疫機能を抑える物質の活動を抑えて免疫力によりがん細胞を死滅させる画期的な治療法として期待が高まっています。

人間の体は、「免疫」によって守られています。免疫は、体にとって有害な病原体や異常細胞を監視し、攻撃や排除をします。近年、免疫治療法は、この免疫力を活用して、がんの発症や進行を阻止する治療法です。

このようながん細胞の免疫に対して、がん細胞が自身を守ろうとする仕組み(がん免疫逃避機構)が働きます。これによって免疫細胞が正常に働かなくなり、がん発症の引き金となることがあるのです。

免疫の司令塔である「樹状細胞」が、攻撃を担当する「T細胞」にがんの特徴を教えます。T細胞はそれにより攻撃対象を見分けて攻撃に移ります。ところが、がん細胞からT細胞に対して「攻撃するな」という信号が送られると、免疫が正常に働かなくなってしまうのです。



人間の体内にはこのような、がん細胞が免疫力を抑え込む仕組みが複数ありますが、そのうちの一つが今回の受賞テーマに上がっている「PD-1」なのです。

逆にいうと「PD-1」の働きを抑え込んでしませば、T細胞ががん細胞を殺そうとする効果を最大限に発揮することができます。

今回の本庶先生のノーベル賞の受賞は、この「PD-1」の働きとそれを抑制するための伝達経路の解明によるものです。

T細胞などの免疫細胞が持つPD-1とがん細胞がもつPDL-1という分子が結合すると、免疫細胞ががん細胞を攻撃できなくなります。これががん細胞の手口です。
本庶先生が解明したPD-1伝達経路とは、このPD-1とPDL-1が結合する経路を言います。

ここまでわかってしまえば、あとはこの経路をぶった切る分子を見つければ良いことになります。
これが「抗PD-1抗体」と呼ばれる分子で、これを薬剤化したものが免疫チェックポイント阻害薬「ニボルマブ」(商品名オプジーボ)なのです。

では、この「ニモルマブ」(商品名オプジーボ)はどんながんに効くのでしょうか?
日本の薬事承認が得られているがん症例は3種類あります。


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肺がん

まずは肺がんです。肺がんの中でも非小細胞肺がんという種類のがんに適応します。
肺がんの中でも日本人に非常に多い腺がん(男性の40%、女性の70%)も非小細胞肺がんです。

腎細胞がん

進行性の腎細胞がんにも「ニモルマブ」(商品名オプジーボ)有効です。2016年8月に、「根治切除不能または転移性の腎細胞がん」への適応が承認されています。ステージ4の末期がんに対しても効果が認められているようです。

悪性黒色腫

また悪性度の高い皮膚がんである悪性黒色腫(メラノーマ)」に対しても有効です。
特にニボルマブとイピリムマブトいう薬を組みあわえて投与することが有効であることがわかって来ているそうです。

その他のがんへの適用は?

日本で薬事承認されておりニボルマブが適応される症例は、今のところ、紹介した3種類だけのようですが、医学の世界では他の症例への適応も盛んに研究されています。
頭頸部ガン、胃がん、食道がん、ホジキンリンパ腫などが日本で臨床試験中です。

問題は高額な治療費用

PD-1の性質を利用して、人間に元から備わっている免疫機能を最大限に引き出してがんを殺す夢の薬「ニボルマブ(商品名オプジーボ)ですが、問題もあります。薬価がとても高額で治療費用が高いことです。

オプジーボは、患者の見込み数が470人と少数だった皮膚がんで薬事承認されたために1人年間3500万円という高額で薬価が設定されています。実態としては1年で1500万円ほどかかるとされています。国や医師会なども薬価を下げる働きかけをしていますが、一度高く設定されたものを下げるのは容易ではありません。

上で紹介した悪性黒色腫、非小細胞生肺がん、腎細胞がんは保険適応されていますので、医療費の自己負担額を軽減する高額療養費制度を使えば、70歳未満一般所得の人で1カ月の自己負担額が9万〜10万円程度になります。

患者さんにとっては保険適応は大変ありがたい話ですが、ニボルマブを始めとする高額な最先端の薬剤が日本の保険医療制度を崩壊を招きかねないとして危惧されていることもまた事実です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
PD-1の仕組みはなんとなくわかったでしょうか?
真剣に追求するととても難しそうですが、ざっくりいうと、がん細胞が免疫細胞の活動を抑え込む経路にPD-1があることを解明して、そのPD-1の活動を抑え込む薬の開発に貢献したということですね。

いずれにせよ、がん治療に新たな光明が見えたことは歓迎すべきことですね。

本庶先生は2016年は残念ながらノーベル賞の受賞は逃しましたが、2017年こそは受賞していただきたいものです。

以上、トシでした。
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