Powder Blue Sky

興味を惹かれること様々。心ときめくこと様々。マイペースで残す雑記ブログ。

BBC Sherlock: A Strange Meeting(シャーロック・カンバーバッチ)

2012-09-21 22:20:02 | B. Cumberbatch (B.カンバーバッチ)

『シャーロック』にハマって約2か月。また『シャーロック』話です。
ジョンのブログを読んで、シャーロックとの出会いと、ジョンの気持ちの中で起きた変化を
モリ―のブログからは、彼女の密かなシャーロックへの思いとその人柄を少し掴むことが出来ました。
なんだか切ない二人・・・でした







ドラマをもう一つの目で捉えているのがジョンのブログですね。
それから詳しい解説はDVDのコメンタリ-。
コメンタリーの方は、スクリプトもあるので、これからゆっくり時間をかけて探索して楽しみます。









第一話『A Study in Pink』は、ジョンのブログを読みながら追ってみました。
といっても追うのは事件ではなくて、ジョンの目を通したシャーロックとの出会い。









この事件『Study In Pink』解決後、ジョンの萎んでいた心がピンと張ってきて、
生気が漲って行く様子が分かる最後の一行はイイです!

だけどシャーロックを失った後のジョンの姿を見てしまうと、切ない。









そして片思いで切ない胸の内を綴ったモリ―のブログも。可愛いです、モリ―。




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(主観入りテキトー訳。)



BBCシャーロック公式サイト紹介文から:

A Study in Pink
Episode 1 of 3, Sherlock, Series 1

A war hero, invalided home from Afghanistan, meets a strange but charismatic genius who is looking for a flatmate; it is London, 2010, and Dr Watson and Sherlock Holmes are meeting for the first time. A string of impossible suicides has Scotland Yard baffled - and only one man can help.
アフガン戦線で負傷し本国へ帰還した軍医ジョン・ワトスンは、アパートをシェアする相手を探していた人物と出会う。
変人と呼ばれているがカリスマ性をもった天才、シャーロック・ホームズとの始めての出会いは、2010年ロンドンでのことだった。
当時スコットランド・ヤードは考えられないような連続自殺事件で手こずっていた - 
これを解決できるのはただ一人の男だけ・・・。







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John Watson's Blog

ジョン・ワトスンのブログ


29th January
A strange meeting

I don't know how I'm meant to be writing this. I'm not a writer. Ella thought keeping a blog would help but it hasn't because nothing ever happens to me. But today, something did. Something happened.

I was walking in the park and I bumped into Mike Stamford. We were sort of mates when we were students. We got coffee and I mentioned that I wanted to move. He said he knew of someone in a similar situation. So we went to Barts and he introduced us.

Except, he didn't. He didn't introduce us. The man knew who I was. Somehow he knew everything about me. He knew I'd served in Afghanistan and he knew I'd been invalided. He said my wound was psychosomatic so he didn't get everything right but he even knew why I was there, despite the fact that Mike hadn't told him.

I googled him when I got back to the flat and found a link to his website The Science of Deduction.

It's mad. I think he might be mad. He was certainly arrogant and really quite rude and he looks about 12 and he's clearly a bit public school and,

yes, I definitely think he might be mad but he was also strangely likeable. He was charming. It really was all just a bit strange.

So tomorrow, we're off to look at a flat. Me and the madman. Me and Sherlock Holmes.

1月29日
奇妙な出会い

これを書くことにどんな意味があるのか、僕には分からない。僕は物書きではない。

エラ(セラピスト)はブログを書くことが、僕の精神状態回復に役立つと考えた。
けれど今まで何の役にも立たなかった。僕には何の変化もなく、書くことがなかったからだ。

ところが今日、ちょっとしたことがあった。出来事といえることが起こったのだ。


公園を歩いていたらマイク・スタンフォードと偶然出会った。
僕達は学生時代、友人同士だった。
一緒にコーヒーを飲んで、自分は引っ越しをしたいのだ、と話した。
すると彼は僕と同じように部屋を探しているヤツを知っていると言う。
僕達はかつて学んだバーソロミュー病院へ行き、そこで彼はひとりの男を紹介してくれた。

名前を伝える以外マイクは何も言わなかった。きちんと僕の情報を話して紹介した訳ではないのに、その男は僕が誰であるか、を言い当てた。どういう訳だか彼は僕のことを全て知っているかのようだった。
僕がアフガニスタンで兵役に就き、そこで負傷し足が不自由になったことなど。
僕の不自由な足は心因的な傷だ、などと言っていたから、全部が全部当たっていた訳ではない。
それでも彼は、マイクから何も聞いていないのに、僕がなぜ彼に会いにそこへ行ったか、も分かっていた。


自分のアパートへ戻って、ネットで彼のことを調べてみた。
そこには彼のサイト『推理の科学』があった。

まったくヘンな男だった。彼は一本ネジが狂ったヤツだと思う。
本当に傲慢で失礼極まりないヤツで、まるで精神年齢が12歳くらいみたいなんだ。
パブリック・スクール出の子息っぽいところも確かにあるけれど
どう見ても彼は普通じゃない。



でも同時に、妙な感じなのだけれど、なんだか人好きのするヤツでもあるんだ。
そう、彼には不思議な魅力がある。本当に、なんとも奇妙な感じなんだ。

だから明日、僕は彼と一緒にそのアパートを見に行くことにした。
僕とそのヘンなヤツとでだ。

僕とシャーロック・ホームズとで。







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(このエントリーには姉のハリー、友人ビルからコメントが寄せられていて、それにジョンが絡んでいってる。面白いんですね、これが。芸が細かい(笑)ここまで脚本の中に含まれといるのかーと感心してしまう。
ここに出てくる友人のビルについてはひとつ前のエントリーで、次のように紹介されてました。)


Met up with Bill Murray. Not the film star. He was the nurse who saved my life when I was shot. He's got married.
Stuff's happening to other people.)


『ビル・マーレイと会った。映画スターじゃなくて、僕が負傷したとき救助してくれた看護兵の名だ。彼、結婚したそうだ。

他の奴らはそうやって変っていっている。』




(何も変って行かない自分の人生・・・とジョンは寂しそうなんですね;;;孤独だったんだなぁ、ジョン・・・)







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(ここから先はジョンへのコメント)

10 comments

What the...?!?!

Harry Watson29 January 19:37
(一体全体・・・?? ハリー・ワトスン)


Mate, have you gone gay?

Bill Murray29 January 20:31
(君、ゲイになっちゃったんですか?  ビル・マーレイ)



Hahahahaha!! He can't be! The way he used to look at Clara!

Harry Watson29 January 20:34
(ハ、ハ、ハ・・・!まさかそんな訳が!
彼、以前はよく(私のパートナーの)クララに色目を使っていたのよ。‐  ハリー・ワトスン)


Any word from her?

Bill Murray29 January 20:41
(クララの方の反応は? ‐ ビル)


Nah. It's fine. Anyway we're talking about my brother!!

Harry Watson29 January 20:43
(まさか、ないわよ。まあ、いいじゃない。それより弟の話よ ‐ ハリー)


Can't you two email each other or something? This is meant to be for me to record my thoughts

John Watson29 January 21:02
(君たち2人ともe-mailか何かでやってくれない?これは僕の感じたことを記録するためのブログなんだよ ‐ジョン・ワトスン)



Not denying it then?

Bill Murray29 January 21:32
(じゃあ、ゲイを否定しないんだね ‐ ビル)


I'm not gay. He might be. I don't know. It doesn't matter.

John Watson29 January 21:42
(僕はゲイじゃないよ。彼(シャーロック)はそうかもしれないけど、分からない。そんなことどうでもいいんだ。‐ ジョン)


LOL!!

Harry Watson29 January 22:00
(笑っちゃうわね!! ‐ ハリー)


LOL? You're 36, Harry. Thirty-six..

John Watson29 January 22:03
(LOL? 姉さん、もう36だろう、ハリー。36歳にもなって・・・ ‐ ジョン)








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31st January

My new flatmate

So, last night I went to look at the flat. It's pretty decent actually. Sherlock had already moved in so it was a bit of a mess but that 's actually a nice change from where I was before.

And the madman himself? He's fascinating. Arrogant, imperious, pompous. He's not safe, I know that much. I'm not going to be bored and I doubt we're going to be arguing about whose turn it is to pay the gas bill or what we're going to watch on the telly. And yeah, he is probably most likely definitely mad. But, he knows a couple of nice restaurants so he's not all bad.

So yes, we had a quick look at the flat and chatted to the landlady. Then the police came and asked Sherlock to look at a body so we went along to a crime scene, then we chased through the streets of London after a killer and Sherlock solved the serial suicides/murder thing.

And then we went to this great Chinese restaurant where my fortune cookie said 'There is nothing new under the sun. It has all been done before. ' After the night I'd had, I beg to differ.

(それから二日後の1月31日のブログ)


新しいル-ムメイト

で、昨夜そのアパートを見に出かけた。実際のところ、かなり良い部屋だった。
シャーロックはもうすでに引っ越してて、ちょっと散らかっていた。
だけど、以前の部屋から引っ越すのは、僕には良い変化になると思った。

それで、その普通じゃない同居人はどうかって?
彼は実に面白くて興味深い、魅力あるヤツだよ。

傲慢で、命令的で、人を見下したような態度の鼻持ちならない、危ないヤツだ、というのは充分分かっている。
でも僕は退屈しないで済みそうだ。
ガス料金を支払うのは誰の番だとか、TVで何を見るかで彼と口喧嘩になったりすることはなさそうだし、
それに、そう、彼はおそらく、ほとんど確実に、常軌を逸したところがあるヤツだからね、退屈はしないだろう。
美味しいレストランをいくつか知っているし、全てダメなヤツって訳じゃなさそうだ。


そうそう、僕達は室内をザッと眺めてから大家夫人ともおしゃべりした。
それから警察がやって来て、シャーロックに死体を検分してくれるように依頼してきた。

で、僕達は犯行現場へ一緒に行き、それから殺人鬼を追跡してロンドンの通りを走り回り、シャーロックは連続殺人犯事件を解決した、という訳だ。

それから僕達は、すごく美味しい中華料理レストランへ行った。
僕のフォーチュン・クッキーにはこう書いてあったよ。

『太陽の下では新しいことは何も見つからない。全てその前にすでに見つけられてしまっているからだ。』




その日以降、僕は手にいれた。人生を変えるために、心から望んでいたものを。








ジョンがどんな風に気持ちを切り替えられたか、自分に訪れた変化をどんな風に噛みしめていたか、を感じる最後の一行。

これがライヘンバッハ後のジョンの姿と重なって、さらに悲しい…涙










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10 comments


WWhat!? Answer your phone!!!

Harry Watson31 January 13:46
(どうしたの?電話に出て!!  ハリー)



Please answer your phone.

E Thompson31 January 13:48
(お願いだから電話に出てください。   エラ)


Didn't realise you were keeping a blog, John. I wouldn't have thought you were the type. And as for what happened with Sherlock, it doesn't surprise me one bit. Good luck, mate.

Mike Stamford31 January 13:56
(君がブログを書いているなんて知らなかったよ、ジョン。君がブログを書くタイプだとは思っていなかった。シャーロックとの経験については、ボクは全然驚いてないさ。頑張れよ!  マイク・スタンフォード)


What you on about? I saw something on the news. Was that you?!

Bill Murray31 January 14:12
(どうしたの?ニュースをちょっと見かけたけど、あれは君だったのか?  ビル)


Seriously, John! What's going on?? Are you all right?!

Harry Watson31 January 14:16
(真面目なはなし、何がどうなっているの?あなた大丈夫?   ハリー)


Sorry, no need to panic. I'm fine. Better than fine. I'll write up what happened but I want to do it properly. Give me a couple of days.

John Watson31 January 16:12
(ごめん、慌てることはないよ。僕は大丈夫。大丈夫どころかすごく元気だ。起こった事件を書いてアップするつもりだけど、ちゃんと書きたいんだ。もう数日待っててください。 ジョン)


You can't just leave it at that!!! Tell me what happened!

Harry Watson31 January 16:15
(ダメよ、このままじゃ。何が起こったのか話して!!  ハリー)


Oh yes, do tell us how Sherlock did it

Anonymous05 February 16:46
(そうだよ。シャーロックがどうやって事件を解決したか、ぜひ話せよ。 匿名)



Will you answer your phone!!!!

Harry Watson05 February 22:01
(電話に出てちょうだい!!!  ハリー)


When are we going to find out more?

Bill Murray06 February 19:46
(いつになったら詳しく聞けるんだ?   ビル)





(匿名投稿者はモリアーティ?)









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アル中設定の姉ハリーはブログにしか登場しない(笑)けど、どうしてジョンが避けたがっているのか、このコメント読むと分かる気がする。
相手の気持ちにお構いなしに首を突っ込んでくる無神経さ。
それが良く出ているコメントでした。


このGIFのイメージ。(笑)勝手に姉ハリーにされたのは
The Officeで共演したCathrine Tate。







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ジョンはシャーロックの魅力を初めて会った時から感じ取っていたのですね。
最高のパートナーとの出会いって、そういうものなのかな^^








公園でマイクと偶然出会った時のジョンは、アフガン戦役で負った傷のことは触れてもらいたくない風だったし、自分は昔のワトスンではない、などと自分にとても否定的。
ベーカー街のフラットを初めて訪れた時に、ハドスンさんに不自由な足について苛立ちを見せたりして、暗い穴の中に落ち込んでしまっている状態でした。


だけどシャーロックと出会って、同居生活を始めてから、シャーロックと一緒に自ら事件の中に飛び込んで、たちまち活き活きと生気を蘇らせていきました。
マイクロフトに指摘されてたように、自分もキケンな刺激を求めているのかもしれない??と思いつつ。


常識と経験を持ち合わせて自力で生きてきたジョン。
訳の分からない?研究生活に明け暮れ、人並み外れた鋭い観察眼を頼りに生きてきて、生活感覚ゼロといってもいいシャーロック。


全然違う二人だけれど、根っこのところはキケン水域スレスレだった二人。



本当に運命の出会いをしました。
ベネディクトとマーティンの出会いも運命的な組み合わせです!

お互いがあってこそ醸し出される妙味。
それがこのシャーロックというドラマの、私にとっての『肝』。





スティーブン・モファットによると:

“John does two things for him, admire him, hugely, Sherlock enjoys, well, we are all enjoy someone that admires us, Sherlock is kinda thrilled that someone came to him and said, ‘You are brilliant,’ so Sherlock immediately values his judgment, but John also criticizes him. He’s the only person who praises him and the only person who really says ‘That’s not good enough,’ and he’s trying to live up to what John thinks he is,”
 (Steven Moffat)

ジョンはシャーロックのために二つのことをしてあげた。ひとつは彼をとても褒め称えること。シャーロックはその褒め言葉を心地よく感じた。誰だって自分を褒めてくれたら嬉しい。シャーロックは誰かがやってきて『君は素晴らしい!』と言ってくれることに感激して、彼の判断をすぐ重んじるようになった。しかし同時にジョンはシャーロックを批判もした。ジョンは彼にとって、褒めもするし、『それは良くないよ』と本心から言ってくれる唯一の人物だった。そしてシャーロックはジョンが考えるシャーロック像に添うよう努めるようになる。





このあと解決していく数々の難事件を、この二人の周囲の登場人物と一緒に、人間観察中心に楽みたいです!





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そして、片思いの胸の内を綴ったモリ―のブログ


あまり更新していないモリ―ですけど、書き始めて2~3回目のエントリーには、
シャーロックへの切ない思いが書かれているんですね。
胸がキュンとしてしまう。モリ―、好きだなぁ。







28 January

Do you believe in love at first sight? There's this man and I love him. At least, I think I do. I can't stop thinking about him. He's so intelligent it's like he's burning. And he's so cool but not really. And he's fit. Oh, he is really fit. And I can't stop thinking about him. I'm a sensible girl, I always have been. I've worked hard to get the job I have and I've got plans but he just rides all over everything. It's like I'm Molly Hooper, in control. 'Little Miss Perfect' as my mates call me. Until he walks into the room and then suddenly I'm this little mouse. He turns me into a mouse.

Molly Hooper28th January 22:15


一目で恋に落ちるなんて、あなたは信じますか?

あの人がいて、私はその人に恋をしている。。。少なくとも私は恋してると思う。
彼のことを考えずにはいられない。

彼はすごく知能が高くて頭の回転が速く、まるで燃え盛る炎みたい。
だけどとても冷淡で冷めている。本当のところは分からないけど。
そして魅力的。ええ、とても魅力的。
彼のことを考えずにはいられないわ。

私は良識ある人間だし、今までもずっとそうだった。
今の仕事を得るために一生懸命努力して働いてきたし、将来のプランだってある。
でも彼はそんなこと全てを遠くに押しやってしまう。

私はちゃんと自制心をもったモリ―・フーパー。
友達が呼ぶように、私は小さな完璧屋さん。

でも彼が部屋に入ってきた途端に、私は小さな臆病者になってしまう。
彼が私を内気な女の子に変えてしまうのだわ。








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29 January
He was in again today and I still don't understand him. One minute he's noticing the tiniest thing about me and the next it's like I'm not here.
He said I was wearing too much lipstick and then said I wasn't wearing enough. I just don't know. Connie Prince will know. She's fab.

1 comment


Is it wrong that I let him talk to me the way he does?
I'm not like it with other men. Just him.

Molly Hooper29th January 22:13

彼は今日もいた。
まだ彼のことがよく分からない。

私のことで、すごく小さなことに一瞬気付いたかと思うと、次の瞬間、まるで私の存在なんか気付かないように見える。
私に口紅を塗り過ぎている、と言った後で、今度は塗り方が足りないと言ったり。
本当に分からないわ。

コニ―・プリンスなら教えてくれるかも。彼女そういうことに詳しいから。



(モリ―追記しています)
彼にあんな話し方をさせたままにしておくのは間違っているかしら?
他の男の人だとあんなじゃないのに。彼の時だけよ、言われっ放しなのは。











こんなに純で引っ込み思案な人が、死体検視官で毎日霊安室で遺体と向き合っているなんて、なんだかギャップ、と感じていたけど、作者達が最初から、シャーロックの見せかけ自殺に手を貸していく、という想定で創り出したオリジナルのキャラクターなら納得です。
自然な流れを創り出すために、こんなブログまで用意しているとしたら、Moffatisの用意周到さ加減に脱帽です^^。




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長くなってしまったので、A Study In Pink お気に入りシーンはそのうちに、また。







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