先日の土曜、ちょっとした忘年会で焼肉屋に行った。呑み会で焼肉とはちょっと僕にしては珍しいのだが、それは幹事の人が割引券を持っていたから、というだけの理由である。
ただ、もちろん肉は大好きなのでその点には異論はないのだが、焼肉で宴会というのは本音を言うと実は避けたいのである。それは、焼肉屋ではそれぞれ「流儀」というものがあって必ずぶつかるからだ。もっと本音を言うとぶつかるのは僕であって(汗)、他の人はさほどこだわりなく普通は進行する。僕一人がたいていは「ああそうじゃないんだ」「そんなふうに焼くなよ」などと思っているに違いない。もちろん僕もいい大人であるのでそういう気持ちを表面に出したりはしないが(モメ事はキライ)、なんとなしにストレスが溜まる。焼肉くらいもっと大らかな気持ちで食べられないものなのかと自己嫌悪になったりする。僕はうっとおしいヤツなのだ。
僕は、今までも書いているように食事をする際に食べ物の順番、酒を呑む順序に一定のルールが自分の中にある。それは万人に通用するものではなくタダの「俺ルール」である。だから言うべきことではないと自覚しているがいつもウズウズする。性格として間違いなく「鍋奉行」になるタイプ。だから多人数の場合は他の人に仕切られると少し戸惑う。
寿司屋に行くときなどはその最たるもので、以前ちょっと書いたことがあったが(→飯で酒が呑めるのか?)流儀の違う人と行くとどうも居心地が悪い。自分が狭量であるということは十分自覚した上での話しだが。
今回は、「焼肉のことは俺に任せろ」という人物がいて、その男が仕切った。そうなると僕はさすがに口出しなどしない。「お任せ」である。まず彼はビールのジョッキを人数分頼んだ。乾杯。美味いのぉ。ゴクゴク。これにはなんら異論が無い。そして彼は「焼肉通」であるらしくこう言った。
「焼肉の正しい食べ方は、あっさりしたものから味の濃いものへ。塩で焼くものの前にタレの濃いものを焼くと網が汚れるからそれは避ける。ホルモン関係はしつこいから後だ」
そしてタン塩から始めた。
うーむ。それは確かに正しい。どこでも言われている焼肉のルールである。異論を唱えることなど出来ない。
ただ、僕の場合は逆なのだ。これは言いにくいことなのだが。
僕の場合、焼肉屋であってもそれは呑む限り「酒場」であるとみなす。ということは焼肉の順序より酒の順序が優先する(ここが他人には理解してもらえない僕のアホなところなのだが、まず「酒」ありきなのだ)。この場合、僕はビールを二杯ほど飲み、その後は出来れば焼酎(もちろん眞露などの韓国焼酎ですね)に移行したい。その場合僕の好みは、焼き鳥の時も言ったが「味の濃いものからあっさりしたものへ」というオーダーなのである。通常のルールからは逆だ。なので家族と焼肉を食べる際は(この場合は「俺ルール」が通用する)、まずハラミ、ミノ、レバーなどが登場する。これはビールに合うと僕が思っているからだ。ビールには脂の強い濃い味のものがいい。ウルテなどは大好き。そしてしかる後に、タン塩、サムギョプサル(豚バラ塩)などが登場。その時は既に酒が眞露に替わっている。ユッケも美味い(冷たいものはビールと食べたくない)。最後に冷麺やビビンバ、クッパの場合はあるが、飯を食べるときはカルビを更に注文したりする。ごはんとカルビをかっ込むと美味いですからね。
じゃあ焼肉屋基本ルールである「網が汚れるじゃないか」という問題については、僕はわがままを言っていつも網を取り替えてもらう。傲慢だとは自分でも思うのだがそうする。「先に味の濃いものを食べると舌がおかしくなる」という意見は、僕がそれほど上質の舌を持っているわけでなし気にしない。
こんなふうに普段は進行する。ただし、タン塩で始まってもそこまでは文句を言う事はさすがにない。酒の順番や量、スピードを強制されると僕は不快になるが(「もっと呑め」などとは言うな)、焼肉の順序くらいで大人気なく口出しはしない。
しかし、ここに全てを根底から覆す、もう一人の「仕切り屋」が現れた。困ったことにその人は一番の年長者(血液型O型)である。
「タン塩ばっかり焼いててなんか焼肉屋に来た感じがせんぞ。カルビ食べなあかん。焼肉の王道やないか。わはは」
と言ってカルビ五人前を注文した。そしてジュージューと焼き始めたのである。最初の焼肉奉行は形無しだが、年長者なのでしょうがない。この年長者(血液型O型)はまたいい人で、遠慮してカルビを食べないのだと勘違いしている。悪気ゼロであるところが困る。
年長者(血液型O型)は、タンを網の隅に寄せ、カルビを一気に網に乗せた。「じゃんじゃん食べよう。」
そしてどんどんタンを裏返す。薄切りのタンは僕は裏返さず片面だけ焼いて食べるのだが(肉汁がみんなこぼれるから)、そんなことはおかまいなしである。
(これは余談だが、タン塩を注文するとよく表面にみじん切りのネギがトッピングされている場合が多々ある。あれはどういうことなのだろうか。この日もそうだった。僕のように裏返さずに食べる人間はそれでいいが、ありゃひっくり返すと網の下にみんなネギが落ちる。焦げるしね。あの意図がよくわからん。ネギを添えるならもう少しうまいやり方があろうものなのに)
とにかくその年長者(血液型O型)は、肉を網の上にところ狭しと置くが、最初にタンをガンガン裏返した後は飽きたのか、裏返そうともせず放置である。タバコ吸ってダジャレを言って笑っている。どんどん焦げていくぞ。僕たちは焼肉を食べることに集中しているわけではない。これは宴会であり歓談が主役なのだ。僕もオヤジギャグを言って笑いたい。しかし焦げるから僕と「元」焼肉奉行は必死になって世話をし、食べる。そうすると年長者(血液型O型)は「たくさん食べて気持ちがええな」などとのたまってまた皿にあるだけの肉を全部ドサッと網に乗せる。ニコニコしながら。自分はあまり食べないのだ。元来いい人であるために困ってしまう。ああもう限界だ。かくして肉は徐々に炭化していく。もったいないことおびただしい。こだわりの「元」焼肉奉行さぞかし悔しかろう。お前の気持ちはワシにはよくわかるぞ(涙)。
もう順序などどうでもいいよ。焼き加減も自由。だから、食べる分だけ網に乗せなさい。こっちは忙しくて会話についていけないぞ。とっておきの小話を言う機会がないじゃないか。
焼肉屋で宴会するのは多人数だと実に難しい。せいぜい2、3人だと美味しく食べ楽しく呑んで歓談が出来るのだが。
これは焼肉だけに限らず例えば「鍋」でも起こりうる事態。上等の店へ行けば仲居さんがついて一切の世話をしてくれたりする。僕などこういうのは「しゃらくさい」と一瞬思うほうなのだが、宴会ではありがたい存在なのかも。そこにある具材を一気に鍋に投入、というような乱暴な人が居ないとも限らないのだから。焼肉にせよ鍋にせよ一種の「調理」を伴う食事は宴会には向かないのではないか(お好み焼きもそうだけどあれで宴席ってのはあまりない)。歓談に集中出来ないしねぇ…。
ちなみに僕は「一人焼肉」だって平気である。独身時代は行きつけの店があった。そっちの方がより焼肉を楽しめる、と思うのだが、偏屈ものの証明だろうか。
ただ、もちろん肉は大好きなのでその点には異論はないのだが、焼肉で宴会というのは本音を言うと実は避けたいのである。それは、焼肉屋ではそれぞれ「流儀」というものがあって必ずぶつかるからだ。もっと本音を言うとぶつかるのは僕であって(汗)、他の人はさほどこだわりなく普通は進行する。僕一人がたいていは「ああそうじゃないんだ」「そんなふうに焼くなよ」などと思っているに違いない。もちろん僕もいい大人であるのでそういう気持ちを表面に出したりはしないが(モメ事はキライ)、なんとなしにストレスが溜まる。焼肉くらいもっと大らかな気持ちで食べられないものなのかと自己嫌悪になったりする。僕はうっとおしいヤツなのだ。
僕は、今までも書いているように食事をする際に食べ物の順番、酒を呑む順序に一定のルールが自分の中にある。それは万人に通用するものではなくタダの「俺ルール」である。だから言うべきことではないと自覚しているがいつもウズウズする。性格として間違いなく「鍋奉行」になるタイプ。だから多人数の場合は他の人に仕切られると少し戸惑う。
寿司屋に行くときなどはその最たるもので、以前ちょっと書いたことがあったが(→飯で酒が呑めるのか?)流儀の違う人と行くとどうも居心地が悪い。自分が狭量であるということは十分自覚した上での話しだが。
今回は、「焼肉のことは俺に任せろ」という人物がいて、その男が仕切った。そうなると僕はさすがに口出しなどしない。「お任せ」である。まず彼はビールのジョッキを人数分頼んだ。乾杯。美味いのぉ。ゴクゴク。これにはなんら異論が無い。そして彼は「焼肉通」であるらしくこう言った。
「焼肉の正しい食べ方は、あっさりしたものから味の濃いものへ。塩で焼くものの前にタレの濃いものを焼くと網が汚れるからそれは避ける。ホルモン関係はしつこいから後だ」
そしてタン塩から始めた。
うーむ。それは確かに正しい。どこでも言われている焼肉のルールである。異論を唱えることなど出来ない。
ただ、僕の場合は逆なのだ。これは言いにくいことなのだが。
僕の場合、焼肉屋であってもそれは呑む限り「酒場」であるとみなす。ということは焼肉の順序より酒の順序が優先する(ここが他人には理解してもらえない僕のアホなところなのだが、まず「酒」ありきなのだ)。この場合、僕はビールを二杯ほど飲み、その後は出来れば焼酎(もちろん眞露などの韓国焼酎ですね)に移行したい。その場合僕の好みは、焼き鳥の時も言ったが「味の濃いものからあっさりしたものへ」というオーダーなのである。通常のルールからは逆だ。なので家族と焼肉を食べる際は(この場合は「俺ルール」が通用する)、まずハラミ、ミノ、レバーなどが登場する。これはビールに合うと僕が思っているからだ。ビールには脂の強い濃い味のものがいい。ウルテなどは大好き。そしてしかる後に、タン塩、サムギョプサル(豚バラ塩)などが登場。その時は既に酒が眞露に替わっている。ユッケも美味い(冷たいものはビールと食べたくない)。最後に冷麺やビビンバ、クッパの場合はあるが、飯を食べるときはカルビを更に注文したりする。ごはんとカルビをかっ込むと美味いですからね。
じゃあ焼肉屋基本ルールである「網が汚れるじゃないか」という問題については、僕はわがままを言っていつも網を取り替えてもらう。傲慢だとは自分でも思うのだがそうする。「先に味の濃いものを食べると舌がおかしくなる」という意見は、僕がそれほど上質の舌を持っているわけでなし気にしない。
こんなふうに普段は進行する。ただし、タン塩で始まってもそこまでは文句を言う事はさすがにない。酒の順番や量、スピードを強制されると僕は不快になるが(「もっと呑め」などとは言うな)、焼肉の順序くらいで大人気なく口出しはしない。
しかし、ここに全てを根底から覆す、もう一人の「仕切り屋」が現れた。困ったことにその人は一番の年長者(血液型O型)である。
「タン塩ばっかり焼いててなんか焼肉屋に来た感じがせんぞ。カルビ食べなあかん。焼肉の王道やないか。わはは」
と言ってカルビ五人前を注文した。そしてジュージューと焼き始めたのである。最初の焼肉奉行は形無しだが、年長者なのでしょうがない。この年長者(血液型O型)はまたいい人で、遠慮してカルビを食べないのだと勘違いしている。悪気ゼロであるところが困る。
年長者(血液型O型)は、タンを網の隅に寄せ、カルビを一気に網に乗せた。「じゃんじゃん食べよう。」
そしてどんどんタンを裏返す。薄切りのタンは僕は裏返さず片面だけ焼いて食べるのだが(肉汁がみんなこぼれるから)、そんなことはおかまいなしである。
(これは余談だが、タン塩を注文するとよく表面にみじん切りのネギがトッピングされている場合が多々ある。あれはどういうことなのだろうか。この日もそうだった。僕のように裏返さずに食べる人間はそれでいいが、ありゃひっくり返すと網の下にみんなネギが落ちる。焦げるしね。あの意図がよくわからん。ネギを添えるならもう少しうまいやり方があろうものなのに)
とにかくその年長者(血液型O型)は、肉を網の上にところ狭しと置くが、最初にタンをガンガン裏返した後は飽きたのか、裏返そうともせず放置である。タバコ吸ってダジャレを言って笑っている。どんどん焦げていくぞ。僕たちは焼肉を食べることに集中しているわけではない。これは宴会であり歓談が主役なのだ。僕もオヤジギャグを言って笑いたい。しかし焦げるから僕と「元」焼肉奉行は必死になって世話をし、食べる。そうすると年長者(血液型O型)は「たくさん食べて気持ちがええな」などとのたまってまた皿にあるだけの肉を全部ドサッと網に乗せる。ニコニコしながら。自分はあまり食べないのだ。元来いい人であるために困ってしまう。ああもう限界だ。かくして肉は徐々に炭化していく。もったいないことおびただしい。こだわりの「元」焼肉奉行さぞかし悔しかろう。お前の気持ちはワシにはよくわかるぞ(涙)。
もう順序などどうでもいいよ。焼き加減も自由。だから、食べる分だけ網に乗せなさい。こっちは忙しくて会話についていけないぞ。とっておきの小話を言う機会がないじゃないか。
焼肉屋で宴会するのは多人数だと実に難しい。せいぜい2、3人だと美味しく食べ楽しく呑んで歓談が出来るのだが。
これは焼肉だけに限らず例えば「鍋」でも起こりうる事態。上等の店へ行けば仲居さんがついて一切の世話をしてくれたりする。僕などこういうのは「しゃらくさい」と一瞬思うほうなのだが、宴会ではありがたい存在なのかも。そこにある具材を一気に鍋に投入、というような乱暴な人が居ないとも限らないのだから。焼肉にせよ鍋にせよ一種の「調理」を伴う食事は宴会には向かないのではないか(お好み焼きもそうだけどあれで宴席ってのはあまりない)。歓談に集中出来ないしねぇ…。
ちなみに僕は「一人焼肉」だって平気である。独身時代は行きつけの店があった。そっちの方がより焼肉を楽しめる、と思うのだが、偏屈ものの証明だろうか。
幸いにして、我が家ではタン塩を食べるのは私だけなので、一人でキープして、きっちりとスペースを空けて一人焼け具合を見ながら食べる・・・ビールも進むみたいな・・・(笑)。
別件ですが、妻の実家よりニンニクと味噌でじっくり煮込んだ「なんこ」が到着し、これがうまいのなんの・・・。
やっぱり空知地区の「ソウル・フード」だな・・・と思っております。
焼肉での宴会って話が散漫になるし人に気を遣わなくちゃいけないので外での焼肉は乗り気でない私です。
でも焼肉の焼き方、食べ方を見ているとその人の性格が垣間見えたりしません??
そういうことを観察するのが大好きな私です♪
そういう意味での楽しみ方はあるかも←根性悪いですよね
なんと言いますか、もう焼肉は価値観が同じ人とでないと楽しめませんね。家族で行くのがいちばん望ましいのかもしれません。
「なんこ」いいですねー♪ どこで見ても「なんこ=腸」であると書かれていますが、その語源が実に気になっています。まあそれよりも食べてみたいですがね(笑)。
焼肉はもちろん、鍋料理などの調理を伴うもの、またカウンターでの寿司、天ぷらなどは実に個人の流儀が全面に出ます。おおらかな性格で全く気にならない人も確かに居ますが、僕のように狭量な人間ですとどうしても他人の流儀が気にかかる。うまく楽しめませんねー。しかし楽しめていない様子など僕は顔には出していないつもりなのですが、jasminさんとかには多分見抜かれているのでしょうね。わははは(笑)。
人それぞれ食べ方違うしね。
なので食べ放題とかの自分で食べたいモノを持ってきて
食べるスタイルが1番いいです。
食べ放題もなんだか最近ご無沙汰しているなぁ。人よりたくさん食べる自信はあるのですが、この歳でそんなことしていてもいいのか、という自問があります。根がイヤしいものでどうしても「元を取るまで食べる」という姿勢から脱却できない(笑)。いかんいかん。