二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

続いたネタ14 GATE~夢幻会、彼の地にて戦いけり

2015-11-11 07:08:24 | 習作SS
続いたネタ14 GATE~夢幻会、彼の地にて戦いけり


伊丹はコダ村の避難民の処遇について現地協力者を育成する。
ということを考えた日本軍、自衛隊の思惑の下彼らと交流、生活を支援してきた。

伊丹としてはベトナム戦争で米軍に協力した少数民族の末路を知っているため、
純粋に人道的な意味で支援するならともかく利用するのにあまり乗り気でなかったが、
仕事は一応やる人間であるので、それなりに任務をこなし全力で遊びつつ日々をすごした。

成果は既に出ており、良好な信頼関係が結ばれたため
レレイと名乗る銀髪の少女とその師匠カトーが保有していたこの世界の書籍を借りることに成功した。

書籍には未知の技術である魔道、そしてこの世界の植生、地理など様々で、
これまで得られた情報を遥かに上回る精度の情報で日本軍と自衛隊側の専門家が翻訳作業に励んでいる。

そして今日は避難民から換金性が高い、
と言われたアルヌスの丘周囲に散乱する翼龍から採取した鱗をイタリカの商人に売る算段ができた。

「これだけあれば大金持ちになれますね」

伊丹とは別の偵察隊が拾ったローレンスと言う商人曰く。
鱗1枚で銀の硬貨30~70枚を得ることが可能で、銀貨1枚で5日間を慎ましく生きていける量だ。

そのため自衛隊と日本軍は避難民の自立、
さらに商売を通じてこの特地の情報収集を得ることが期待し、
伊丹はローレンスとレレイが希望したイタリカと呼ばれる都市までの護送任務に着いた。

(全部上の連中の思惑通り、か。
 やれやれSなんかならなきゃよかったよ…)

倉田が運転する車内で伊丹が内心で1人ため息を吐く。
人生食う寝る遊ぶ、たまに仕事を標語にする伊丹からすれば避難民の世話、
そして交流を通じた情報収集、連日提出する各種書類に報告会議で既にオーバーワーク気味であった。

(やっぱ俺は現場が一番だ、うん。
 柳田の奴みたいに書類やら根回しやらは合わないな)

後方参謀的な仕事をしている柳田の顔を思い浮かべる。
エリート的な高慢な態度がアレだが、優秀かつ自分とは真逆に書類仕事に根回しを楽々とこなしていた。
もっとも伊丹はそれを羨ましく感じたりせず、人には向き不向きがあると1人で感じた。

「しかし、まさか陸将とあの栗林中将に見送られるとは思わなかったな…」

「おやっさんもですか?
 俺もまさかあんな偉いさんが見送りに来るなんて思わなかったですよ!
 栗林中将なんて案外もしかすると違う世界の孫のクリボーを見送りに来たかもしれませんね」

「ちょっとお!最近みーんな苗字が同じ栗林だからって、
 中将閣下が私のおじいちゃんだとか噂しているけど偶々苗字が同じだけですからね!!」

伊丹が周囲に耳を傾ければ部下達が気楽に会話を交わしている。

「好み、クロカワ、是か非か?」
「否否、肯定、しかし、否定、違う、恋」

さらに同じ車内にいる特地組みの黒ゴスと金髪エルフ娘が特地の言葉で会話をしている。
黒ゴスの少女が金髪エルフをからかっているようで、エルフ娘が顔を赤くしていた。

(ファザコンで百合の金髪エルフってキャラ濃いな)

短い時間であるが、
このエルフ娘の怪我で記憶を喪失した父親へのファザコンの程度を伊丹は知っていた。

今回伊丹は単語をまばらに聞き取れた程度でしかなかったが、
なんかキマシタワーが立てられそうな話をしていたことは大体理解できた。
そして、背が高いせいで男が気後れすると愚痴を零していた黒川に合掌を奉げた。

(まあ、平穏なのは良いことだ)

しかしそれは道中は極めて平穏であることを示してていた。
前みたいに炎龍のような生物の襲撃など不測の事態も今のところない。
後列にいる日本軍からも異常を伝える通信はなく、周囲は敵影もなく静かに麦畑が広がっている。

(で、挟間陸将とあの栗林中将に見送られるなんて俺も思わなかったけど、
 問題はその傍に立っていたあの若杉とか名乗っていた日本軍の若手の参謀だ、
 ただのエリート参謀じゃないのは柳田の反応からして明らかだし……まさかまさか)

部下達は雲の上の陸将、その上硫黄島の戦いで名を残したあの栗林中将に突然の訪問。
そしてイタリカへ向かう自分達への見送りに興奮した口調で話すが伊丹は別の点で違和感を覚えていた。

挟間陸将に栗林中将の他に付き添いに柳田、
そして若杉大尉と名乗った日本軍の参謀がいたが、
エリート意識が強い柳田が妙に緊張していたのを伊丹は逃さなかった。

(時代が時代だしな…たぶん皇族だろうな。
 年齢的にこっちでも現役の三笠宮親王殿下かもしれない。
 災難だな柳田の奴、だけど態々皇族をこの特地に赴任させた意図はなんだ?)

いやいやレンジャー資格を習得し、
無理やり特殊作戦郡に放り込まれた伊丹であったが、
オタクの考察好きと特殊部隊の隊員として無意識の内に刷り込まれた、
「その意図は何か?」を考える癖ができていた伊丹は皇族をこの場所に赴任させた意味を考える。

(箔を付けさせる、ありうる話だ。
 だけど、帝国の○神様で石原が言っていた、
 皇族を異世界に連れ出すことで島流しの異世界で人心を安定させる。
 という事を参考にすると日本軍は特地と本土が切り離されたさいのリスクを考慮している?)

異世界ネタのとあるウェブ小説が頭に浮かぶ伊丹。
現在置かれている状況が非常に似ていたので、最近何度も読み返していた作品だ。

そこでは異世界の土地が島流しの土地となり、
日本人の意識が薄まらないように満州事変の発端を作った石原が考えた策として、
皇族を連れ出すアイディアを主人公達に披露するシーンがあり、伊丹は状況が良く似ていることに気付いた。
何せ銀座に出現した門の原理は未だ不明でいつまで銀座と特地との連絡が通じるのか、いつ門が閉められるのか不明だ。

つまり誰も永久に特地と銀座との連絡が通じるとは保障していないのだ。
極論すればある日突然門が自壊して特地にいる自衛隊と日本軍が取り残されることだってある。

(その万が一の時のために皇族か……それもありそうだ)

準備の良さに伊丹が唸り、同時に嫌な予感を覚えた。

(いや待て自壊しなくても門を壊す、
 壊しに来る勢力がいる、だからこその準備か!?)

食えぬ飯には灰を被せてしまえ、という諺がある某国やら、
日本のすることが何もかも気に食わない某国が一番やらかしそうな事を知る伊丹が戦慄を覚える。

(じょ、冗談じゃないぞ!またコミケが行けなくなってしまう!!)

もっともそこで憤慨する所が愛国的なものではなく、
己の生きがいであるコミケに行けなくなる点が伊丹であった。

(こうなったら、日本軍が皇族を派遣している考察と合わせて銀座の警備強化を提案するか。
 書類仕事やら根回しやらがアレコレが面倒だが、コミケに行けなくなるよりはずっといい!)

全てはコミケのため、そう伊丹が決心した時、
地平線の向こうで煙が立ち上っているのをまもなく視認し「原作」が始まろうとしていた。



そして後に伊丹が提出した提案は銀座で連日騒いでいる示威何とか団体やら、
頻繁に動き回る諸外国の諜報機関のこともあって警備が強化されるきっかけとなる。

また、伊丹が若杉参謀の正体を見破ったことで、
「有能な怠け者」と認定した自衛隊上層部からさらに仕事を押し付けれることになる。
















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