二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

おススメSS ネウロinドリフ世界

2016-06-24 23:24:49 | おススメSS

ネウロinドリフ世界

引き続きドリフターズのクロスオーバーSSを紹介します。
今度は「謎を解う魔人「脳噛ネウロ」がもしもドリフターズの世界に来たら?」
をテーマにした短編SSで、主にネウロと漂流者との語りがメインとなっています。

ドリフターズとネウロとのクロスSSはここだけしかなく、貴重です。
ぜひ見てください。




「ククク、かかったな愚かな虫ケラめ」

しもうた!!背後から聞こえてきた声に、
弾かれたように振り返り脇差を抜いた!

馬鹿な、誰もいなかったはず。
しかし結局用心を怠った己が悪いのだと歯噛みする。

いたのだ、後ろに。
恐らくは豊久がここに来る前から。
ここが戦場であれば背後を取られることは即座に死に繋がる、
なのに、誰とも知れぬ者に背後を晒してしまった失態に心身が緩んでいると己を叱責する。

が、直後脱力した。

何のことはない、豊久が来るより前にいて居眠りしていた男の寝言だったのだ。
しかも「楽しい楽しいお仕置きの時間だ」などと言っている。どんな夢だ。

しかし、何かがおかしい。

細面で均整のとれた顔立ちはなかなかの美郎だ。
ただ見たことのない造りの青い装いと、前髪は黒いが後は金糸という奇妙な髪は、

豊久の知る限りエルフやドワーフやオルテ人にはいない。
かといって日ノ本のものでもない。傾奇者と言ってしまえばそれで終わりだが。
そのままでは違和感を解決出来ず、一度男をざっと見直してようやく気付いた。何なのだこの男は。

その者はおかしなところに寝転がっていた。
あまりの有り得なさに、頭が無意識に考えないようにしていたのかもしれない。
だが気付いたところで、異常すぎて狼狽える他ない。

「……おう、主、どこで寝とんじゃ」

垂直に立つ壁に寝転がり、
あまつさえ頭を斜め下にしていたのだ。
人間の出来る芸当ではない。

豊久の声で楽しい夢の世界から引き戻された先客は欠伸をして、
何事もなかったかのようにひらりと身を翻して地面に降り立つ。

「フム、寝すぎてしまったか」

どこまでも呑気だ。

「どうやって壁で寝ちょったんじゃ」
「ム?こうだが」

やはり事もなげにころんと寝転がった。もちろん豊久には真似できない。

「主ゃあ何者ぞ。おるての者じゃなかろう」
「我が輩は魔人。貴様ら人間とは違う生物だ」

まじん。初めて聞く言葉に目を瞬かせた。

脳噛ネウロはやはりおかしな男だった。

壁に寝たり歩けるだけでなく、
目玉のような虫を出して自在に操り、
透明になったり手を刃物にできたりと、妖や鬼どころの騒ぎじゃない。

「すごかのう。それで、何でここにおるんじゃ」

直感で、敵ではないと思った。
こんな人目につく場所で人目につく寝方はしないだろうし、何より服や変わった髪の色で目立ってしまう。

「旅をしている。ただ通り過ぎてもよかったが、土産話が欲しくなってな」
「そか!ゆっくりしてけ!」

異郷だろうが魔人だろうが客は客。
先ほどようやく見つけた帰るべき場所へと案内を始めた。



















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