これじゃない聖杯戦争【Fate/Extra】
理想郷のSSです。
お題はFate/Extraであります。
主人公(男)は三騎士の変わりにネコアルクを呼び出します。
ネコアルクといえば当然ギャグ展開で、
ドタバタのまま聖杯戦争を戦い抜く話しですが、
ギャグとシリアスのバランスが絶妙で、原作を再現した主人公の言い回しなど、とてもいいものです。
しかも、2012年から現在まで更新が続いており、今後も期待。
月の裏側、虚構の世界。
悪意を閉じ込めた隔絶した場所。
俺は無明の闇に捕えられ、この牢獄へと落ちてきた。
そして、牢獄の中で唯一の安全地帯、旧校舎で俺は囚われのマスター達に出会う。
表の月では殺しあう運命にあった敵たちは、いつか訪れる必然の闘争に舞い戻るまで一時的に味方になった。
最強のマスター、レオナルド・B・ハーウェイを筆頭にこの牢獄を脱出すべく歩き出す。
月の裏側、無限の牢獄の名は『サクラ迷宮』。
表側のアリーナとは違う、そこにいるだけで命の危険に晒される場所。
レオナルド――レオ会長の発足した、脱出を第一目的とする組織『生徒会』の援護を受け、俺は迷宮を進む。
そして、迷宮を進む俺の傍には頼もしきパートナー、サーヴァントの姿。
月の裏側などという思いもしない場所へ落とされたが、きっと大丈夫。
俺には変わらない味方がいる。
かつて共に闘った記憶は、この迷宮へ落とされた時に奪われたけれども、それでもサーヴァントに対する信頼は、この魂に刻まれている。
だから、大丈夫。
たとえここが無窮の地獄だったとしても、俺は歩き続けるだろう。
そう、俺のサーヴァント――
――マッスルオブ裸革ジャンと共に。
「お前は何を言っているんだ」
おぉ、どうしたんだマッスル。
眉間に皺を寄せて。
「マッスル言うな!勝手に変なクラス名をつけないでくれ」
何を言う。似合っているぞ裸革ジャン。
素肌に革とは蒸れそうだな裸革ジャン。
前開けっ放しとか勇気があるな裸革ジャン。
恥ずかしくないのか裸革ジャン。
もうちょっと離れてついてきてくれるかな変態。
「最後オブラートに包む気すら無くなっているなマスター!?仕方が無いだろう、この服装は月の裏側へ来た際に無理やり押し付けられた拘束具なのだ。これのせいで能力も初期値にされたのはわかっているだろう?」
そんなお前がマイルームの鏡の前でポーズを取っていた姿を俺は知っている。
こんな服装に少しばかり憧れていたんだー、とは微笑ましいなクール&ワイルド。
「見ていたのかーー!?」
はっはっは。
見てなんかいないさ。
生徒会室でモニターしてた。
お前の勇姿は生徒会役員の目にしっかりと刻まれたぞ。
「より酷いではないか!?……いや、マイルームのセキュリティは万全だ。通信は可能であれモニターは不可能なはず。虚実は剥がれたな、マスター?」
俺がカメラを仕掛けたからな。
起点があれば一流のレオ会長が1分でやってくれた。
「お前が主犯じゃないか!?何をしているんだ!」
そりゃお前、マイルームに戻ったら、ガチムチマッスルが鏡の前でポージングとか――録画するだろ。
「いっそ清清しいほどに良い笑顔だなマスター!?」
最高に楽しいです。
ほら、いい加減進むぞ。
一刻も早く脱出するためにいつまでも遊んでいられんだろ。
「遊んでいるのはお前だろうに、よくも言えたものだ」
俺は何時だって全力だからな。遊びにだって手を抜かん。
「その情熱をもう少し真面目に使ってくれないか」
――俺は常に真面目だぞ?
「余計に性質が悪いわ!」
――記憶を奪われた少年と、力を奪われた戦士は歩き出す――
――ここから始まるのは、語られない物語――
――迷宮の最果てに待つ真実を掴むため――
――少年は変態と進みつづける――
「誰が変態だ!?変なナレーションを付けるな!」
外伝のアーチャー編でしたが、主人公www