アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

国防費が国家予算の25%の国

2009年12月20日 | Weblog
 イスタンブルの空港(アタテュルク国際空港)の警備が物々しい。
 まず、空港ビルの玄関で検査される。飛行機に乗る人も、見送りの人も、空港見学の人も、みーんな検査されます。し、し、しかもベルトまで外させられる。人前で、ベルトを外すということは大変恥ずかしい行為。しかし、アタテュルク国際空港ではそんなことはお構いなし。男も女もベルトを外させられる。チェックを終わったあと、人前でベルトをズボンに着けるわけだが…みっともない。見栄っ張りの私としては屈辱でもありました。しかし、相手は拳銃のみならず、自動小銃をもっているのです。

 さらに、運の悪い人は、「このトランクの持ち主!ちょっと来い」と呼ばれ、トランクを開けさせられる。衆人環視の中、トランクの中身をかき回される。10人に1人はこの洗礼を受ける。
 検査のトンネルで、爆弾の反応が出たからではないのかって?どこのバカが爆弾入りのトランクを検査のトンネルへ入れますか!検査の人たちは、職務上適当に、気まぐれで、「このトランクの持ち主!」と、呼ぶのです。ですから、「運の悪い人は…」と、書いたのです。

 なぜこれほど厳しいか?トルコの周辺を見るとすぐに理解できる。西は、ギリシャとブルガリア。これは、現在は問題ない。問題は東…シリア、イラン、イラク、アルメニア、グルジアですよ!中東の火薬庫に囲まれている。黒海を渡って、ロシアもピロシキを食べながら侵略して来るかも知れない。
 実際、トルコ軍はイラク領内で、「武装組織、クルド労働者党(PKK)」に越境砲撃を行ったりしています(今年6月)。いつ、報復攻撃されるか分からない。アタテュルク国際空港が襲撃されたり、トルコ航空機がテロの標的にされては、国歌の威信にかかわる。だから、警備が厳重なのです。 

 トルコ軍は強そうです。プロの軍人が40万人。それにくわえて、徴兵制で集められた兵士が60万人。つまり、常に、100万人の軍隊をもっている。世界第5位。
 「イラク」と聞くと、あまり関わり合いになりたくないのですが、そのイラクへ平気で越境砲撃(目標はPKKですが)してしまう。自信の表れでしょう。「周囲に敵なし!」と、オジサンがチャイを飲みながら自慢しました。

 トルコの若者は、20歳で徴兵される。期間は、1年半。給料は日本円にして、月額千円。衣食住がタダなので…千円でも不足はない…かな?徴兵されて、イラン、イラクの国境へ派遣される兵士は、可哀想だという。まず、「寒い」。勤務も厳しく、命の心配もあるから。
 トルコの国防費は、国家予算の25%。この数字が、トルコが置かれている地理的な位置を物語っています。