作業がたまっていたので、今日は外回りを夕方早めに切り上げて自宅へ戻ることにした。雨が降り出して、朝から着ているスーツがつらい。降りが甘いので湿気も引かず、一刻も早くスーツを脱ぎたくてもういてもたってもいられなくなったから、店にはいって何か食べて帰る気も失せ、近くのコンビニに飛び込んで晩飯の買物、そのままタクシーに乗って家に直行した。わたしは自他共に認める味盲なので、食い物の話はブログに書くまいと決めているが、まあ、コンビニ弁当の感想くらいは書いても許されるだろう。オクラだのめかぶだのが入ったネバネバ蕎麦、たぶんCMでやってるやつじゃないかと思うが、結構いけます、いけました。スーツを脱いで、パンツ一丁でコンビニ弁当かっこむ四十男。かなりおぞましいな、うん、ほっといてくれ。ネバネバものって、子どもの頃は全く食べられなかったな。田舎の山育ちだから、例えば秋にはオヤジが山でその日に掘ってきた山芋なんてのが食卓に並んだが、こんな鼻水みたいなもん食えるかと一人だけハンバーグ…馬鹿なガキである、浅はかでした、阿呆でした。納豆もだめ、めかぶどころかワカメもだめ。そういえば、わたし、今は四十で頭が白髪だらけですが、子どもの頃は赤毛で。小学校の校長先生が、うちの親に、「おたくの子は校庭のどこにいるかすぐわかる。みんなが遊んでるのを遠くで座ってみてる赤毛の虚弱児」といったから、ワカメ食わないから赤毛になるんだとオヤジが毎朝、ワカメの味噌汁に手をつけないわたしに説教してた。虚弱体質で偏食、少し不眠気味という岐阜の田舎じゃちょっとアーティスティックなスペックだったのが、小学校4年生くらいを境に、どういうわけか突然神経が太くなり、何でも食える、いくらでも寝られるという人間に一変、今にいたる。まあ、いいことなんだろう。美容師に髪をいじられて、あれ、これ染めてないんですね、と言われると、赤毛の神経症だったころを思い出す。今も少し赤毛の名残りがあるようで、とはいえ、まあもう白髪の方が目立ってるので、どうでもいいんだけど。ネバネバ蕎麦を食ったら思い出したことを徒然に…という散漫でごめんなさい。今日の推薦盤はこちら。Ege Bamyasi / CAN 。オクラの缶詰をジャケット、というこのセンス。何を考えてるんだろうね、という70年代ドイツのロックバンド。バンド名のCANは、「コミュニズム」(共産主義)、「アナーキズム」(無政府主義)、「ニヒリズム」(虚無主義)の頭文字なんだそうで、それと缶詰のシャレだが、それにしてもなぜオクラなの。音もかなり音響っぽいというか前衛っぽい感じで、推薦盤といっておいて申し訳ないが、万人向けではないような気がする。わたしはとても好きなバンドだが、なんだこりゃ金返せという人がいてもおかしくないわな。まずはamazonで試聴してみて、ダメだと思ったら手を出さないように(笑)。ところで、わたしの古巣の博報堂が独自のワークショップ手法を売り出しているが、とある仕事でそのワークショップに参加した際、参加者の緊張を解きほぐすという名目で編集された会場BGMでこのバンドのFlow Motion / CAN の1曲目がかかっていた。あまりにも通すぎる…誰もわかんないっての(笑)。こんな選曲するのは、もしかするとあなたではないのか、スージー鈴木。間違ってたら申し訳ない。
推薦blog:QUIET VILLAGE