アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

泣きっ面に蜂…

2020年06月20日 | Weblog
 過飽和業界が、生き残りレースをしている最中の「コロナ禍」…泣きっ面に蜂ですよね。過飽和業界ってどんな業界かって?私が、勝手に名付けたのですが…そのまんま「過飽和の業界」、たとえば、「歯科医院」「医院・病院」「調剤薬局」「理容院・美容院」「整骨・鍼灸・整体・マッサージ・カイロプラクティック」…。

 理美容業界は、殆どが個人経営。格安料金のチェーン店の進出により閉店を余儀なくされてきていましたが。それでも、細々と営業してきたところもあります。ですが、コロナ禍で、常連客が来なくなり収入ゼロの日が珍しくないのだと。
 息子さんに理容師の資格を取らせたオヤジさんも、「終わりっ、自分の代で終わり…。食っていけんもなー(生活していけない)。うちだけでないよー」と、自嘲的に話していました。
 美容院経営者は、「完全予約制です。客が来ないときには、果樹園の仕事をしています。人を雇う?給料が払えませんよ」。美容師は副業…こうなっていくのでしょうか。

  整骨・鍼灸・整体・マッサージ・カイロプラクティック…看板が街中にたくさんあります。これらを整理してみるとどうなるか…
○ 国家試験資格が必要・・・柔道整復師、鍼灸師、按摩マッサージ指圧師
○ 資格がいらないもの・・・整体師、カイロプラクティック
 整体師とかカイロプラクティックは、資格がいらない。つまり、誰でも開業できる。その他に、按摩マッサージ指圧師と紛らわしいのは、「タイ式マッサージ」「足裏マッサージ」「全身マッサージ」…資格も何にもいらない。と、いうより資格そのものが「ない」。
 
 整体師養成学校というものもあるにはある。「2週間程度の講習で開業させる」「2年間の講習で…」と、様々。カリキュラムも何もあったもんじゃない。
 「厚生労働大臣認可の整体院」・・・これは日本には存在しない。
 「整体師の資格」・・・これは、お金さえ出せば誰でも取得できる。お金を出したくない人は、自分で資格認定すれば良い。認定書は画用紙で作ると良い。
 こんな事情ですから、街中に氾濫している。そこへコロナ禍ですから、気の毒です。生き残るのは、健康保険が使える、整骨(接骨)院でしょうか。

 病院が潰れるのは、予想しませんでしたが、コロナ禍で経営が困難になっている病院があるという。医療従事者への人権侵害もあるってんだから、やってられませんよね。
 調剤薬局も病院周辺に密集状態。病院・医院にくっついていて経営が成り立っているわけで…。病院・医院が潰れると、潰れます。

 問題は歯科医です。アメリカでは、水道水へのフッ素混入で虫歯が殆どなくなった。「これからは、歯科医は少しでよい。歯列矯正ぐらいしか仕事がないからね」と、フォーサイス・デンタルセンター(ボストン)の歯科医が話しておりました。

 日本では、医師も歯科医師も、「ドクター(Doctor)」と呼ぶのが普通ですが、英語では、歯科医は、「デンティスト(dentist)」。「ドクター」とは言いません。ドイツ語でもフランス語でも、「医師」と「歯科医師」は、明確に区別しています。格付けの意味があるのでしょう。中国語ですかぁ、医師は、「 医生(イーション)」で、歯科医師は、「牙医(ヤイィ)」です。「牙医」だって!そのまんまですね。
  東京歯科保険医協会が東京都内の歯科医を対象に、「子どもを歯科医師にしようと思うか」の調査をしました。(最新の数字を探しましたが見つかりませんで)1983年の調査では、歯科医にしたいが、23%だったのが、2009年には7%に。
 歯科医療の将来展望では、「暗い」が65%、「明るい」は8%。半数以上が「患者数が減った」「経営が苦しい」などと回答。そんな中でのコロナ禍。青息吐息の様子です。

 1年後の街は、「歯科医院」「医院・病院」「調剤薬局」「理容院・美容院」「整骨・鍼灸・整体・マッサージ・カイロプラクティック」等々の看板が消えてしまっているんじゃないか。
 私の力では、どーしようもありません。右手の握力は、とうとう20kgを切ってしまいました。そういう力じゃないですね。