両儀式(セイバー)に膝枕して耳かきしてもらいたいだけの人生だった
その身は根源そのもの、願えばあらゆる願いが叶う。
ぶっちゃけ神様な両儀式に何を求めるか問われたカルデアのぐだ男は、
「膝枕して耳かきしてもらいたい!」
と根源の渦なんかよりも男子として正直すぎる願いを告白。
その願いに戸惑いを隠せない式と本気のぐだ男、という短編SSでおススメ。
ぜひ見てください。
自分は根源に接続し、根源と一体であるもの。人の皮を被ったナニカともいうべき存在。
人間以外のナニカが人間の願いを叶えるなど、あってはならないこと。
デウス・エクス・マキナが許されるのは物語の途上ではなく、幕引きでなくてはならない。
このまま口に出されるであろう彼の願いが良いものであっても、悪いものであっても、叶えてはいけないのだ。
式はほんの少しだけ困ったように笑い、そしていつも通りにマスターの額を小突いて話を切り上げようとする。
その瞬間、マスターの腰が直角に曲がって頭が下がる。
→オレに……オレに……!
マスターの口から溢れるのはためらうような、それでいて強い意志を感じさせるもの。
きっと出て来る願いは大きく、誰もが幸福になるような、暖かなものなのだろう。
だが――願いである時点で、それは自分で叶えなければならない。他人にすがって叶えてもらってはいけない。
「ダメよ、マスター。それは――」
→膝枕して、耳かきしてください!!
「…………あら?」
珍しく、式の目がまんまるになった瞬間だった。
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